DEEP SQUAD、『チェリまほ THE MOVIE』挿入歌でポップに表現した6人らしさ 初の有観客ツアーで得た手応えも語る
「まだまだ夢半ば」。成功を収めた、DEEP SQUAD初の有観客ツアー『DEEP SQUAD LIVE TOUR 2022“D’PARTURE” ~Episode 0~』最終公演のMCで、TAKAはそのように語った。それは前身であるDEEPから現体制になり、2年半を過ぎてようやくここまで来たという感慨を感じさせる言葉だった。
しかし休む間もなく、彼らは4月13日に今年1作目となるシングル『Gimme Gimme』をリリースした。リード曲は、アジアを中心に世界中で愛される「Good Love Your Love」(ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』エンディングテーマ)に続き、映画『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』の挿入歌として流れるキャッチーな楽曲だ。さらにカップリングにはYUICHIROが作詞を務めた「ヒトリゴト」が収録されている。
ポップさとリアルな側面が共存する内容でありつつ、変幻自在のボーカルグループ・DEEP SQUADらしさを強く感じる本作はどのように生まれたのか。その制作の秘密にメンバー6人のインタビューを通して迫りたい。(小池直也)
“変幻自在”を体現した初の有観客ツアーを振り返る
ーーDEEP SQUAD初となる有観客ツアー『DEEP SQUAD LIVE TOUR 2022“D’PARTURE” ~Episode 0~』の感想からお聞きできればと思います。
DEEP TAKA(以下、TAKA):ダンスを披露したり、Huluストアで配信もやらせてもらって、今までやってこなかったことに挑戦できたツアーでした。
杉山亮司(以下、杉山):やっとエンジンがかかってきた感じだったので、もっとライブしたかったです。
TAKA:そんな感じもあったね。あとやっぱり、みなさんに楽しんでいただけてよかったです。「まずは日本武道館に行きましょう!」と約束もしているので、まだまだ踏み出したばかりではありますが「Episode 0」なので、今後に続いていく足がかりになったかなと。
ーー杉山さんはライトをメンバーカラーのピンク色にしない観客に「ピンクにしない方はどういった了見で?」と攻めたツッコミを入れたとか。
杉山:思ったことを言ってしまうタイプなんですよ(笑)。実際はDEEP時代のイメージがあるなかで、受け入れてもらえるかと不安もあったんです。でもステージに立った瞬間、みなさんの表情や雰囲気で吹っ飛びました。おかげで思い切ってやれました。
DEEP KEISEI(以下、KEISEI):6人だけでなく、DEEP3人だけや新メンバー3人だけのパフォーマンスもあったり「変幻自在のボーカルグループ」という言葉を体現できたと思います。
ーー新メンバー3人のコーナーでは、Original Love「接吻」をカバーされたそうですね。この選曲についても気になりました。
宇原雄飛(以下、宇原):3人で話し合って「伝えたい音楽がこの曲で伝わるんじゃないか」という結論が出たので、歌った動画をYouTubeに上げたんです。ライブではマイクスタンドでの振り付けもして、6人の時とは違う見せ方ができたかなと。
比嘉涼樹(以下、比嘉):パフォーマンスの幅が広がりましたし、作り上げていく過程の議論もクリエイティブでした。次はもっといいステージを作ることができそうです。
DEEP YUICHIRO(以下、YUICHIRO):確かにグループとして今後も成長できるなと感じましたね。
TAKA:とはいえシングルのリリースがあるので、まだまだ気は抜けないです。
『チェリまほ』を自分たちの色に落とし込む挑戦
ーーではそのシングル『Gimme Gimme』についてもお聞きします。こちらは映画『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』の挿入歌ということで、ドラマ版の エンディングテーマ「Good Love Your Love」と同じく世界的に人気となりそうですね。
TAKA:ありがたいですね。試写会でも実際に観たのですが、いい場面で流していただいてハマってました。恋愛のワクワクやドキドキが歌詞に組み込まれているので、ときめきをリアルにイメージできるかなと。ぜひ自分の恋愛観と照らし合わせてもらいたいです。
KEISEI:僕は台本を読んだ時に「恋っていいな」と思いましたね。恋愛によって人が頑張ろうと思えたり、秘めているパワーが引き出されたりする。それによって生活や仕事など、人生が豊かになるんだなと。
比嘉:純粋な恋愛を歌っているので、恋をしたい方や付き合いたてのカップルにも聴いてほしいですね。
ーー制作の経緯についても教えてください。
TAKA;楽曲自体はドラマに引き続き作品に寄り添って作っていって、監督さんたちとディスカッションを重ねました。
杉山:自分たちの色と映画の世界観を落とし込むために細かい部分にもこだわっています。
YUICHIRO:挿入歌なので冒頭から印象に残るような曲にしようという方向性で。
杉山:イントロはデモの段階だと、ギターのフレーズだけだったのですが、シンセを足すことで冒頭からDEEP SQUADのイメージになるようにしています。劇中で流れた瞬間に狙い通りの効果が出ましたよ。
YUICHIRO:あとは〈Gimme Gimme Gimme〉というサビはキャッチーですが、可愛くなりすぎないように歌いました。音楽的なトレンドも入れたかったので、そのせめぎ合いもありましたね。結果として僕たちらしいサウンドに仕上がったかなと。
ーー歌い出しはDEEP SQUADの「Aメロ職人」こと、比嘉さんですね。
比嘉:そうです(笑)。爽やかでポップな印象付けが大事だと思っていたので、言葉の表情や語尾を意識しながらレコーディングしました。跳ねるイメージで歌っています。
宇原:僕もリズムを意識して歌いました。この曲のバックコーラスは、特にメロディもカッコいいラインで入っていたり、DEEP SQUADらしさが分かりやすく出ていると思います。
KEISEI:リズムが跳ねている(16分音符でスウィングしている)ので難しいんです。平坦にやると合わない。UHとかAHだけでもキラキラさせないといけないし(笑)。
YUICHIRO:コーラスもDEEPの3人と新メンバー3人とで前後半で分けています。
杉山:曲の1コーラス目(1番)は新メンバーが主メロを歌っているので、お三方にバックに回ってもらいました。2番はそれを逆にして。
YUICHIRO:難しいこともいろいろやっていますからね。DEEP SQUADを舐めてもらっちゃ困りますよ(笑)。
比嘉:シングルに収録されるMain Less(インストとコーラスのみのバージョン)と聴き比べても楽しいと思います。
杉山:トラックもカッコいいのでそちらもチェックしてもらいたいですね。
ーーMVはどんな映像になっていますか。
TAKA:「Good Love Your Love」は6人でキャンプをする内容でしたが、今回もメンバー同士の絡みや絆が感じられる映像になっています。