XG「Tippy Toes」は異例のデビュー曲? 国内外から支持集めるグループの独自性
かねてより世間の耳目を集めていた7人組HIPHOP/R&Bガールズグループ“XG”が、遂に3月18日1stシングル「Tippy Toes」でメジャーデビューした。様々なガールズグループが誕生し、各所で活躍をみせている2022年。そんな中でXGは、Instagramのフォロワー数13万人、YouTube登録者数19万人を突破するなど、デビュー前からすでに大きな注目を集めていた。
“ガールズグループ戦国時代”ともいわれる昨今、人々がこの新星に期待のまなざしを投げかけていたのには、グループの全容がベールに隠されていた段階で続々と公開されていたパフォーマンスビデオが一つの大きな要因となっていたように思う。
韓国の人気ダンサーHyojin Choi、そしてBTSやBLACKPINKなどの作品参加で知られる米クリエイティブスタジオ・The Labが製作クレジットに名を連ねた「Dance Performance #1」では、一糸乱れぬ統率性と勃々たるエネルギーを兼ね備えた群舞により、作りこまれた世界観とグループカラーを視聴者の心へ刻み込んだ。
またメンバーのCHISAとJURIAによる「XG – Vocal Performance (Peaches Remix)」、そしてJURINとHARVEYによる「XG – Rap Performance (Chill Bill Remix)」では、各自のボーカル/ラップスキルの高さとスター性が示されている。
謎の多いXGが、2017年から現在まで約5年間にわたってトレーニングを重ねた末にデビューを果たしたことは「XG – The Journey (2017-2022)」で明らかになった。しかしもしその事実が明かされていなかったとしても、JURIN、CHISA、HARVEY、HINATA、JURIA、MAYA、COCONAのメンバーたちによるアーティストとしての真正性は、そのパフォーマンスが何よりも証明していたように思う。
3月18日にリリースされた1stシングル「Tippy Toes」は、そんな彼女たちのスター然とした堂々たる姿勢を鮮明に焼き付けた楽曲となった。首尾一貫して極端に抑えられた音数、ウィスパーボイスに近いボーカル、安直なカタルシスを遠ざけ虎視眈々とリスナーを引き込む曲展開。これらの要素は世界的な音楽シーンのトレンドに即すものではありながら、デビューグループの1stシングルとしては異例にも感じられるほど成熟したサウンドを形成している。