櫻坂46、DISH//、ITZY、新山詩織、ClariS……4月6日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は4月6日リリースの櫻坂46『五月雨よ』、DISH//『10th Anniversary Retake Collection 「再」』、ITZY『Voltage』、新山詩織『I’m Here』、ClariS『Parfaitone』の5作品をピックアップした。(編集部)

櫻坂46『五月雨よ』

 2020年10月に櫻坂46として歩み始めて以降、次々と楽曲を発表しながら、グループの新しい可能性を切り開き続けてきた彼女たち。最年少メンバーの山﨑天がセンターを務める表題曲「五月雨よ」は、清廉で美しいメロディが、光輝かしいサウンドスケープを描き出していく壮大なミドルバラードだ。クールな魅力を打ち出してきた過去3枚の表題曲とは異なり、今回は、全編にわたって温かなフィーリングが満ち溢れている。同曲の歌詞は、深い恋心をストレートに歌い上げたラブソングとして読むことができるが、ラストの〈五月雨式に  好きになってく  雨よ  止むな〉という一節は、新しい坂道を懸命に走り続ける彼女たちが、自分たち自身の背中を力強く押す言葉としても響いているように感じた。本作の共通カップリング「僕のジレンマ」のセンターを務める1期生の渡邉理佐、そして原田葵の卒業は、グループにとって切実な別れではあるが、それを乗り越えながら次の季節へ向けて歩み出す彼女たちは、これからきっと、より強いグループになっていくと思う。(松本)

櫻坂46『五月雨よ』

DISH//『10th Anniversary Retake Collection 「再」』

 2022年元旦からスタートした、リテイクプロジェクト『再青』。「愛の導火線」「猫」「Loop.」「勝手にMY SOUL」などの代表曲や人気曲にリアレンジを施し、現在のメンバーの音と歌声で“再生”させた新バージョンをまとめた本作からは、この10年で積み上げてきた音楽性と、2022年のDISH//の表現力がダイレクトに伝わってくる。「猫」のヒットにより露出が増え、バンドとしてのアイデンティティを問われることも多かった彼ら。そのなかでトライ&エラーを繰り返し、自分たちの固有の音を掴み取るまでのプロセスが感じられることも本作の魅力だろう。ライブを想起させる生々しいテイクも多く、ファンは「もっとDISH//のステージを見たい!」という欲望をかきたてられるはず。(森)

[Cross Fade Movie] DISH// 10th Anniversary Retake Collection 『再』

ITZY『Voltage』

 TWICE、Stray Kids、NiziUなどを輩出してきたJYPエンターテインメントから2019年2月にデビュー。10〜20代女性を中心に支持される“ティーンクラッシュ”を象徴する存在となった5人組ガールズグループ・ITZYから、初の日本オリジナル楽曲「Voltage」が到着。強靭なキックやサブベースを効かせまくったドープにしてド派手なトラックを手がけたのは、K-POPの最前線で活躍するSELAHとプロデュースチーム・THE HUBのメンバー。〈今すぐ世界/揺るがすほどの衝撃/未来を目指すの〉に象徴される凛とした意志を込めたリリックは、TWICE、SixTONESなどへの楽曲提供で知られるMayu Wakisakaが担当している。しなやかで力強いラップ、キャッチーなサビのメロディを乗りこなすボーカリゼーション、MVにおける挑発的なパフォーマンスも最強。(森)

ITZY「Voltage」Music Video

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