ポルノグラフィティ 岡野昭仁、新旧名曲に新たな解釈で挑んだ『DISPATCHERS』第2弾 数々の音楽との出会いの架け橋に

ポルノ岡野昭仁、新旧名曲に新解釈で挑む

 岡野昭仁(ポルノグラフィティ)が7月25日、自身のソロ楽曲や名曲のカヴァーを披露する配信ライヴを開催した。

 これは、岡野のソロプロジェクト「歌を抱えて、歩いていく」の一環として、前回4月の配信ライヴ『DISPATCHERS』に引き続き開催されたもの。前回は日本の音楽シーンを彩ってきた名曲たちを、まるで時代を行き交うようにカヴァーする姿が大きな話題となった。今回もまた、新旧の名曲に新たな解釈で挑むチャレンジングなライヴが繰り広げられた。

 開演時間になるとアコースティックギターを抱えた岡野の姿が映し出される。1曲目に披露したのはポルノグラフィティの「ギフト」。自身が作曲した13年前の楽曲を、原曲にはないテンポチェンジやブレイクを交えながら歌うと、「『DISPATCHERS』、始まりましたー!」と、挨拶しつつ、この日のライヴ開演直前に東京オリンピック柔道女子52kg級で金メダルを獲得した阿部詩選手への労いの言葉も飛び出る。続けて披露したのはこちらもポルノグラフィティの楽曲「リンク」。原曲はギターリフとストリングスが印象的なロックチューンだが、今回はアコースティックギターと歌唱により無骨なパフォーマンスでリスナーを魅了した。

 「リンク」の歌唱が終わると背後の幕が開き、燦然と光るステージが現れる。ここまで岡野ひとりによる弾き語りスタイルで進んできたライヴだったが、ここからはサポートミュージシャンと共に楽曲を披露。前回から引き続きサポートを務めるギターのtasuku、そしてキーボーディストの渡辺シュンスケの3人で演奏したのはあいみょん「マリーゴールド」。原曲とは違う譜割りも飛び出す岡野ならではの楽曲のアプローチも交えながら、爽やかで夏らしい風を音楽で吹かせる。そしてMr.Children「HANABI」では打ち込みのビートによるリズムパターンで原曲にはない新しい解釈を吹き込みながら、国民的バンドへの敬意を表してみせた。

 視聴しているファンによるチャットにも触れつつ、続いて披露したのは今なおロングヒットを記録中のAwesome City Club「勿忘」。tasukuによるアレンジは原曲以上に80’sシティポップの感覚に誘う。男女ツインボーカルであるAwesome City Clubの楽曲をひとりで歌うことは並大抵のことではないが、岡野の持つボーカル力が存分に発揮されたファルセットで歌い切ってみせた。

 チャットで寄せられる視聴者からのメッセージに触れながら、ライヴの裏で開催されている東京オリンピック、柔道の阿部一二三選手のメダル獲得のニュースについて言及しつつも、混沌とした現代社会に想いを馳せる岡野。そんなMCから披露したのはSUPER BEAVERの「人として」。人の在り方を突き刺すようにリスナーに問うロックアンセムを、岡野らしい力強い歌声で響かせる。

 ここまであいみょんやAwesome City Club、SUPER BEAVERと、彼にとって下の世代となるミュージシャンの楽曲をカバーしてきた岡野。ここからは同世代のミュージシャン達の楽曲を、と語り披露したのはくるりの「JUBILEE」。そしてSUPER BUTTER DOGの「サヨナラCOLOR」。共にキーボードを基調としたバラード調のサウンドメイクで見る者、聴く者を釘付けにしてみせる。同世代のミュージシャンたちと切磋琢磨する喜びを噛み締めるような岡野の微笑みも印象深い。

 当時その登場に衝撃を覚えたと岡野が語ったUAの「情熱」では、ローファイで気だるげな妖艶さがジリジリと表出する。そして「今で例えるとあいみょん・米津玄師・King Gnu 井口(理)のコラボレーションだ」と熱弁したMCと共に披露したのは松任谷由実・小田和正・財津和夫によるコラボユニットから生まれた楽曲「今だから」。80年代らしいゴージャスで艶麗なサウンドが、岡野の手によって2021年のどこか鬱屈とした世界に眩しく響く。



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