ポルノグラフィティ、5年ぶりアルバム『暁』で意識した“ファンに向けて届けること” 2人が明かす音楽的挑戦

ポルノグラフィティ『暁』インタビュー

今回の昭仁の曲は、向かうべき方向にフォーカスしたものが多かった

――MVが公開されて話題を呼んでいる「証言」の歌詞はどうでしたか?

ポルノグラフィティ『証言』MUSIC VIDEO

新藤:「証言」は、江口(亮)くんがアレンジしてくれた劇伴のようなストリングスが入っているんですよ。そこに言葉も絶対に合わせないといけなかったので、必然的にミュージカル調な雰囲気にもなったし、“悪魔”という言葉も出てくるし、“愛”は引き裂かれなきゃいけなかった。この曲は作詞をする上で、サウンドやメロディのアプローチに助けてもらったタイプかもしれないです。

――昨年開催された『17thライヴサーキット“続・ポルノグラフィティ”』でいち早く披露されていた「メビウス」も新しいアプローチを感じさせる楽曲ですよね。作曲は昭仁さんによるものです。

岡野:「メビウス」は、大サビ以外はワンループの曲になっています。アルバムに入れることを意識せず、わりと早い段階で作っていた曲なんですけど、自分としては洋楽チックなものをやりたかったんですよ。90年代のUKの楽曲が自分の中には大きなルーツとして染みこんでいるので、この曲ではそれをてらいなく出してみようと。思うがままに書いた感じですね。

新藤:ループものの1つの傾向として、ちょっと淡々としてるイメージがあるでしょ。感情の起伏が少ないというか、ちょっと茫然自失としている感じ。その良さをこの曲には感じたので、そういう歌詞にしましたね。

――同じく前回のツアーで先行披露されていた「ナンバー」もUKっぽい楽曲ですよね。こちらも昭仁さんの作曲ですが。

岡野:うん。これはもうイギリスのバンド、The Verveのイメージです(笑)。それをリファレンスとしてトオミくんに伝えて、上手いこと仕上げてもらった感じです。

新藤:「ナンバー」はもう仮タイトルが「UK」だったから(笑)。何を作りたいのかが明白だったし、だからこそ歌詞もすごく書きやすかった。今回の昭仁の曲たちは、そうやって向かうべき方向にしっかりフォーカスした曲が多かった気がしますね。

――晴一さんは楽曲面で挑戦できたことって何かありましたか?

新藤:The Beatlesのドキュメンタリー(『ザ・ビートルズ:Get Back』)を観ていて、すげぇいいなと思ったんですよ。あんな映像が残ってたんだなっていう感慨もあったし。で、そのままダイニングのイスに座って、「The Beatlesみたいな曲を」と思って作った、ふわふわとメジャーとマイナーが行ったり来たりする曲があって。それはひとつの挑戦でした。

岡野:「You are my Queen」ね。

新藤:あ、そうですそうです。あの曲は歌詞の雰囲気も含めて好きですね。

――また、本作には昭仁さんのボーカリストとしての進化も詰め込まれていますよね。特にファルセット。本作に入っている「ブレス」(2018年7月リリースのシングル曲)でのファルセットと、新曲たちのファルセットでは表情が明らかに違っているなと。

岡野:なるほど。「ブレス」のことはあまり意識してなかったですけど、確かにそういう変化みたいなものは自分でも感じますね。これまでの活動の中で自分のボーカルに対して少しずつ自信を持てるようになってきた反面、ファルセットに関しては「全然まだまだだな」という思いが強かったんです。そこの表現を広げられたらきっと、また今までにはなかった響かせ方ができるんじゃないかなっていう思いがずっとあったんですよね。

――ソロでの活動を経て、そこに自信が持てるようになったと。

岡野:うん。多少、できるようになったという思いはあったし、同時にあえてやってみたっていう感じですかね。「暁」にせよ「ジルダ」にせよ、今までにやってこなかったようなファルセットの使い方を意識的にやってみたんです。それを今後ライブでやっていけば、きっと自分にとっての肉にもなっていくと思ったので。

――9月からは『18th ライヴサーキット“暁”』がスタートしますからね。本作の楽曲たちがどう再現されていくのかに期待が高まります。

岡野:自分たちとしても大きな手ごたえを感じているアルバムになったので、それを提げて廻るツアーが楽しみですね。コロナの状況がどうなるかわからない部分もあるし、内容を定めていく難しさはあるけど、いいツアーにしたいと思っています。

新藤:とにかく元気に廻らなきゃですよね。ライブができることは決して当たり前ではないので、そこへの感謝を1本1本噛みしめながら全国を巡っていこうと思います。

――アルバムの初回生産限定盤には、これまでライブで演奏されたことのない楽曲をスタジオセッションした「STUDIO SESSION~稀・ポルノグラフィティ~」のBlu-ray/DVDも付属されます。かなりおもしろい試みですね。

岡野:スタッフから出たアイデアだったんですけど、調べたらライブでやってない曲が20曲くらいあって。そこから今回は4曲をやってみることにしました。その曲を作った当時の自分の技術不足に気づく部分があって、ライブでやらなかった理由をそこに感じたりしたんですよ。ただ、逆に言ったらその曲にかわいそうな思いをさせてたんだなという思いになったりもして。今の自分たちならではの表現を注ぐことができたと思うので、また新たに生まれ変わった曲として楽しんでもらえるんじゃないかなと思ってますね。

新藤:けっこう昔の曲が多かったので、アレンジはシンプルだなって印象がありました。それをバカテクなサポートメンバーたちと表現していくのはすごく楽しくて刺激的な時間でしたね。なかなか味わい深いものがありましたよ。

