L'Arc-en-Ciel、ファンと守り続けた30年に感謝 歴史彩る名曲からレア曲まで飛び出した東京ドーム公演

ラルク、30周年を祝った東京ドーム公演

 5月21日、22日の2日間にわたり、L'Arc-en-Cielが東京ドームで『30th L'Anniversary LIVE』を開催した。30周年という節目に行われた本公演のセットリストには、これまでの彼らの歴史が詰まった名曲たちはもちろん、ファンが待ち望んだレア曲も盛り込まれており、約3時間、24曲のボリュームたっぷりのライヴで集まった5万人を存分に楽しませた。本記事では2日目となる22日の模様をレポートする。

L'Arc-en-Ciel

 暗転すると、満員の客席にはオフィシャルグッズである「バットマラカスライト」の光が無数に灯る。このグッズは発光パターンを複数に変えられ、さらに振ると音がするため、光り物と鳴り物の両方を兼ね備えた便利なアイテム。発声を制限されている観客たちは、このライトを楽曲に合ったカラーに光らせることで、生ライヴならではの一体感を生み出していた。

 ライヴのはじまりは、30周年開幕の歌「ミライ」。ドームの天井にまで届くほど巨大なスクリーンには、全編通して楽曲とリンクした映像が流れており、L'Arc-en-Cielの楽曲がつくる世界観をより豊かに表現する役目を担っていた。続く「READY STEADY GO」で一気にエンジンがかかり、盛り上がる準備は万端だと言わんばかりにバットマラカスライトを激しく振る。hyde(Vo)が「東京ー!」と煽るとさらに会場のボルテージは上がっていき、yukihiro(Dr)の刻むタイトなリズムに合わせてドーム全体がビートに乗る。上がった熱をそのままに疾走感あふれる「New World」へ。ken(Gt)は激しく爽快なリフをクールな表情で繰り出し、tetsuya(Ba)は波打つような心地よいベースを響かせながら、2階後方まで客席を見渡し笑顔を見せた。「一緒に楽園へ行きましょう!さあ、楽園はどこにあるんでしょう? ここだろ!」とステージを指さしてhydeが力強く叫ぶと、華やかなアッパーソング「SEVENTH HEAVEN」がスタート。スクリーンにはミラーボールとダンサーたちが現れ、解放感あふれる極楽の世界を生み出す。さらに1996年リリースの「Lies and Truth」、2004年リリースの「瞳の住人」と、30年の歴史の中で作り上げてきた名曲を立て続けに聴かせた。

 妖艶なムード漂う「X X X」が始まると、照明と客席はピンク一色に変わる。ヘヴィなサウンドとそこに重なるhydeの官能的な歌声が、観客たちをさらに深い世界へと飲み込んでいく。そのまま、切ないメロディが浮遊する「fate」、ダークな世界へ没入させる「finale」とダウナーな楽曲を続けて披露。余韻がたっぷりと残る会場に突如雷鳴が鳴り響き、スクリーンには大雨が降り始める。kenが高らかに奏でたリフをきっかけに徐々に雲が消え青空が映し出されると、眩いほどの強い光がドームに降り注ぎ、「MY HEART DRAWS A DREAM」へ。4人の音楽に観客たちのハミングも加わり、あたたかな希望溢れる世界が戻ってくる。一つの長い物語を読み終えたような充実感とともに、L'Arc-en-Cielの4人が持つ表現力の豊かさに対する感動が湧き上がった。

 派手なエンジン音が鳴り響くのを合図に始まったのは、「Driver’s High」。火柱が上がると共に観客たちのボルテージも上がっていき、気づけばアクセル全開に。そのまま間髪入れずに「Pretty girl」へなだれこみ、tetsuyaのベースソロを挟んで始まった「STAY AWAY」では、メンバーに扮した不二家のペコちゃんがダンスを踊りながら増殖していくという遊び心のある映像で会場を盛り上げる。さらに、yukihiroのアグレッシヴなドラミングとkenのギターソロが光るキラーチューン「HONEY」を叩きつけた後は、壮大なバラード「いばらの涙」へ。毒々しい茨が燃えさかるスクリーンの前で渾身のパフォーマンスを繰り広げる4人に観客たちは圧倒され、心を震わせる。「Shout at the Devil」では、hydeが〈真実の旗 振りかざせ!〉というフレーズに合わせて黒いフラッグを力強く掲げ、その直後にフラッグを床に何度も叩きつけるという過激なパフォーマンスで観客たちを釘付けにしていた。曲のラストには花火が上がり、ここで一旦メンバーはステージを後にする。最後まで残ったyukihiroは、収まらない熱を吐き出すように何度もドラムを激しく鳴らしていた。

L'Arc-en-Ciel

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