TOMOO、他者との関わりの中に見出す希望 メジャー1stシングル「オセロ」&ワンマンライブ『Estuary』に込めた真意を問う

TOMOO、他者との関わりの中に見出す希望

「境目の視点」を大事にしたい

TOMOO(写真=SEIYA FUJII (W inc.))

ーー8月7日には、LINE CUBE SHIBUYAにてワンマンライブが開催されます。「河口」を意味するタイトル『Estuary』に込めた思いはTwitterにも載せていましたが、改めてここで聞かせてもらえますか?

TOMOO:一つは、海水と淡水が入り混じる場所という意味での「河口」。私、物事の白黒をはっきりさせるのが本当に苦手で。「君はポップになりたいの、それともコアな音楽がやりたいの、どっち?」みたいなことを、ずっと言われ続けてきたんです。「境目にいてはダメなの?」と、音楽だけじゃなくていろんな局面で思っていました。きっぱり分けた線上ではなく、グラデーション的に入り混じった場所にいつも立っていたい。淡水と海水が入り混じるところの生態系は豊かであるという事実は、単なる比喩ではあるけど私にとっては「希望」でもあるんです。それは音楽性ということだけじゃなく、音楽の中で表現するものの考え方もそう。「境目の視点」を大事にしたい。

 そして自分が今、活動10年目にしてメジャーデビューを果たす節目にいることは、大海原に出ていくようでもあるし、一巡りして原点に立ち返るようでもあって。そういう意味でも「河口域」を意味する「Estuary」が、タイトルとしてしっくりきたんですよね。

ーーなるほど。

TOMOO:昨年のワンマンライブに『Spiral』というタイトルをつけたのも、「巡る」ということに希望を感じるからなんです。ぐるぐる回っているけど、だんだんと上昇していく。「あの時とは違う地点だけど、あの時と同じことがまたあったな」みたいな、そうやって少しずつ積み重なりながら進んでいくイメージが自分の中にあったんですよね。

 「道」だと「行ったら行きっぱなし」という気がするんですけど、水だと水蒸気になって雨になって川になって……というふうに、形を変えながらずっと巡っているわけじゃないですか。それが私にとっては、生きていく道のりの比喩としていいなと思ったんです。

ーー今のお話を聞いて、トム・ハンクス主演の西部劇映画『この茫漠たる荒野で』を思い出しました。作中、カイオワ族の少女が人生を1本の線(line)ではなく、1つの円環(circle)として捉えていたのが印象的で。

TOMOO:おお、そうなんですね。チェックしてみます。そんなわけで私は今、「水」に興味があって。6月28日が誕生日なので「水属性」なんですよ。梅雨時に生まれて、夏とか梅雨とか全然得意じゃないし全然泳げないくせに(笑)、心の動きとか、ついつい水っぽいイメージと紐づけてしまうんですよね。

TOMOO(写真=SEIYA FUJII (W inc.))

※1:https://realsound.jp/2022/03/post-998018_3.html

「オセロ」

■リリース情報
メジャー1stシングル
「オセロ」
2022年8月3日(水)発売
配信はこちら

■関連リンク
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