Omoinotake、結成10周年の日に巡った原点・渋谷の街 オンラインストリートライブの模様をレポート
Omoinotakeがバンド結成日である4月28日(=しぶやの日)に、渋谷にて無観客オンライン・ストリートライブ『#NoBuskNoLife 10th Anniversary Special in 428』をYouTubeにて生配信した。
活動の軸として幾度となくストリートライブを行ってきた彼らにとって、ストリートライブは多くの出会いを開拓し、絆を深めてきた大切なものである。昨年、コロナ禍のご時世柄ストリートライブができなくなってしまった状況でも、手元の画面に想いを伝えることはできると考えた彼らは、8週連続の無観客オンラインストリートライブツアー『#NoBuskNoLife』を行ってきた。そしてバンド結成10周年のタイミングで7カ月ぶりに行われたこの日の公演は、10周年を祝うコメントや曲の感想、感謝の気持ちなどが常にコメント欄に溢れる大盛況に終わった。
4月28日の22時になった瞬間、YouTubeの配信待機画面が切り替わり、「#NoBuskNoLife」の文字が表示される。第一部として、過去の「#NoBuskNoLife」の映像がダイジェスト形式で放送された。全8回行われたオンラインストリートライブは倉庫、草原、海辺、湖畔、銭湯などあらゆるところで開催。オンラインだからこそ可能なライブ会場で、彼らの音楽性とエンターテインメント性を存分に感じられる内容だ。彼らが何度もストリートライブをしてきた、聖地である渋谷スクランブル交差点上空で行われたファイナルでのメジャーデビュー発表も再び観ることができ、コメント欄では大きな盛り上がりが起こっていた。
これまでの『#NoBuskNoLife』をリアルタイムで観ていたファンも、初めて観た視聴者も楽しめるライブ映像をたっぷり1時間堪能した後、Omoinotakeのホームであるライブハウス Shibuya Milkywayから出てくるメンバーたちの姿が映し出される。いよいよ第二部となるリアルタイム配信の時間がやってきた。「大変お待たせしました!」と藤井怜央(Vo/Key)が挨拶し、3人がバスに乗り込む。
渋谷の街を巡るバスの中でMilkywayやストリートライブでの思い出話に花を咲かせていると、数分後にバスが停まる。目の前にあったのは、NHKだ。昔から「『紅白』(『NHK紅白歌合戦』)に出たい」と宣言している彼らにとって、NHKは最終目標の地である。来る日に向けた意気込みを込めて、「Never Let You Go」をバスの中で披露した。
「画面の向こうのみんなも一緒に歌いましょう!」と藤井が発すると同時に奏でられる軽快なメロディ。本曲はストリート時代に、道行く人々の心を掴んで離したくないという気持ちを込めて歌っていた曲。そして彼らは実際に道行く人々を魅了して、念願のメジャーデビューを果たし、数々のタイアップを任される存在にまでなった。いわば、今の彼らを作り上げた一つの要因となる大切な曲だ。
耳にすれば自然と体を揺らしたくなるダンサブルなメロディで、路上で流れていたらその場で踊ってしまうことが想像に容易い。リズム隊は、エモアキこと福島智朗(Ba)が奏でるベースと、ドラゲこと冨田洋之進(Dr)のスネアとハイハットというかなりシンプルなセットだが、その分抜けの良いサウンドが心地いい。藤井と福島が向き合い、その横に冨田が構えるというフォーメーションや、車内上部にあるミラーが藤井のキーボードの手元を映し出すといったバスならではの演出も、見どころになっていた。