TWICE、4枚目のベストアルバムが大差でチャート首位 大人の魅力を発揮する新たなモードが凝縮された1枚に

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2022-03-28/

 3月最終週付のオリコン週間アルバムチャート。本題に入る前に、Eveの『廻人』が、約3.3万枚のセールスで初登場4位になった事象に注目したいと思います。4週前に本連載で書いたずっと真夜中でいいのに。もそうですが、ネットを主戦場とする彼らの音楽はアニメーション動画つきのMVをYouTubeで“観る”のが基本。いつでもどこでも無料で楽しめるそれを、MVなしのCDパッケージで“聴く”ために購入する。このエネルギーって相当なものだと思います。

 MV公開とともに大きな話題→YouTube数千万回再生も普通→しかし一般的にはまだよく知られていない。そういうアーティスト/歌い手はネット上に相当数いるわけですが、夢中になったファンたちは、アーティストをさらに推すためにCDを購入するし、アーティストの世界観をよりリアルに感じたいからCDを購入する。夢中で手にしたそれは、最初からずっと「どうしても欲しかった宝物」であり続けることでしょう。

 サブスクは便利。だけど試聴機でしかない。そう語る旧世代の共通項として「ジャケ買いしたCDの良さがわからなくて、でも払ったお金がもったいないから魅力がわかるまで意地で聴き続けた」みたいな笑い話がありますが、これって「とりあえず買える」くらいCDがカジュアルだった証左なんですよね。サブスク時代に入ったことでCDの価値は逆に上がっているのではないか。本当に買いたい人にしか買えないものという意味では、ラジオ全盛期のレコードのようなものになっているのではないか。そんなことを考えました。ずとまよも、Eveも、この時代の指針になっています。

 さて本題。今週取り上げるのはTWICEのベスト盤『#TWICE4』。初登場で6.5万枚と、他と大きな差をつけて1位に輝いています。ただし、前回のベスト『#TWICE3』が初週10万枚を超えていたことを考えると、少しの失速感は否めない。2019年あたりから始まったモードチェンジ、肌の露出も大胆になった大人セクシー路線がファンをざわつかせていたのは事実なので、そのあたりの影響もあると思われます。

 結果的に言えば、『#TWICE4』はかわいいTWICEに戻っています。ただし、初期の頃のようにキュート&ラブリーなだけでもない。ファンのニーズには応えつつ、少しずつ大人モードにシフトしている今が感じられます。

TWICE『#TWICE4』Spoiler Video

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