『パリピ孔明』×mihimaru GT、『D4DJ』×H Jungle with t……今、人気アニメで蘇る平成のヒット曲
『パリピ孔明』(TOKYO MXほか)のEDテーマとして、mihimaru GT「気分上々↑↑」のカバーが起用されて話題だ。同曲は『D4DJ』の劇中歌として使用されているほか、同アニメのEDテーマにはH Jungle with tの「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」が使用されている。また、3月に第3期の放送を終えたアニメ『からかい上手の高木さん』シリーズでは、GReeeeNやJUDY AND MARY、HY、Every Little ThingなどJ-POPの名曲が多数カバーされ、それらが収録されたコンピレーションアルバムもリリース。なぜ今平成のヒットソングが、アニメで多くカバーされているのだろうか。
三国志の諸葛孔明が現代によみがえり、軍師となって女性ボーカリスト・EIKOをデビューへと導く。奇想天外な設定と音楽を題材にしたサクセスストーリーが、原作ファンはもちろん、音楽好きや三国志好きの胸も熱くさせている『パリピ孔明』。作中にはEDM、R&B、ヒップホップなど様々なクラブミュージックが登場し、EIKOの歌唱パートを担当する歌い手の96猫が伸びやかな歌声を聴かせるほか、出演声優の置鮎龍太郎や千葉翔也が劇中でラップを披露、また『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』などで知られる木村昴がラッパー役で出演するなど、音楽面にも注目が集まっている。7月27日には劇中歌などを収録した、アルバム『パリピ孔明 VOCAL COLLECTION MEGAMORI!!』もリリース予定。冒頭でも触れた通り、エンディングテーマとしてEIKO starring 96猫、諸葛孔明(CV:置鮎龍太郎)がカバーしているのが、mihimaru GTの2006年のヒット曲「気分上々↑↑」だ。
mihimaru GTは、ボーカルのhirokoとコンポーザーのmiyakeによって結成、2003年にシングル「約束」でデビュー。「気分上々↑↑」は2006年にリリースした9枚目のシングル表題曲で、CMソングなどに起用されて大ヒット。同年、数多くの音楽賞に輝いたほか、『NHK紅白歌合戦』にも2年連続で出場するきっかけとなった彼らにとっての出世曲だ。アニメの影響もあり、YouTubeで公開されているMVは、現在2200万回を超える再生回数を記録している。
軽快なディスコビート、〈パーリナイ〉〈カマせ〉〈ピーポー〉などパンチ力のあるワードの数々、hirokoの爽快感溢れる歌声と肩の力を抜いたmiyakeのラップ。きらびやかなクラブの情景が見事に表現され、『パリピ孔明』の舞台であるクラブや、その楽しさ、EIKOの前向きさなどを表現する上で、これ以上ないと思える曲だ。それはDJを題材に、クラブミュージックに心酔する青春を描いた『D4DJ』でも同様で、曲中で何度も鳴り響く刺激的なスクラッチ音は、同作における“DJ”の存在を象徴的に表していると言える。その『D4DJ』では、天野愛莉(CV:水樹奈々)&姫神紗乃(CV:Raychell)が歌う、H Jungle with tの「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」がエンディングテーマに起用された。
H Jungle with tは、お笑いコンビ・ダウンタウンの浜田雅功と小室哲哉によるユニットで、「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」は、1995年のヒットナンバー。ユニット名にもある通り“ジャングル”というビートがメインに使われた曲として、クラブシーンでも広く知られている。当時ダウンタウンがMCを務めていた音楽番組をきっかけに制作されたもので、CDセールスは200万枚を超え、オリコン週間シングルランキングで7週連続1位を記録。年末の『NHK紅白歌合戦』にも出場を果たした。
ゆったりとしたレゲエのビートで始まり、途中からテンポアップしジャングルのビートに変化。かけ声のようなSEを交えながら楽曲が進み、浜田が早口でまくしたてるように歌うパートも出てくる。カラオケで盛り上がる定番曲としても人気を集め、当時は、同曲を見事に歌いこなせれば仲間内でヒーローになれるといった人もいたことだろう。