竹内アンナ、明るく活発なステージが生む会場の一体感 『TICKETS』ツアーファイナルレポ
7月2日、恵比寿LIQUIDROOMにて『竹内アンナ TOUR 2022 -TICKETS-』のファイナル公演が開催された。
3月にアルバム『TICKETS』をリリースしたことに伴って行われた、4カ月に渡るツアーの最終日となったこの日。バンドメンバーとともに登場した竹内は、ステージ上に置かれていたアコースティックギターを背負い、「Love Your Love」からライブをスタートさせた。〈信じた「好き」はちゃんと本物だから 大丈夫〉〈この歌に出会ってくれて ありがとう〉と高らかに笑顔で歌うと、柔らかい表情で演奏する彼女につられるようにオーディエンスは自由に身体を動かし、クラップも自然に湧き上がる。間髪入れずに「SUNKISSed GIRL」に突入すると遊び心のあるリズムで躍る心を表し、動きの多いベースラインや手数の多いドラムが楽しげな「GOOD FOR ME」へ。「ICE CREAM.」では、英詞を混ぜたなめらかで聴き心地のいい歌声や穏やかでありながらパワフルな息の合ったキメなど、バンドと一体となって心地いい空間を作り出す。〈何気ない風景も So special〉という歌詞通り、何気ない風景も特別に変えるような、ポジティブな歌詞や心躍るサウンドを次々と響かせて会場を明るく仕立てた。
一方で、明るく前向きな楽曲以外の引き出しが多いのも彼女の魅力のひとつだ。「TOKYO NITE」では装飾のようなきらびやかなキーボード、落ち着いた響きのギターが都会的な景色を見せ、怒りを描いたという「我愛me」ではそれまでにない力強い歌声やギターの鋭いストロークが新鮮。怒りを勢いに変えた爽快さすら感じるまっすぐな歌声、どこかポジティブさを感じる颯爽とした歌詞が、新たなライブチューンとして大いに会場を盛り上げた。「一世一遇Feeling」ではサビ前に音数がシンプルになり、うねるベースをメインとした強靭なサウンドにボーカルが絡みつく濃密な展開が大きなインパクトをもたらす。様々なサウンドが交錯した聴きごたえのある展開でオーディエンスを楽しませた。
「めっちゃ暑くない?」と話し出した竹内は、この夏やりたいことについてバンドメンバーと談笑したのち、「夏の夜は何もないことも特別に変えてくれる。そんな夏の夜を込めた新曲がリリースされました!」とこの日に配信されたばかりの新曲「泡沫SUMMER」を披露。爽やかな曲調と弾けるようなフィルをはじめとする疾走感のあるドラム、ポップでドリーミーな歌声が涼しい風を吹かせた。
ハンドマイクで歌った「Now For Ever (with AFRO PARKER)」では、サビのキャッチーなメロディを歌うはつらつとした歌声と、ヴァースのリラックスした歌声を交互に聴かせていく。「RIDE ON WEEKEND」に続いて、竹内による弾き語りが導入となって「いいよ。」に続くと、〈頑張らなくたって いいよ〉と穏やかに肯定する歌詞とアコースティックギターの音色が会場を温かく染めた。