ØMIが辿り着いた表現者としての1つの確信 『ANSWER…』の集大成を見せ切ったツアーファイナル

ØMI『ANSWER…』ツアーファイナルレポート

 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのボーカル・登坂広臣によるソロプロジェクト・ØMIによるツアー『ØMI LIVE TOUR 2022 “ANSWER…”』のファイナル公演が4月28日、愛知・日本ガイシホールで行われた。本ツアーは、3rdアルバム『ANSWER…』を携えた、全国9会場17公演を回る2年ぶりのアリーナツアーである。前作アルバム『Who Are You?』での問いかけに対して答えを出した新作。その世界観を以って、ØMIがステージで見せた“ANSWER”とはどんなものだったのだろうか。

 まず、PSYCHIC FEVERがオープニングライブで登場。アリーナの熱気に押されることなく、オーディエンスを盛り上げ会場を整える。

 続いてカウントダウンから、ØMIがプロデュースするプロジェクト「CDL entertainment」のロゴとともにオープニング映像がスタート。何かに追われるようにして走るØMI。まるで映画を観ているかのような演出に息を飲む。そして「ANSWER... SHADOW」がモノクロ調の映像とともに披露されてライブが開幕した。しかし、まだ映像のみでステージ上にØMIの姿はない。

 そして炎のなかにいるØMIが映ると、ディスプレイが2つに割れて、そこから映像と同じく自身とダンサーたち、「ANSWER」シリーズのMVでおなじみのアルテミス像が印象的に登場。思わず観客も立ち上がる。ØMIは黒のセットアップをまとってシックな雰囲気を漂わせながら、「Can You See The Light」「Nobody Knows」を続けて響かせた。

 高音のヘッドボイスが冴えた「NAKED LOVE」エンディングから、ピアノのさみしげなイントロにØMIの歌が乗って始まる「OVERDOSE」はドラマティック。そしてラテン調の「BLUE SAPPHIRE」と多彩な音楽性で魅せていく。ディスプレイにはØMIの顔に滴る幾筋もの汗が映る。

 バックダンサーなしでパフォーマンスされた「Give up」は、海に潜ったような映像とリリックが泡になって消えていく演出が神秘的。ØMIの最後の歌も海に溶けていくと、再びダンサーを従え「Colorblind」へ。月が映る演出をバックに群舞を見せてから、アウトロで全員が退場した。

 映像がインタールード的に挟まれ、そのなかでØMIが突然現れた謎の存在を撃ち抜くと「Chapter2 SHINE」の文字。ここから後半戦となる。

 本日のサポートバンドはHIDEKI ANDO(Key)、Lorenzo Braceful(Dr)、YUMA HARA(Gt)、MARIO(Ba)。彼らの華やかでありながら堅実なプレイが本公演を支えていた。

 第2章はØMIがオールホワイトの衣装で再登場し「皆さん楽しんでくれていますか。ここからは『SHINE』。光の世界となります」と前置き。「SHINE」の80’sテイストなグルーヴで音楽的にも変化を付けていく。さらに「You (Prod. SUGA of BTS)」。内省的だった前チャプターとは違い、自然の映像をバックに明るく歌い上げる。オーディエンスも青いライトもさらに細かく、激しく揺れている。

 「ファイナルまで来ることができました。実現できるのか不安もあるなかでスタートして、ひと公演ずつ噛み締めてきて。これまでたくさんライブをしてきましたが、特に想いが詰まった内容になっています。あっという間に気付いたら最後の日。最後まで心をこめて駆け抜けたいです。この景色、会場、僕のエンタテインメントを目と心に焼き付けてください」と今の想いを語るØMI。さらに名古屋での思い出話や「僕よりもみんながMVP」とスタッフや共演者を称える場面では、会場から温かい拍手も起きた。

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