DA PUMP、25年間の集大成的エンターテインメント 祝祭感に溢れた最新アリーナツアー最終公演レポ

DA PUMP、25年間の集大成的エンターテインメント

 2022年6月11日、デビュー25周年を迎えたDA PUMPの『LIVE DA PUMP 2022 ARENA TOUR DA POP COLORS』ファイナル公演が幕張メッセ国際展示場7・8ホールで行われた。会場内にはメンバーへのメッセージが書き込める横断幕や記念撮影ブースが設置され、写真展やレギュラー番組『OH!舞 DA PUMP!! エボリューション』(ひかりTV)のセット展示、キッチンカーの出店もあり、フェスさながらの賑わいを見せていた。グループにとって記念すべきライブにファン感謝祭的な意味合いを持たせたのは、ファン思いの彼ららしいと感じた。

DA PUMP
DA PUMP

 ライブは最新アルバム『DA POP COLORS』収録の「DA FUNK」で幕を開けた。やや緊張感を漂わせた表情で登場した6人も、このツアーから解禁されたペンライトを掲げるDPC(ファン)を見たからか、1曲目からはじけるような笑顔を見せていた。そしてアリーナツアーの前に行われたホールツアーを1人でサポートしてきたGakushi(Key)が率いるスペシャルバンドが、タイトな演奏でメンバーをバックアップしていく。KIMIが「行くぞ、幕張ーーー!」と叫び、賑やかな「P.A.R.T.Y. ~ユニバース・フェスティバル~」へと突入。

 MCではISSAが「”25周年皆様のおかげですライブ”へようこそ! 今日はみなさん一人ひとりの心にしっかり残るような最高のパフォーマンスを、感謝の気持ちを込めて届けたいと思います」と挨拶。続く「Love Is The Final Liberty」では、〈DO I DO!〉を連呼する冒頭から会場の温度がぐっと上がっていくのを感じた。振りは初期DA PUMPらしいロックをメインにしたものだが、間奏部分ではステージを広く使って各メンバーが得意ジャンルのダンスを披露したりと、”ジャンルの玉手箱”的演出が楽しい。「U.S.A.」以降の彼らを描いたような「C'mon & Knock Me Down」では、〈逆境は避けて通れない でもそれはチャンス〉と観客をも鼓舞するようにパフォーマンス。「Coffee Scotch Mermaid~Bang!Bang!Boom!~」では、〈微笑みのシャワー浴びて〉の部分でYORIとTOMOがシャワーシーン風の小芝居(?)を繰り広げるなど、DA PUMPらしい遊び心を散りばめていた。

 ここからステージの照明が暗めに変わり、「Fantasista~ファンタジスタ~」「CORAZON」とセクシーなラテン系楽曲を連投。ステップを多用する楽曲でのU-YEAHのしなやかな動きにはハッとさせられる。そして「CORAZON」ではISSAのマカコ(片手をつくバク転)など、全員がアクロバットを交えたダンスを披露。ホールツアーを含めメインボーカルであるISSAのダンスパートの比重の大きさを感じつつ、ブレない歌声に改めて驚かされた。続く「Soldiers ~慈しむ者たち~」では炎の特効が炸裂し、彼らの楽曲ではやや珍しいロック系サウンドと重厚さを感じさせるダンスを組み合わせたパフォーマンスが展開されていく。

 MCではISSAが「今日こうして“ありがとうの完成形”が披露できて嬉しく思います」とコメント。ここで『DA POP COLORS』からISSAプロデュース曲「Our Milestone」、KIMIプロデュース曲「with Pride」を続けて披露したが、「Our Milestone」で〈オレらは1チーム どんな逆風(かぜ)にだって立つ〉、「with Pride」で〈あぁ 世間は決して優しくなくて やがて向かい風になりゃ 受けて立てばいい問題〉と、グループの波乱万丈な歩みを笑顔で振り返るような視点が印象的だった。こういった穏やかな楽曲でISSAが放つミドルボイスも非常に魅力的だ。またISSA以外のメンバーも加入からすでに10年以上経過しているが、ラッパーとしてのKIMIの存在感もグループに欠かせないものとなり、「with Pride」ではISSAとの掛け合いを楽しむように笑顔を振りまいていた。願いを込めるようなエモーショナルなダンスが特徴的な「紡-TSUMUGI-」ではU-YEAHとYORIもマイクを持ち、コーラスを重ねていく。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる