日向坂46 小坂菜緒、復帰後に改めて感じるセンターとしての魅力 自身も輝きながら周囲の魅力を引き立てる存在感

 小坂は3月30~31日の2日間にわたり東京・東京ドームで開催されたデビュー3周年記念ライブ『3周年記念 MEMORIAL LIVE~3回目のひな誕祭~』で、ステージ復帰を果たした。その2日目に「僕なんか」が初披露され、ドームは大きなどよめきに包まれたが、一方で「センター小坂菜緒」の復帰を歓迎しているような空気感もあった。

日向坂46『僕なんか』

 同曲は、儚い恋愛ソングとしても捉えられるが、自己肯定力の低い己との向き合い方が歌われていると解釈することもできる。これまで、小坂は世間の評価とはまったく別に、“私なんか”とネガティブな発言をメディアの前でたびたび残してきた。だからこそ、このネガティブな曲が、〈僕なんか/僕なんか/もう二度と言いたくない〉と締め括られているのは、自身も歌っていて、力が湧いてくるのではないだろうか。

 とはいえ、5月27日に更新された「無色透明」と題したブログ(※1)では、今作センターに立つことへの複雑な思いも吐露している。久しぶりの復帰で戸惑うことも多かったことは、想像に難くない。しかし、そもそも小坂がセンターに立つとき“私がこのグループを引っ張る”という意識よりも、自然と作品や一緒にパフォーマンスする仲間が輝くような“引き立てる役割”を担っているように感じる。MVでは、2番のサビで小坂がメンバーと合流し、パフォーマンスを始めるシーンがあるが、そこはまさにグループ全体が強く、魅力度が上がる象徴的な場面といえるのではないだろうか。

 もちろんそれは日向坂46というあたたかなグループがあるからこそ実現できたシーンだろう。今作の振り付けではメンバーとところどころで接触しながら、気持ちを確かめ合うように、世界観を構築していっている。前段では「徐々に活動を本格化させている印象」と書いたが、どうかマイペースに、これからも日向坂46の小坂菜緒として、輝く姿を見せて欲しい。

※1 https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/44069

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