majiko、コロナ禍で支えとなった音楽制作への没頭 「気持ちが壊れないように作っていた」

majiko、コロナ禍支えた音楽制作

ずっと応援してくださる方は家族

ーーでは、新曲「劫火のエトワール」について。トレーディングカードゲーム『バトルスピリッツ コネクテッドバトラーズ』の主題歌に起用されていますが、どういう経緯で制作されたんですか?

majiko:実は、もともと他のアーティストに提供するために書いた曲なんですよ。そのときは2曲書いて、採用されなかったほうをストックとして置いていて。ゲームの主題歌のお話をいただいたときに、「バトルものだし、こういう鋭利な曲が合うんじゃないかな」と思って提出したら、気に入ってくださったんです。

ーー自分で歌うことを想定していなかった曲なんですね。

majiko:そうなんですけど、私が書いたメロディだし、仮歌も歌っていたから、けっこうすぐに馴染みましたね。ただ、ちゃんと歌うとかなり難しくて。「この曲を人に歌ってもらおうとしていたのか……ひどいな」と思いました。テンションが高いときじゃないと歌えないかも(笑)。

ーー(笑)。majikoさんの攻撃的なボーカル、かなり斬新でした。サウンドも尖ってますね。

majiko:当初はアニソンっぽくしたいと思っていて。私の好きなアニソンはキレイな部分と邪悪なところが共存していることが多いので、この曲もそうしたいなと思って、木下哲さんにアレンジをお願いしました。その雰囲気がゲームのバトルシーンだったり、キリキリした緊張感、その後の開放感に合うんじゃないかなと。

ーーなるほど。〈僕らはきっとこれからも転んだりするたび/また立ち上がって行くんだ〉というラインもそうですが、過酷な現実にぶつかりながらも、戦うことをやめない姿勢を描いた歌詞も印象的でした。majikoさん自身は音楽活動のなかで、“戦っている”という感覚になることはありますか?

majiko:どうなんでしょう? 以前からずっとそうなんですけど、私、競い合いが苦手なんですよ。ランキングとかは戦いかもしれないけど、あまり意識してないし、「だって音楽だし」っていう感じです(笑)。

ーーでは、自分との戦いというか、「このハードルを越えなくちゃいけない」という経験は?

majiko:あ、それはありますね。「これを決めたら未来は明るいぞ」っていう。いちばん大きかったのは2019年のLIQUIDROOM(東京・恵比寿)のワンマンライブかな。歌い手の頃にも同じ会場でライブをやったことがあるんですけど、そのときはお客さんがあまり入らなくて。自分の調子も悪かったし、悔しい思いをしたんですよね。2019年のときはリベンジというか、チケットもソールドアウトしてたし、「ここは絶対決めるぞ」と思って臨みました。実際、しっかり決められたと思うし……あれが私の人生のピークだったのかも。


ーーいやいや(笑)。ライブで確かめられることってありますよね。

majiko:そう思います。数少ないアーティストの友達が、「ライブは清算の場所だったよね」って言ってたんですよ。制作の過程のなかでたまったものをライブで発散して、お客さんの反応を見て、その作品がどう受け止められたかを知ることもできて。コロナでライブがやりづらくなってからは、答え合わせができない状態なんですよね。正解かどうかわからないまま問題を解き続けてるというか、区切りがつけづらくて。ライブって重要だったんだなって、改めて感じてますね。

ーー歌詞には〈劫火で踊る僕に白い翼をくれた/君こそエトワール〉〈一緒なら 怖いものはもう何もない〉というフレーズも。majikoさんを支えているのは、やっぱりファンのみなさんでしょうか?

majiko:そうですね! ずっと応援してくださる方はもはや家族ですし、モバイルファンクラブの名前も「“zikka”」なんですよ。「majikoのライブに行きたいよ」と言われるとすごく嬉しいし、「私こそ君たちを見たいよ」って思います。バンドメンバーやアレンジャーの方々も本当に大切で。「ONE PIECE」じゃないけど、ちょっとずつ仲間が増えているというか。一生ホールドしたいです(笑)。

ライブでは“伝える”ということを優先したい

ーーちなみにmajikoさん、ゲームってやりますか?