――これを機にライブのラインナップに加わっていくといいですよね。

岡野:そうですね。自分たちが未熟だった時代の楽曲たちもちゃんと愛でてくれているファンの方がたくさんいますから。そういった方たちに、ライブでもしっかり届けられたらなと思っています。

■リリース情報
New Album『暁』
2022年8月3日(水)リリース
『暁』特設サイト:https://sp.pornograffitti.jp/akatsuki/
https://pornograffitti.lnk.to/20220803_Album
『暁』配信URL
https://pornograffitti.lnk.to/AKATSUKI_Dg

<収録楽曲>
1.暁
2.カメレオン・レンズ
3.テーマソング
4.悪霊少女
5.Zombies are standing out
6.ナンバー
7.バトロワ・ゲームズ
8.メビウス
9.You are my Queen
10.フラワー
11.ブレス
12.クラウド
13.ジルダ
14.証言
15.VS

初回生産限定盤A(CD+BD) SECL-2773~2774:¥5,500(税込)
初回生産限定盤B(CD+DVD) SECL-2775~2776:¥5,000(税込)
通常盤SECL-2777:¥3,300(税込)

◎映像特典 ※初回盤A・B共通
●STUDIO SESSION〜稀・ポルノグラフィティ〜
これまでライヴで演奏したことがない楽曲から、厳選した数曲をスタジオセッションして収録
「Stand for one’s wish」「むかいあわせ」「オニオンスープ」「サマーページ」
●Video Clips(「ブレス」「Zombies are standing out」「フラワー」「テーマソング」)

■ツアー情報
『18thライヴサーキット‟暁”』
2022年9月22日(木)よこすか芸術劇場/神奈川 17:30/18:30
2022年9月27日(火)高崎芸術劇場/群馬 17:30/18:30
2022年10月1日(土)和歌山県民文化会館/和歌山 16:30/17:30
2022年10月3日(月)富士市文化会館ロゼシアター大ホール/静岡 17:30/18:30
2022年10月10日(月・祝)フェニックス・プラザ/福井 16:30/17:30
2022年10月17日(月)オリックス劇場/大阪 17:30/18:30
2022年10月18日(火)オリックス劇場/大阪 17:30/18:30
2022年10月23日(日)広島文化学園HBGホール/広島 16:30/17:30
2022年10月25日(火)松山市民会館/愛媛 17:30/18:30
2022年10月28日(金)iichikoグランシアタ/大分 17:30/18:30
2022年11月4日(金)新潟県民会館/新潟 17:30/18:30
2022年11月7日(月)ロームシアター京都/京都 17:30/18:30
2022年11月9日(水)神戸国際会館こくさいホール/兵庫 17:30/18:30
2022年11月16日(水)函館市民会館大ホール/北海道 17:30/18:30
2022年11月18日(金)札幌文化芸術劇場hitaru/北海道 17:30/18:30
2022年11月22日(火)倉敷市民会館/岡山 17:30/18:30
2022年11月24日(木)三重県総合文化センター/三重 17:30/18:30
2022年11月28日(月)熊本城ホールメインホール/熊本 17:30/18:30
2022年11月30日(水)福岡サンパレスホテル&ホール/福岡 17:30/18:30
2022年12月5日(月)名古屋国際会議場センチュリーホール/愛知 17:30/18:30
2022年12月6日(火)名古屋国際会議場センチュリーホール/愛知 17:30/18:30
2022年12月9日(金)高知県立県民文化ホール/高知 17:30/18:30
2022年12月16日(金)森のホール21(松戸)/千葉 17:30/18:30
2022年12月19日(月)仙台サンプラザホール/宮城 17:30/18:30
2022年12月21日(水)會津風雅堂/福島 17:30/18:30
2022年12月26日(月)TOKYO DOME CITY HALL/東京 17:30/18:30
2022年12月27日(火)TOKYO DOME CITY HALL/東京 17:30/18:30
2023年1月23日(月)日本武道館/東京 17:30/18:30
2023年1月24日(火)日本武道館/東京 17:30/18:30

▼チケット代
全席指定9,900円(税込)
※お一人様1公演につき4枚まで/4歳未満入場不可・4歳以上要チケット
※電子チケットでの販売・お受け取りとなります。
※各公演問い合わせ先、一般発売日等詳細は『暁』特設サイトにてご確認ください。

■Visual Album‟暁”
《公開日時》 
2022年8月6日(土)19:30 開演
2022年8月7日(日)17:00 開演

《会場》 
全国各地の映画館
・映画館はこちら>> https://liveviewing.jp/pg-akatsuki/
※開場時間は映画館によって異なります。
※大阪府では条例により、16歳未満の方は終映時間が19:00を過ぎる上映には、保護者同伴でないとご入場いただけません。なお、8月7日の上映回に関しましては19:00より前の終了を予定しています。
《チケット》 
love up! チケット先行[先着順]
2022年7月30日(土)18:00 ~ 7月31日(日)23:59 
一般発売[先着順]
2022年8月2日(火)18:00 ~ 8月5日(金)12:00
《料金》 
早割 FC先行:2,000円(税込/全席指定)
通常 一般発売/劇場販売:2,500円(税込/全席指定)
※3歳以上有料/3歳未満で座席が必要な場合は有料となります。
Visual Album‟暁”LIVE VIEWING情報サイト: https://liveviewing.jp/pg-akatsuki/
主催:アミューズ / 配給:ライブ・ビューイング・ジャパン

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