BTS RM、グループの頭脳で楽曲の要としての役割 ソロ曲やミックステープで伝えてきた心の内

 そんな彼の心のうちは、多くの楽曲にのせて私たちファンの元に伝えられてきた。『MAP OF THE SOUL: PERSONA』のRMのソロ曲「Intro: Persona」では、外の世界に見せている顔である“ペルソナ”と本当の自分自身との間にある葛藤を語っている。BTSのドキュメンタリーでも時々言及される「BTSのRM」と「キム・ナムジュン」の間で揺れ動く彼の心がよく表れていた。世界で活躍するグループのリーダーといえど、まだ20代半ばのひとりの人間。彼のソロ曲やミックステープを聴くと、そんなことを感じる。

BTS (방탄소년단) MAP OF THE SOUL : PERSONA 'Persona' Comeback Trailer

 2018年にリリースした、自身2作目となるミックステープ『mono. 』では、BTSのRMとしてではなく1人のアーティスト“RM”としての思いを吐露していたように思う。彼自身もリリース後のV LIVEでこのミックステープについて「2016年から2018年のRMを整理したようなもの」と述べており、その間の彼の内面の変化やファッションの変化など全てを内包していた。

 『mono. 』に含まれていた7曲を作ることは、彼のためでもあったのかもしれない。故郷への想いや、世界中に多くのファンを持ちながらも感じてしまう孤独。自分は一体誰なのか。私たちもどこか共感するような、人間味の強い心の内を整理する機会になっていたのかもしれない。

 RMの作る楽曲は、心の中を打ち明けてくれているようなあたたかみを持っている。時にはつめたい雨のようなサウンドで、そのあたたかみを包んでいる。そこにはきっと彼の“過去”を内包する現在が描かれているのだろう。

 アンソロジーアルバム『Proof』には新曲も収録される。そこではどんな言葉を届けてくれるのだろうか。RMの、そしてすべてのメンバーにとって大切な気持ちがまっすぐに届くことを願っている。そして、ここに至るまでの彼らの葛藤や歩みが穢されないよう、関わる全ての人がまっすぐにいてほしい。

※1:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/36064/1/1/1

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