nobodyknows+、“兼業スタイル”で鳴らし続けてきた音楽 「THE FIRST TAKE」での「ココロオドル」舞台裏を振り返る

nobodyknows+「THE FIRST TAKE」出演語る

 名古屋を拠点に2000年代初頭から活動を続けるnobodyknows+の人気が再燃している。人気YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で6月10日に公開された彼らの代表曲「ココロオドル」の映像は、公開から1週間で再生回数が570万回を突破。メンバーが歌詞を間違えても笑いに変えたことで「楽しそう」「ほっこりする」といった声を集めた一方、オリジナルメンバー6人によるパフォーマンスに「当時の思い出が甦る」「泣けた」という声も寄せられており、本記事執筆時の7月2日時点では再生数が1200万回を超えるほど、大きな反響を呼んでいる。今回はそんなnobodyknows+に、「ココロオドル」に続けて公開された「Hero’s Come Back!!」も含めた「THE FIRST TAKE」収録時のエピソードや、リリース当時の思い出、現在の活動状況や今後に向けた話まで、さまざまなトピックで話してもらった(猪又孝)。

最初は「THE FIRST TAKE」出演を断っていた?

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ーーまずはグループの近況から教えてください。

DJ MITSU:この2〜3年はコロナ禍で、なかなかライブもできなかったんで、何もしていなかったっていうのが正直なところです。

ーー今、活動の中心はライブですか?

DJ MITSU:そうですね。

ーー楽曲制作の方は?

DJ MITSU:制作もコロナ禍だからできないじゃないですか。だって、会っちゃダメでしょ(笑)?

ーーみなさん、リモートで作ってますけど(笑)?

DJ MITSU:僕らはそんな絆じゃないんで(笑)。まず会って握手して、「最近どう?」って話してから作るタイプなんで。ようやく、そろそろ作らなきゃなっていう感じになってきました。

ーー個々の最近の活動もおさらいしておきたいんですが、MITSUさんはSigma Sounds Studioの運営ですか?

DJ MITSU:そうです。僕はスタジオ運営と、あとは宅建の資格を持っているので、不動産もやってます。

ーーCrystal Boyさんは、Instagramのプロフィール欄に「RAP、HIPHOPの歴史の講師」とあります。

Crystal Boy:専門学校で週に1回ラップを教えてるんです。半分がラップの歴史、半分がラップの技法。最終的に実技で1曲作れるようになるまで教えるっていう。

ーーラップの歴史というのは、70年代にブロンクスで産声を上げて……みたいな。

Crystal Boy:そうです。いろんな本を読んで、『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』がいちばんわかりやすいと思ったので、参考に使わせてもらっています。

ーーヤス一番?さんは、居酒屋の店主ですよね。

ヤス一番?:「わかば屋」やってます。もう13年になりますね。コロナ禍の波もギリギリ乗り越えました。

ーーホクロマン半ライス!!!さんは、餃子居酒屋「ちゃおまる」の店長。

ホクロマン半ライス!!!:「ちゃおまる」知ってるんですね、びっくりしました(笑)。あとは卓球のTリーグに、「トップおとめピンポンズ名古屋」というチームがあるんです。そのチームの試合のMCとか応援団長をやってます。

ーーノリ・ダ・ファンキーシビレサスさんは今でも農業を?

ノリ・ダ・ファンキーシビレサス:そうです。今は名古屋からちょっと離れた、岐阜県可児市に土地を借りてやっています。小さい土地ですけど、最近、可児市のふるさと納税のお礼対象品に認定してもらいました。

ーー何を作付けしているんですか?

ノリ・ダ・ファンキーシビレサス:僕はハーブ類を作っていて。今はハーブがいろいろ採れますね。ハーブが半分、残り半分はさつまいもです。

ーー今、g-tonさんは何をやっているんでしょうか。

DJ MITSU:g-tonはニューヨークのブルックリンにずっといます。もう10年以上になりますね。自宅をAirbnbで貸したり、色々楽しんでいるようです。

nobodyknows+ - ココロオドル / THE FIRST TAKE

ーー6月10日に「THE FIRST TAKE」で公開された「ココロオドル」が大きな反響を呼んでいます。出演をオファーされたときは率直にどう思いましたか?

DJ MITSU:オファーをいただいたときは、「THE FIRST TAKE」が何かを知らなくて(笑)。メジャーレーベルにいたときのディレクターさんから連絡が来て「MITSUくん、『THE FIRST TAKE』に出てほしいんだけど?」って言われたんですけど、「ちょっとわかんないんで結構です」って言ってたんです。

ーーこの大人気コンテンツをぞんざいにした(笑)。

DJ MITSU:そしたら「いやいや、ちょっと考え直してほしい」と言われて。「まあ、一応、メンバーに聞いてみますけど、無理だと思いますよ」みたいな感じでメンバーに相談したらメンバーの誰も知らなくて。

ーーえっ(笑)!?

DJ MITSU:そしたら周りの若い子とか友達の娘さんとかが「それは絶対出た方がいい」って言い始めて、なんかマズイ空気になってきて。「そこまでいうなら出てもいいですよ……」ということになったんです。

ーー今回、2007年に脱退したg-tonさんが参加していたことにまずびっくりしました。

DJ MITSU:それは本当にたまたまだったんです。収録の4、5日前に連絡が来て。「日本での隔離期間が終わったので飲みましょう」と誘われて飲みに行ったんです。ただ、呼ぶとややこしいじゃないですか。その時点で5人で出ることは決まってるし、それで段取りもしているし。だから、どうしようかな? と思ったんですけど、g-tonのテンションもいい感じだったんで、「出る?」って聞いたら「出ます!」って。それで、すぐにスタッフに伝えて、6人で出ることになったんです。

ーー偶然が起こした奇跡だったんですね。だって、彼は収録日も知らないわけだし。

DJ MITSU:そうなんです。僕もg-tonが帰国すると聞いていただけだったんで。いつも日本に来るときは2週間くらい滞在するから、g-tonはいろいろ予定を入れるんですよ。地方の温泉に行くとか。

ヤス一番?:京都に遊びに行くとか。

DJ MITSU:そう。だけど、たまたま、その日、g-tonは名古屋にいたんです。そしたら「この日からこの日は予定ないんで、MITSUさん、どっか行きましょうよ」とか話し始めたから、「その日は『THE FIRST TAKE』なんだよなぁ」とか思いながら飲んでて(笑)。

ヤス一番?:でも良かったですよ、来てもらえて。

ーーもともと5MCでリリースしている曲ですからね。

DJ MITSU:そうなんです。誘って良かったです。

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