光村龍哉はNICO活動終了後、何をしていた? 庄村聡泰が聞く、北海道移住や新バンド ZION始動について

庄村聡泰×光村龍哉対談

二人の出会いと『フジロック』の思い出

庄村:俺が[Champagne](現[Alexandros])の前にやっていたのが、THE WONDERWALLというバンドで。うちの実家の車でツアーみたいなことをやっとったから、そのときに車内でNICOを聴いていたわけですよ。それで、ありがたいことに[Champagne]に加入させていただき、NICOとの初めての出会いは忘れもしない『ROCKS TOKYO』。

光村:そうだね。あれが10年前かな。

庄村:2010年だから、12年前!

光村:やばいよ。干支一回り。

庄村:俺らの前日にNICOが出ていて、NICOを見るために1人で『ROCKS TOKYO』に行ったのかな。楽屋エリアで声をかけさせてもらったのがきっかけだったかと。「『エトランジェ』っていう曲が一番好き」という話をしたら、「聴いてくれてるんですね、ありがとうございます。今度『ミチナキミチ』というツアーをやるから、よかったら来てくださいね」なんていって。それで横浜BLITZに観に行きました。

光村:聡泰が来るからって、「エトランジェ」をセットリストに入れたのを覚えてますよ。

庄村:ちょっと泣いた。いまだに聴きますよね。「容疑者」とかも。出会って12年か……何か印象の変化とかあります?

光村:なんにもない。お酒飲めるようになったな、くらい。聡泰は本当に飲めなかったからね。俺はずっと朝までコースで、先輩とかにカンパしてもらいながら、タクシーで帰ったりとかしていた。聡泰は12時ぐらいに一回沈没するみたいな話を聞いていたけど、うれしいなと思ったのは、「みっちゃんとは朝まで飲めるんだよなあ」って言ってくれて。

庄村:あの時、まだ酒はそんなに飲めなかった時期だけど、みっちゃんとは話がとにかく回るから不思議だなと思って。話が回らない人と飲むと、酔いは早い(笑)。でも、酒もだいぶ飲めるようになったな。あと、2人にとっての一番の思い出というと、やっぱり俺は、初めて家にお招きいただいた時。俺がNICOのファンで、ライブにゲストで入れてもらって、連絡先を交換して、飲みましょうと。それで、自宅に招いていただいて、Asia Steely Danのアルバム『Aja』のドキュメンタリーを見たのが本当に良い思い出。

光村:あれは2012年とか2013年なんだけど、よっぽど楽しかったんだろうな。2人でドキュメンタリーを見て、ひたすら赤ワインとコーラを割って。延々飲めるのはいいんだけど、たいそう酔っ払ったんだろうね。ツーショットを撮って、尾崎世界観(クリープハイプ)に送ってた(笑)。それが今のiPhoneじゃこんなにブレないというぐらい、ブレてる写真なの。まだiPhoneに入っていて、写真を見るたびにいい日だったなと思うよね。尾崎が迷惑そうに、「楽しそうですね」って返信をくれて。

庄村:我々は無所属だから、何やってもいいわけじゃない。でも、尾崎とはちょっとそうはいかんから。このチャンネルにかこつけて、また飲みたいな。というわけで、お互い無所属になったじゃない? だから、『フジロック』の話をしていいわけですよ。

光村:あんなに止められていた話、していいんだ。

庄村:俺らは対バンの経験もあるし、オフィシャルで共演した経験もいろいろあるわけですよ。でも、『フジロック』の話は誰にも言っていなかった。俺は[Alexandros]でみっちゃんはNICO Touches the Wallsだったんだけど、アンオフィシャルで一度だけ共演というか、セッションをしたことがあるんです。

光村:『フジロック』は、俺も2010年から毎年のように行ってたんだけど、聡泰も来てて。現地で会って、飲みながらいろいろライブを見ていた中で、あれは2015年? 奥のほうに、今もあるのかな。当時、オレンジコートの奥、かなり強者しか行かないエリアに、飛び入りで『フジロック』に出られるというステージがあったんですよ。

庄村:メインエントランスから、徒歩で35分から40分ですね。

光村:しかも、あの時めっちゃ雨降ってたから、もっと時間かかったと思う。その辺で飲んで遊んでたんだよね。そのステージにギターは常設であるから、「聡泰、やるか!」って。

庄村:みっちゃんが「ちょっと歌っちゃおうかな」と言い出して。そのステージの前に、太鼓のワークショップみたいなものがあって。とりあえず、手でも足でも、何かが降りおろせればどこでもいいんだよね。

光村:それを2人でやって、整っている聡泰さんを見たら、「なんかこれはいいな」と。一種の躁状態ですよ。

庄村:しかも、その時は夕方くらい、お客さんはグリーンか、ホワイトのメインに備えている時間で。最後の枠だけ空いてたんだよね。

光村:忘れられないのが、弾き語りのステージでギターはあったんだけど、叩くものがなくて。聡泰は楽器のハードケースを叩いてたよね。

庄村:「バイシクル」をやったのは覚えてる。

光村:もう1曲何やったっけな? 「エトランジェ」か「容疑者」?

庄村:「エトランジェ」だったと思う。

光村:そうだね。聡泰がハモった記憶があるんだよな。

庄村:めちゃめちゃ声カサカサだったよね。あの瞬間、俺、思った。対馬(祥太郎/Dr)にはなれねぇと。

光村:対馬くんは最高だったね。彼は本当に気分が良くなるとハモれるという、すごい能力を持ってる人。それで聡泰とユニットを組んで初ライブを終えて、お客さんは3人とかだったね。

庄村:いや、(担当を入れて)5人でした。お互いの担当がすごく苦い顔をしていて。

光村:誰にも言っちゃいけない、やっちまった、みたいな。一番面白かったのは、なんでも叩けば楽器になるよと言いながらも、やっぱりケースはまあまあ硬くて、終わった後に聡泰が、指が尋常じゃなく痛いと言って(笑)。あれ、回復までに結構時間かかったよね。でも楽しかったな。

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