King & Prince、SixTONES、関ジャニ∞……春の大改編でジャニーズバラエティはどこへ向かう?

 テレビの歌番組やドラマでの活動に加え、バラエティ番組においても活躍の場を広げているジャニーズ勢。今春からの番組改編に伴い、放送時間帯の変更などが発表されている。本稿ではこの春注目の新番組に加え、長年愛されている番組などから、ジャニーズがテレビバラエティで担う役割について考察してみたい。

メンバーがチャレンジする姿から新たな魅力を発信

 まず注目したいのが、この3月まで日曜日の昼に30分番組としてオンエアされていた『King & Princeる。』(日本テレビ系)。今年1月からスタートしたKing & Prince初の冠番組だ。昨年5月の特番に続き、2022年の元旦には『King & Princeる。元日SP』として全国放送されたが、4月より土曜13時30分~ 14時30分に移動し、放送時間も60分に拡大となる。同番組では毎回King & Princeの5人が面白く、カッコよく成長するために様々なムチャぶりに挑んでいる。リーダーの岸優太が本物の天然か次々とドッキリを仕掛ける企画や、1日で一流のタップダンサーになるために猛特訓したり、メンバーの中で誰が一番美味しそうに食べられるか競うグルメCM選手権など、国民的アイドルであるKing & Princeに対し、かなり厳しめの企画が用意され、毎回盛り上がりを見せている。3月20日の放送回では5人がデート服コーデ対決に挑んだ。普段のカッコいいKing & Princeとは違う、素の一面も見ることができるのが同番組の魅力であるが、特にメンバーの中でも企画のキーパーソンとなるのが岸だ。

 コーデ対決ではメンバーの彼女役“岸子”として登場。抜群のスタイルでレディースの服を難なく着こなす岸であるが、なぜか髙橋海人とのコーデでは「カッパ」といじられ現場の笑いを誘っていた。岸の面白さは“笑いを取りにいこう”とする貪欲さを感じさせない、自然体の佇まいだ。メンバーが全力で企画に挑む姿と、岸の醸し出す笑いが融合することで番組全体の魅力となっているように思う。1時間番組となってより多彩な企画にチャレンジしてくれることに期待したい。

個々の活躍が全員集結した時の爆発力に

 過去4回の放送を経て初の冠レギュラー番組に挑むのがSixTONESだ。4月にスタートする『バリューの真実』(NHK Eテレ)は、10代やその親世代も含めた幅広い世代の“多様な価値観(バリュー)”に、6人が体当たりで迫るという番組だ。10代ならではの「悩み」「困っていること」「自己肯定感の向上」に役立つ情報などを、ランキング、実験、ポジティブドキュメンタリー、ドラマなどで検証していく。自分の価値観がほかの人とどう違うのかを、様々なテーマからその多彩な価値観を楽しむ企画だ。

 6人は世代的にも10代の若者と親世代の橋渡し的な役目を担っている。6人そろって出演する初のレギュラー番組でMCを務めることとなったSixTONESだが、ジャニーズJr.時代から研鑽を積んできた彼らには全く危なげを感じない。特筆すべきは『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)でもメインMCを担当する田中樹の安定感溢れるトークだ。田中のMCによりメンバー全員がバランス良く発言でき、さらには個々の持ち味が生かせるような緻密な計画性も感じる。また、バラエティ番組に出演すると一瞬でスタジオを自分のカラーに染めてしまう愛すべきキャラクターのジェシー、温泉やキャンプなど自身の趣味を生かし、確実に存在感を高めている髙地優吾、『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)への出演を機にお茶の間への知名度も一気に増した森本慎太郎、朝ドラ俳優として存在感を放つ松村北斗はじめ、『ワールド極限ミステリー』(TBS系)で田中に続きMCに挑戦した京本大我も、ミュージカルで培った経験を生かし、落ち着いたトークを披露している。6人それぞれがバラエティやドラマの出演で研鑽を積み集結した時は、何倍もの力で輝きを放つ彼らが、初レギュラーでどのような飛躍を見せてくれるのか楽しみにしたい。

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