THE☆FUNKSに初取材 安岡 優&ダンス☆マンに聞く、13年越しに結実した“一大ファンク絵巻”『愛の12星座』のすべて

THE☆FUNKSの一大ファンク絵巻

アンジュルムに提供した「カクゴして」を和田彩花・勝田里奈を迎えてカバー

ーー6曲目の「カクゴして feat. 和田彩花・勝田里奈」は、もともと2015年にアンジュルムに提供した楽曲です。今回、和田さんと勝田さんを迎えてセルフカバーして一緒に歌ったわけですね。

ダンス☆マン:以前アンジュルムのライブを観せていただいたんですが、パフォーマンスもすごいし、歌もうまいし、踊りもうまいし、アイドルが持つべき要素をすべて持っていて。

安岡:トップアイドルの技術の高さには、僕らは本当に驚いてね。今回、男性キーに下げているので、本来は歌いづらいはずなんですよ。でも、それもさらっと歌って、さらに「演出的にこういうニュアンスを出してほしい」というお願いも、ほぼすべて1回でちゃんとキャッチしてOKテイクでした。最初からエンディングに向かって、声のテンションをちょっとずつ上げていくっていうのを生でやってくれて、アドリブもやってくれるんですよ。歌唱力もあるし、女優力といったものもあり、正解に到達するまでのスピードがあまりに早くて、もっと一緒にやりたかったぐらいあっという間でしたね。

THE☆FUNKS - カクゴして feat. 和田彩花・勝田里奈[Official Music Video]

ーー7曲目の「それは☆ナシなんじゃない」は、アラブ風味と歌謡性が混ざっていますね。

安岡:あのアラビックなギターのフレージングは、多分僕の詞を見てアレンジで足したんですよね。ああいうサウンドイメージはなかったんだけど、僕の歌詞に応える形で、アレンジの方にぐっと寄せてくれたので。お互いに、物語性を高めるための演出を一曲、一曲で突き詰めてやっていますね。

ーー8曲目の「Romance☆Novel」は、さながらスウィートソウルですが、ボーカル面ではどんなところにこだわったのでしょうか?

安岡:作曲の段階では、「ダンス☆マンだからこそ出る超高音のサビにしてほしい」とお願いしました。誰もが出るキーではないので、そういう曲が1曲必要だと思って。僕はこういう歌詞が思い浮かんでしまったので、「これはふざけないことが逆に面白いんじゃないかな」と思って。

エフェクトありでゴスペラーズのハーモニーを届ける機会

ーー9曲目の「Star☆ting Over feat. ゴスペラーズ」にはゴスペラーズが参加していますが、メンバーのみなさんはTHE☆FUNKSについてなんと言っていましたか?

安岡:今まで『SOUL POWER』でTHE☆FUNKSとは何度も一緒になってますので、メンバーは僕がプロデューサーという立場でずいぶん楽しそうにやってるというのは理解してくれてると思います。今回も1曲参加してほしいとオファーしたところ、快く受けていただきまして。

ダンス☆マン:「楽しんでやってるんだなー」って(笑)。『SOUL POWER』でご一緒させていただいた時も、トークがみんな面白くてね。私、ちょっと嫉妬しちゃうんです、「歌がうまいだけじゃなくて、しゃべりまで面白いなんて」と(笑)。音楽的にも実は非常に勉強させていただいて。例えば真面目な歌詞のバラードを真面目に歌うということがあまり得意ではなかったけど、ゴスペラーズさんとご一緒させていただくうちにできるようになってきました。「このほうがお客さんに届くんだ」っていうことを学びましたね。今回の曲に関しても、「やっぱりゴスペラーズさんはすごいな」って、改めて思いました。この曲、安Pのアイデアでボーカルにエフェクトをかけているんですよ。スペイシーな宇宙声に。

安岡:ゴスペラーズはこの先もボーカルエフェクトは選択しないだろうから、エフェクトありでゴスペラーズのハーモニーを届けられるのはこの曲しかないと思って。

ダンス☆マン:私が心配して「大丈夫ですか?」って。

安岡:ゴスペラーズを宇宙に招待してハモるTHE☆FUNKSというのがひとつテーマでしたね。曲の世界観に全力で入っていただきました。

THE☆FUNKS - Star☆ting Over[Official Music Video]

――かと思うと、10曲目の「パンツ☆メリハリ」は、パンツがテーマで8分もありますね。Pファンクのゲイリー・シャイダーのオムツ姿も連想しました。

ダンス☆マン:Pファンクやゲイリー・シャイダーもそうですが、やっぱりファンクに結びつくパンツってあるんです。

安岡:もっともファンクらしい曲になりましたね。僕はゲイリー・シャイダーを2002年にパリで観たんですけど、あの振り切り方はすごいし、音楽性は高いし。「パンツ☆メリハリ」は、いつもライブでやっている熱狂をそのままCD音源に入れることができないかと思って。もともとダンス☆マンさんは「Dance! Everybody! Come On!」という、最初から最後まで〈Dance! Everybody! Come On!〉のみの歌詞で構成された斬新な曲を地球でリリースされておりまして、それを空耳カバーしてるんです。

ーー11曲目の「地球外☆エンジェルス」にも歌謡性を感じましたが、THE☆FUNKSが重視しているポイントなのでしょうか?