majiko:やりますよ。『スマブラ』(『大乱闘スマッシュブラザーズ』)とかも好きですけど、10代のときからずっとやってるのは、人生シミュレーションゲームの『The Sims』ですね。自分と関わりのある人はすべてゲームのキャラクターにして、そのなかでコミュニケーションを取っています(笑)。

ーーそして7月2日に東京・恵比寿ガーデンホールで約1年半ぶりの有観客ライブ『愛わかる-medewakaru-』が開催されます。公演タイトルはコロナ禍でマスクが必須となった日常のなか、ファンのみなさんとのコンタクト手段である“目”によって愛がわかるという意味が込められているとか。

majiko:そうなんです。新曲も歌いたいし、みんなが聴きたい曲もやりたいし、1年半ぶりのライブなので、理想ばかり膨らんでますね(笑)。すごく期待もあるし、ちょっとした不安もあって……。2020年12月の豊洲PITでのライブは、お客さんが声を出せないことに動揺しちゃったんですよ。今回はまず“伝える”ということを優先したいし、とにかく会場に来てくれたみんなを見たくて。「よく来てくれたね」と伝えたいです。

ーーいろいろな規制や思うようにいかないことも多いけど、音楽活動に対するモチベーションはかなり高いですよね。

majiko:そうなのかな(笑)? もしかしたら、見たくないものを見ないようにしてるだけかも……まあ、それでもいいのかなって、今思いました。ずっとキツい状態が続いてるんだから、これ以上キツいことは見なくていいんじゃないかなって。

ーーインプットに関してはどうですか?

majiko:映画はよく観てますね。日常と違う場所に連れて行ってくれる感じがいいなって。海外の景色や音に触れるだけで、その場所に行ったような気分になれるし、癒されるので。YouTubeにも、海外の散歩動画がたくさんあるんですよ。きっと私みたいな人が見てるんだろうなと思います。あとは筋トレですね。運動していると瞑想みたいになって、考えがまとまったりするので。そんなにハードにやってるわけではなくて、たしなむ程度ですけど(笑)。

ーーそれもメンタルヘルスの維持に役立ってるのかも。

majiko:そこはがんばってます。落ち始めたらどこまでも落ちちゃいそうなので、メンタル管理をしっかりやらないと。それはずっと課題ですね。みなさんにも「元気じゃなくてもいいから、低めで保とう」と言いたいです。

ーー自分の音楽によって、リスナーの気分にいい作用を与えたいという気持ちもありますか?

majiko:そうですね……。エゴサとかすると、私の曲をいろいろと考察してくれていて。「その考え方はなかったな」ということもあるし、ときどきその意見をインタビューで話したりしてるんですけど(笑)、そうやって自由に解釈してくれてるのは嬉しいです。ちょっと二次創作的というか。あと、そのときの気分に合った曲を選んで聴いてもらえたらなと。暗いときに暗い曲を聴くと落ち着いたりするし、いろんな場面に合う音楽を作りたいなと思っていて。聴いてくれる人がどんな人生を送っているのかはわからないけど、一瞬でも交差できたらいいのかなって。

ーーずっと一緒にいなくてもいい?

majiko:もちろんずっと一緒にいてほしいですけど、ちょっと離れた時期があったとしても、どこかのタイミングで戻ってきてくれたらいいです。「最後にmajikoの横におればよい!」というラオウみたいな気持ちですね(笑)。

■リリース情報
majiko
配信シングル「劫火のエトワール」
4月13日(水)リリース
PlayStation®4・Nintendo Switch™
『バトルスピリッツ コネクテッドバトラーズ』主題歌
https://www.cs.furyu.jp/battlespirits/

■ライブ情報
majiko 
ワンマンライブ『愛わかる-medewakaru-』
恵比寿ガーデンホール
2022年7月2日(土)OPEN 16:45/START 17:30
https://www.majiko.net/

■majiko公式リンク
YouTube  https://www.youtube.com/user/majikoofficial  48万人!
Twitter  https://twitter.com/majakoja
Instagram  https://www.instagram.com/_majiko_/
Weibo https://weibo.com/u/7053204102 
BiliBili https://space.bilibili.com/2024958074?spm_id_from=333.337.0.0
Official Site  www.majiko.net
PINUPS artist   http://www.pinups.co.jp/

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majikoのサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

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<締切:4月27日(水)>

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