SCOOBIE DO、タフな4人が鳴らす明日への希望 目の前の“君”に届けてきた20年間の先へ向かうメッセージ
自らを「FUNKY4」と呼ぶご機嫌な4人組、それがSCOOBIE DO。スウィートソウルスウィンガーことコヤマシュウ(Vo)、このバンドのリーダーであるマツキタイジロウ(Gt)、グルーヴィなステップを見せるナガイケジョー(Ba)、アフロヘアーがトレードマークのオカモト"MOBY"タクヤ(Dr)の4人は、ソウル、ファンク、ロックンロールを縦横に響かせる独自のスタイルを「Funk-a-lismo!」と名付け、ファンキーでメロウでスウィンギンでグルーヴィなナンバーを響かせる。
洒落たモッズスーツに身を包み汗を飛び散らせまくるライブには、彼らが「Plus One More」と呼ぶ“君”がいる。軽快なMCでライブを盛り上げるコヤマは決して“君たち”とは言わず、目の前にいる一人ひとりに“君”と呼びかけるのがお約束だ。
そんなSCOOBIE DOがメジャーデビュー20周年を迎えた今年、3年ぶりの新作『Tough Layer』を8月24日にリリースした。バンド結成からは27年になるが、現在の4人でこのスタイルを作り上げてきたのはデビュー以後と言っていいだろう。しかもメジャーレーベルからの期待も大きい中、2006年には自身のレーベル<CHAMP RECORDS>を立ち上げ、メンバー4人で運営しながら作品をリリースし、ツアーなどの活動を続けてきた。それは自分たちの思う音楽をダイレクトに届けるためであり、彼らの情熱は確実に多くの「Plus One More」に伝わってきた。今もその姿勢は変わらないが、前作『Have A Nice Day!』より、彼らがメジャーデビュー時に在籍した<SPEEDSTAR RECORDS>と<CHAMP RECORDS>がタッグを組んでのリリースになった。新作『Tough Layer』も同様で、さらに多くの「Plus One More」に届くことだろう。
同作は、先行配信シングルとして6月にリリースされた「明日は手の中に」で幕を開ける。軽快なギターリフとハンドクラップが重なるイントロからライブで盛り上がること必須のナンバーだ。〈しゃがみ込んでも/必ず 明日は手の中に〉と歌うサビを聴くと、ライブでどんな光景が生まれるか想像を掻き立てられる。
SCOOBIE DOの楽曲はほとんどをマツキが書いているが、それをコヤマが歌い、4人で演奏することでリアルなSCOOBIE DOナンバーになっていく。ステージから「今日の主役は皆さんってことでいいですよね!」とコヤマがよく言ったりするが、スウィートソウルなラブソングであっても主役はその曲を聴いているリスナーであり、そのことに気づいてホッとしたりハッとしたりすることが少なくない。2曲目「今日の続きを」もそんな曲の1つで、〈誰だって産まれた時から/ 「自分」のプロフェッショナル〉というパンチラインが刺さる。
お気づきのように『Tough Layer』はコロナ禍の間に制作されている。この期間の世の中の空気感を楽曲が孕むのは当然だし、それがあってこそのポピュラーミュージックなのだ。3曲目「その声を」はライブでオーディエンスの声を待ち構えているバンドの気持ちのように思えるし、ライブに行けないオーディエンスが早くライブで聴きたいと思い願っているようにも思える。