安岡:以前にPファンクのライブビデオを先輩ミュージシャンに見せていただいたことがあって。突然ギャングに襲われる女の子がいて、それをPファンクのギターを持った人が出てきて倒すといった、安っぽいドラマなんですけど、そこからライブが始まるんですよ。Pファンクって独特のヒーロー感というか、コスチューム感があるじゃないですか。そういう物語性のあるものを一曲作れないだろうかと書いたのがこれですね。だからヒーローものの主題歌みたいなものが僕の中ではテーマとしてあって。

ダンス☆マン:しかも、ちょっと昭和っぽいというか。歌謡チックなヒーローソングってあるじゃないですか。そういうテイストとファンクを融合させたんです。

ーーラストの12曲目の「いつもゴールデンかラブラドール」は、「カクゴして」以外だと唯一曲名に「☆」がないですね。

安岡:もともとダンス☆マンさんの空耳カバーですでにリリースされているもので、ホイットニー・ヒューストンあるいはジョージ・ベンソンの「Greatest Love Of All」の空耳カバーなので、JASRAC登録がされていて、「☆」を入れられなかったんです。ちなみに僕がダンス☆マンさんを大好きになるきっかけになったのが、この曲なんです。「なんて良い歌詞を書くんだ」と。今回もこのアルバムを作るにあたり、「この曲だけはどうしても入れて欲しい」というスタッフやファンの意見もありまして。じゃあこれをTHE☆FUNKSが歌うことにして、ミラーボール星に彼らが戻った時に「地球で見つけた素敵な曲があるんだよ」っていうのをミラーボール星人に対して歌っているスタジアムライブの模様を収録したイメージです。

ーーそうなると、次のアルバムは一体何年後になると思いますか?

ダンス☆マン:宇宙の時間だからね。

安岡:次に星が巡るのはいつになるだろうね。ハレー彗星よりは長いような気がするね。

ダンス☆マン:THE☆FUNKSの単独ライブも何回もやらせていただいて、今12年目で、一応初日、中日、千秋楽で3回やってるんですよ。で、追加公演が予定されてるんですけど、まだ予定が出てないんです(笑)。

安岡:プロデューサーとしてスタートとゴールを決めるときに、スタートは13年前から「楽しいことをやろう」という気持ちで、やりたいようにやらせていただいてるんです。しかしながら、この物語性をCDだけでお伝えするのは非常に難しいんじゃないかと思っているので、リリース後にも色々と皆さんにお届けできるものがあると思います。コロナ禍でリリースも遅れてしまったし、色々なことが失われてしまいましたが、その分考える時間や出会いをちょっと多めにいただいたので、CD音源を中心にしながら、周りにおもちゃ箱をひっくり返したようにコンテンツを置いていきたいと思っています。

■リリース情報
2022年3月30日(水)リリース
THE☆FUNKS地球デビューアルバム『愛の12星座』
初回生産限定盤 CD+DVD ¥3,850(税込) GXC-0001~0002
特典映像:ドキュメンタリー番組「シリーズ『言葉にすれば』~言葉が時代を動かす~」収録

通常盤 CD ¥3,300(税込) GXC-0003

EC・店舗購入特典:12星座カレンダーカード
Amazon購入特典:メガジャケ

<収録内容>
M1 THE☆FUNKSのテーマ
M2 MI☆DA☆RA
M3 饒舌の話☆術
M4 月の上まで☆スキップ
M5 ハリセン☆煩悩MARS
M6 カクゴして feat. 和田彩花・勝田里奈
M7 それは☆ナシなんじゃない
M8 Romance☆Novel
M9 Star☆ting Over feat. ゴスペラーズ
M10 パンツ☆メリハリ
M11 地球外☆エンジェルス
M12 いつもゴールデンかラブラドール
※初回生産限定盤・通常盤共通

THE☆FUNKS 「愛の12星座」 全曲トレーラー

■関連リンク
オフィシャルサイト http://the-funks.com/
公式Twitter @TheFunks_Galaxy

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