キャリアアーティストから新人まで続々参入 “TikTok型ブランディング”に必要なことは?

TikTok型ブランディングに必要なこと

 TikTok公式アカウント開設ラッシュが続く、この夏の音楽業界。直近では、関ジャニ∞が、新曲「喝采」リリースタイミングで公式アカウントを開設し、自身の運用するアプリとも連携、立体的なキャンペーンを展開した。また、BUMP OF CHICKENも全楽曲を解禁した上で、自身の公式アカウントを開設、2月に行われた幕張メッセでのライブ映像をいち早く投稿するなど、楽曲プロモーションを展開するうえで、避けては通れないメディアとしてTikTokが定着したことを象徴する事例が続いている。

@kanjanieight_infinity_r #関ジャニTikTokはじめました。#関ジャニ ∞の曲で沢山遊んでください。本日発売の新曲 #喝采 で #拍手喝采チャレンジ も ♬ 無責任ヒーロー -Re:8EST edition- - 関ジャニ∞

@boc_official_ BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe 02/10-11 #BUMPOFCHICKEN #SilverJubilee ♬ オリジナル楽曲 - BUMP OF CHICKEN

 TikTok発のヒットはその楽曲がユーザーによって拡散されていく。キャリアアーティスト達は発表する楽曲を通じて公式アカウントで拡散モデルを示していくというのが、ひとつの形である。

 そこで気をつけないといけないのが、ユーザーとの距離感である。公式アカウントでの一方通行的な情報発信だと拡散は生まれにくい。どうユーザーを巻き込むか、アーティスト自らがお手本になって、あるいはコンテンツの近しさ、親しみやすさで、拡散意欲を高めていく必要がある。

 そんな中、TikTokでのヒット「なんでもないよ、」が記憶に新しいマカロニえんぴつは、まさに心得たTikTok活用法を実践してみせる。最新曲「たましいの居場所」のプロモーションとして、TikTok企画と自身初となるTikTokライブ配信を連動させたキャンペーンを展開。「#マカロック賞」TikTokチャレンジでは、自身のカバー動画を募り、最優秀者はそのTikTokライブでのパフォーマンス権をもらえるというユーザーの意欲を高める特典付きだ。もちろん本人によるお手本動画は公式アカウントで配信されている。

@macaroniempitsu #マカロニえんぴつ #たましいの居場所 #マカロック賞 ♬ オリジナル楽曲 - マカロニえんぴつ

@nozawadesu これ本番の時のやつです。#マカロック賞#たましいの居場所 #マカロニえんぴつ ♬ オリジナル楽曲 - 野澤です。👓

 上記のような、ブレイクしたアーティストやキャリアアーティストの場合はすでにファンがついているので潜在的拡散ユーザーが計算できるが、新人やブレイク前アーティストともなると話が違ってくる。拡散しやすい楽曲は8秒勝負ともいわれている。その短い時間でTikTok上でどれだけインパクトを残せるかが重要で、ダンスや振付をつけやすいリズムとテンポ、キャッチーな歌詞が求められる。まずはその条件をクリアした上で、さらなるプラスアルファが必要となる。築き上げてきたブランディングがない分、より自由な発想で“ワンチャン”を狙いにいくのだ。

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