あんさんぶるスターズ!、初音ミク、ウマ娘……バーチャルと現実を繋ぐライブコンテンツに見られる様々な工夫
バーチャル世界と現実を繋ぐライブコンテンツと聞いて、どんなものを想像するだろうか。特に『あんさんぶるスターズ!』シリーズなど、アイドル的要素を持つコンテンツのライブを観に行って、「実際にキャラクターがそこにいる」と感じたり、『ウマ娘 プリティーダービー』などゲームアプリ上でのライブを通じて、キャラクターをリアルに感じた経験がある人もいるかもしれない。私たちはどんなときにバーチャルの世界を身近に感じるのか。ライブに施された工夫の観点から考察していく。
あんさんぶるスターズ!
『あんスタ』の通称で親しまれている本コンテンツは、アイドル育成ゲームとして2015年にサービスを開始。以来、アニメや舞台など多角的なメディアミックス展開を行っている。現在もツアー『あんさんぶるスターズ!!DREAM LIVE -6th Tour “Synchronic Spheres”-』を開催中だ。
あんさんぶるスターズ!!DREAM LIVE
通称『スタライ』。本ライブは3Dモデルを使用したバーチャルライブで、ステージの上には普段ゲームの世界に生きるアイドルたちの姿が投影される。筆者も過去に足を運んだことがあるが、初めて見たときは思わず「生きてる!」と言いたくなるほどだった。バーチャル世界の技術によって2次元と3次元の境界が良い意味で曖昧になる、そんなライブだ。
あんさんぶるスターズ!!Starry Stage
キャラクターの声を担当する声優がアイドルたちの楽曲を披露するライブ、通称『スタステ』。キャラクターを連想させる衣装をまとった彼らが、キャラクターになりきって歌いあげる。ユニット曲はもちろん、昨年8月の4th公演ではALKALOIDとValkyrieによるフュージョン曲「Artistic Partisan」もサプライズ披露された。『スタライ』がバーチャル世界の色を楽しむライブなのだとしたら、こちらは生身の人間を通してキャラクターを観るライブ、と言える。
初音ミク
「バーチャル」と聞いて彼女の名前を連想する人も多いのではないだろうか。2007年に「VOCALOID2 初音ミク」が発売されて以来、その活躍は音楽ジャンルの垣根を越えて広がり続けている。
マジカルミライ
2013年に初開催された同イベント。音楽を楽しむ3DCGライブのほか、企画展示エリアも設置されており、まさに“総合エンタメ空間”と呼ぶにふさわしいイベントだ。昨年開催の同イベントでは、企画展にオンライン参加型企画を取り入れるなど、時代に合わせた内容も見られた。10年目を迎える今年は大阪・東京・札幌の3会場で開催予定だ。
プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク
2020年リリースの音楽リズムゲーム。初音ミクらバーチャルシンガーは、「セカイ」と呼ばれる場所で登場キャラクターたちが本当の心を見つけていくサポートをするというポジション。ミクたちはそれぞれの「セカイ」に合った姿に変えて登場する。また“バーチャルライブ”機能で、全国のユーザーと同時にアプリ内で開催されるライブを楽しむことができるのが最大の特徴。もちろん、通常ライブ機能で楽曲MVを楽しみながらプレイすることも可能だ。「ボカロ×アイドル」「ボカロ×バンド」という、ありそうでなかった部分を切り開いたコンテンツと言える。