社会人バンド つづき、類い稀なるボーカルに国内外リスナーが注目 音楽を“仕事”にしないマイペースな活動に迫る

社会人バンド つづき 初インタビュー

音楽を「仕事」みたいな感じでは捉えられない

スヌ
スヌ

ーー音楽に繋がっているSEKI-NEさんの人となりって、どんなものですか?

Yochi:そうですね……いい意味で、気軽な人だと思います。

SEKI-NE:ははははは(笑)。

Yochi:気軽っていうとかなり語弊があるけど......。「歌に感情を込めない」というのもなんかわかる気がします。本質的じゃないことを見抜く力が強くて、そういう外側の装飾はほとんど気にしてないように見えるところが傍から見ると軽そうに見えるような感じ。例えば、結構いろんなところ(国や地域)に転勤で行ってたりするんだけど、どこにいても「この人は変わらないだろうな」と思わせるものがあるというか。人だから多かれ少なかれブレはあるけど、芯は変わらないんですよね。やりたいことをすごくやるし、でも興味がないことには興味はないってハッキリしているし。どうやって生きていくかをその時々でしっかり決めているんだろうなと。それが歌に出ていると思います。

友:めちゃくちゃ自然体だよね。何かを演じたり取り繕ったりしているところを見たことないかもしれない。練習の後に「みんなでご飯行くか」となったときに、ひとりだけスッと帰ったりするし(笑)。でも、それで成立する「楽さ」があるというか。何をしていても放っておけるんです。

スヌ:度胸もありますよね。肝が据わっているというか。

まなぶ:きっと「SEKI-NEみたいに生きられたらいいのにな」と思う人は多いと思う。でも本人はきっと、そう人に言われたりするのは嫌なんですよ(笑)。

壱:SEKI-NEさんって、一緒にスタジオに入っても「今のカッコいいね」とか、すごく素直な言葉で褒めてくれるんですよ。そういう衒いのない言葉って嬉しいし、SEKI-NEさんに言ってもらった言葉って、結構記憶に残っていて。なので、飾らない人という印象ももちろんあるけど、歌詞を見てみれば、自分に突然襲いかかった悲しみについて、「あれはなんだったんだろう?」と感じている……その、飾らなさと自己に向き合う内省の深さのバランスが、SEKI-NEさんの魅力として感じます。

スヌ:誰に対しても平等ですし。

壱:そうそう。SEKI-NEさんって、嫌いな人とかいるんですか?

SEKI-NE:苦手な人はいるよ。でも、そういう人とは本当に一緒にいれないし、いるとテンションがすごく下がっちゃう。だから、そういう人からはこっちも嫌われる(笑)。だからこそ、自分が今みんなに言ってもらったように映っているのだとしたら、それは僕もメンバーが好きだからだと思う。メンバーに好きなところがなければ、本当にできないから。だから、ありがたいなって思います。

ーー「(what you've) lost」は、何故このタイトルにしたんですか?

Yochi:最初は、これは仮タイトルだったんですよね。それで、本タイトルとして「空蝉(うつせみ)」というのをSEKI-NEが持ってきたんですけど、仮タイトルのままのほうが詩曲に対して真っ直ぐなタイトルなんじゃないかという話になって。

SEKI-NE:あと、最初は、括弧はなかったんですよ。

ーー括弧は何を意味しているんですか?

SEKI-NE:オアシスっぽいかなってみんなで盛り上がって(笑)。

一同:(笑)。

ーー『(What's The Story) Morning Glory?』的な(笑)。

SEKI-NE:でも、これは完全に後付けですけど、そもそもはすごく個人的な文章だったものが、括弧を付けたことによって、もうちょっと広く捉えられるようなタイトルになったのかなと思うんです。「I」じゃなくて「you」にしたもの、個人的な経験ではあるけど、誰しもが経験することというか、「この曲はあなたのものとしてください」という意味を持たせたくて。世の中に出すものは、自分のなかにあるものを排出する作業で終わらせたくないという気持ちがあるので。あくまでも聴いてくれる人ありきで出せるものだし、そういう目線はなくしたくないんですよね。

ーー「(what you've) lost」の広がりを受けて、よりバンド活動の速度を上げていくことを周りから望まれる場面も多くなると思うんです。そこに対しては今、どのように考えていますか?

Yochi:無理はしたくないですね(笑)。「アルバムまだですか」って3年前くらいから言われてるけど……。言ってもらえているうちにとは......。

SEKI-NE:それはすごくありがたいし、「やらなきゃ」っていう気持ちはあるんだけど(笑)。

友:出すとしたらこうしたいね、みたいな話はするけど、じゃあ、そのために締め切りを決めて……みたいな、いわゆる「仕事」みたいな感じでは捉えられなくて。それぞれ自分の仕事があるので、それを優先する感じにはどうしてもなるし。今回「lost」ができたのも、コロナで時間があったというのも大きいので。

SEKI-NE:今までの活動でも、ライブに呼んでもらって初めてスタジオに入り始めたり、ケツを叩かれないと動かないバンドではあるんです。そういう音楽への距離感は今までと変わらないと思うし、「もっとやれ、もっとやれ」と言われても、なかなかできないと思うんですよ。無理をしてできるメンバーではないです(笑)。なので、自分たちにとっての理想的なペースを保ちながら、音楽といい距離で付き合っていって、その距離のなかで生まれる音楽を大事にしていきたいです。

つづき / (what you’ve) lost -Prod.JYAGA-

■リリース情報
新曲「(what you’ve)lost」
配信リリース日:5月9日(月)0:00

<楽曲クレジット>
Performed by tsuzuki

Produced by JYAGA
Written by JYAGA , seki-ne
Arranged by JYAGA , tsuzuki

Vocal recorded by FUMIO SUSAKI
Mixed by ICHI TAKASHI
Mastering by MASATO FUJISHIRO
(big turtle STUDIOS)

Music video directed by jiyo
Logo designed by MAGICPOCKeT

Vocal : seki-ne
Guitar : sunu
Bass : Manabu.H
Keyboard : tomo
Drums : Yochi.H

Chorus : JYAGA

■つづき オフィシャルリンク
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCHJZ_ObCnHZazVfzClJ6DZQ
Twitter:https://twitter.com/tsuduki_band
SoundCloud:https://soundcloud.com/user-34972587

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる