竹内アンナ、初の弾き語りツアーで体感した“日常に触れるという非日常” 名古屋公演をレポート

竹内アンナ、弾き語りツアー名古屋公演レポ

 竹内アンナ、初の弾き語りでのツアーとなる『TOUR 2021 atELIER -アトリエ-』が東名阪3会場にて行われた。まるで宮殿の大広間のような大阪市中央公会堂 中集会室での大阪公演、大正時代に開校した国の重要文化財である自由学園明日館での東京公演を経ての開催となった名古屋公演。会場は壁面緑化と360度取り囲む円形舞台が特徴的なちくさ座こと千種文化小劇場だ。今回のツアーは演奏スタイルも会場も含め、普段のライブとは異なったシチュエーションでの非日常的なライブが魅力でもあるが、ちくさ座でのライブはまるで竹内のプライベート空間を訪れたような、「竹内アンナの日常に触れるという非日常」を体感出来るライブとなった。会場の中央に位置したステージには絨毯、観葉植物、間接照明、小さなテーブル、マグカップ、そして3本のアコースティックギターが設置されており、自分の部屋にゲストを招くような表情で竹内が登場するとちくさ座には静かな緊張と共にオーディエンスの拍手が響き渡る。この後、ライブが進む中で気付いたことだが、この静けさや拍手の音も演奏のひとつとして今回のライブを演出しているのが何とも素晴らしい。たったひとりで歌っているけれど決してひとりではないライブに心が温かくなった。

 この日の名古屋は太陽が味方したかのような快晴。そんな穏やかな日を象徴するような「Sunny day」からスタート。ちくさ座のステージを照らす光がまるで陽だまりのようだ。力強いファンクナンバー「ALRIGHT」、ネイティブな英語がマッチする「Ordinary days」と活動初期に竹内アンナというアーティストのアイデンティティを確立した楽曲を立て続けに披露。「20-TWENTY-」では彼女を形成する様々な音楽要素をハイブリッドしたかのようなアレンジに驚く。シンガーソングライターという概念があるとして、竹内アンナはその概念とは全く別次元で音楽を鳴らしている気がする。例えばTLCのカバー「No Scrubs」だってアレンジはもちろんその選曲にも大きな拍手をしたい。「No Scrubs」のイントロのギターが鳴った瞬間に立った鳥肌は「SUNKISSed GIRL」「Midnight Step」と立ちっぱなし。竹内アンナ流R&Bラップを堪能出来る「TOKYO NITE」ではギターのコードチェンジのフレットの音や絨毯を踏む足の音も演奏を助長。ジャジーな「If you and I were,」で魅せる表情にも心を奪われる。キラキラが降り注ぐようなバンドサウンドが印象的だった「Love Your Love」のアコースティックアレンジも秀逸だった。同じ曲でも角度の違いでこんなにも新しい表情になるのだと音楽の面白さ、竹内のアレンジ力を再確認する。



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