『ハガレン』『ヒロアカ』『東京喰種』……アニメとともに高い海外人気を得た主題歌・テーマソングを振り返る
2002年の放送開始以降、2期、そして現在に至るまで続編が制作されている『NARUTO-ナルト-』もこれまでに様々な主題歌を生み出してきた。その中でも最大のヒット曲と言えばFLOWの「GO!!!」が挙げられるだろう。国内でもアニソンの金字塔として今なお愛され続けている「GO!!!」は、海外のアニメファンからの人気もとても高い。「GO!!!」以外にも様々なアニメ主題歌を担当してきたFLOWは『Anime-Shibari』というタイトルで中南米ツアーも敢行。セットリストはそのタイトルの通り、全曲アニメ楽曲のみというツアーとなっている。FLOWの楽曲のアニメカルチャーとの深い親和性、そしてFLOW自身のアニメカルチャーに対するリスペクトが、海外のアニメファンを熱狂させる理由なのではないだろうか。
ライトノベルを原作とするアニメ『ソードアート・オンライン(SAO)』。その主題歌といえばLiSAの名前が真っ先に浮かぶ。今でこそアニメ『鬼滅の刃』の主題歌を担当した印象が強いLiSAだが、『鬼滅』以前はLiSAと言えば『SAO』だった。特に『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の主題歌となった「Catch the Moment」はリリース当初より、台湾・シンガポールのiTunes J-POPカテゴリで第1位、香港・タイのiTunes J-POPカテゴリで第2位にランクイン。『劇場版 ソードアート・オンライン』も当時全世界1400館で公開されており、楽曲がアニメーションと共にファンに愛された好例と言えるだろう。
原作漫画の作者である冨樫義博がTwitterアカウントを開設し、執筆中の原稿を公開していることでも話題の『HUNTER×HUNTER』。アニメは2期に渡り放送され、劇場版も2作制作された。2011年に制作された2作目のエンディングテーマに抜擢されたのはFear, and Loathing in Las Vegasの「Just Awake」。この楽曲は海外限定盤が制作され、アメリカのロック系Webショップにてトップセラーとなったことでも話題となった。ダンスチューンとハードコアを巧みに組み合わせた彼らの音像が海外の『HUNTER×HUNTER』ファンを唸らせたのだろう。同曲は今年2月にメディアミックス作品『BanG Dream!』から誕生した5人組バンド・RAISE A SUILENがカバー。アプリゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」にも実装され、国内外で話題となった。10年以上前の楽曲でありながら、今もなお様々な形で国境を越え続けているアニソンの一つだ。
テクノロジーの進化によって音楽はより手軽に、かつどこでも楽しめるようになった。それは海外の音楽ファンがより簡単に日本の音楽を楽しめるようになったということでもある。これまで日本の音楽シーンはドメスティックな傾向が強く国内消費が先行してきたが、海外市場に向けて展開しやすい環境が生まれつつある。アフターコロナを見据えると海外市場も視野に入れた活動を展開するミュージシャンも増えることだろう。なによりもいち音楽ファンとしては、海外の音楽ファンに日本のサウンドが受け入れられることがシンプルに嬉しい。日本のカルチャーにとって欠かせないアニメーションとポップス。これからも互いに作用し合い、国境を越えて愛され続ける存在になるだろう。
※参照:https://myanimelist.net/topanime.php?type=bypopularity