THE☆FUNKSに初取材 安岡 優&ダンス☆マンに聞く、13年越しに結実した“一大ファンク絵巻”『愛の12星座』のすべて

THE☆FUNKSの一大ファンク絵巻

一曲ごとに、「どの方角でもいいからちゃんと振り切ろう」というテーマに

ーーそして完成したアルバムの内容について聞かせてください。1曲目の「THE☆FUNKSのテーマ」は、CREATIONの「Spinning Toe-Hold」に歌詞を乗せたカバーですが、プロレスのタッグチーム ザ・ファンクスが入場テーマに使っていたから、という理由だけなのでしょうか?

安岡:本当にスタートはそれだけです。ご本人に許可をいただくために連絡したら、すごくオープンマインドな大先輩で、「完成楽しみにしてます」と言ってくださって。インストゥルメンタルに歌詞をつけて、我々の自己紹介ソングにして、THE☆FUNKSの入場曲になるといいなと思って作ったのがきっかけですね。

ーー2曲目の「MI☆DA☆RA」はラテン歌謡ですが、サウンドのバラエティは意識されたんですか?

ダンス☆マン:兄が地球に来た理由は、私がモーニング娘。さんの「LOVEマシーン」をきっかけに裏方の仕事をたくさんやらせていただくようになったことにあって。ミラーボール星人がずっと裏方ばっかりやってるっていうことで、兄から「なんかそれ、体重のかけ方が違うんじゃないか?」と言われて、確かにねと。せっかく宇宙人だし、宇宙とファンクっていうのは非常につながりが深いんです。ただ、ダンス☆マンだけにするとファンクにウェイトが乗り過ぎるので、宇宙人の活動と半々ぐらいでいきたいと。結果、このアルバムは宇宙人優先の曲が多いかもしれないですね。

安岡:音楽性だけでいくと、かっこいいことだけを追求してしまうところがあって、「ミラーボール星人であることのメリットをまったく活かしきれてないな」っていうのが、僕がプロデュースさせてもらう時の最初の入り口だったんですよ。それと、せっかくミラーボール星人でアイドルだったんだから、アイドルであることも忘れないようにしようと。ミラーボール星人であり、兄弟であり、アイドルであり、この三つを忘れないでファンクを作ろうというのが入り口ではありました。そういう意味では「MI☆DA☆RA」は、彼らのアイドル的要素と、ラテン歌謡のちょっと甘いコード進行とファンクのビートをかけあわせる感じで作っていったところがあります。

ーー宇宙と言ったらアフロフューチャリズムの文化がありますしね。

安岡:ジョージ・クリントンも、UFOをジャケットに取り入れたり。

ダンス☆マン:私も70~90年代ぐらいまでのファンクを追いかけていましたが。Pファンクは、当時はファンクの中では異色と言われていて、Parliamentはいろいろ実験的なこともたくさんやってたんだと思うんです。そこまで含めて今、新機軸として、「宇宙人としてやったほうがいいのではないか」といったことを、安Pが気づかせてくれたので。思い切ってディスコファンクのビートなんだけど、80’アイドルソングのような、自分の曲だったらできないんですけど、THE☆FUNKSだと思い切りできるんです。

安岡:一曲ごとに、「どの方角でもいいからちゃんと振り切ろう」というのがテーマとしてあります。

ーー3曲目の「饒舌の話☆術」は、JADOESの「情熱の果実」の空耳カバーですが、日本語の曲の空耳カバーというのもすごいですよね。

安岡:このアイデアは、ダンス☆マンさんからいただいたんですよ。「こういう曲があるんだけど、日本語で空耳カバーするのはどうでしょう?」と。僕もさすがに最初は「これ、俺は今、試されてるのかな?」と思ったんですけど。

ダンス☆マン:空耳の歌詞を褒めてくれる人がいても、自分で書いてくれた人は初めてなんですよ。

安岡:僕は、彼らには「ラブソングを歌うグループ」として地球で活動してほしくて。その中で、「ラブ&ピース&少しのエッチ」っていうテーマがあってもいいかなと思って。だから、アルバムの頭にそういったストーリー性のある曲を置きたかったんですよね。

ーー4曲目の「月の上まで☆スキップ」はキャンディポップと表現されていましたが、今の文脈だとシティポップと呼んでもいい楽曲だと思います。お二人は、今のシティポップブームをどう見ていますか?

ダンス☆マン:面白いですね。海外の人たちが聴くと、すごく新鮮に聴こえるから広がってるんだと思うんです。当時のシティポップって、洋楽に影響されたニューミュージックで、都会的なテイストで、ちょっとバブルな空気の中で生まれてきたものだと思うんです。ファンキーなテイストや洋楽の感じもあるんだけど、アジアな感じもあって、すごく洗練されてる。そういうところを面白がるっていうのは、もしかしたら渋谷系が流行った時に近いかもしれないし、面白いなと思います。

ーーシティポップを聴いている若い人にもTHE☆FUNKSを見つけてほしいですね。

ダンス☆マン:本当ですね。良いことおっしゃいますね(笑)。

安岡:シティポップは、僕らがリアルタイムで耳にした音楽が、今の若い子たちにとって、「演奏する喜び」であるっていうことが面白い。レコードコレクションの喜びだけではないのが、すごく面白いなと思ってます。

ーー5曲目の「ハリセン☆煩悩MARS」は、メロウかと思うとクインシー・ジョーンズやミネアポリスファンクのようになったりと大きく変化します。しかも7分以上です。ファンクオペラと表現されていますが、どのように生まれてきたのでしょうか?

安岡:基本的にオリジナルの曲作りは、ダンス☆マンがまず作曲で、ミラーボール星語で仮歌で歌ってるんです。それを僕が聴いて、空耳カバーするかのように地球語に翻訳していく作業の流れになるんですが、特にこの「ハリセン☆煩悩MARS」は「どうなってるんだろう?」って驚きましたね。最初にメロディアスなところから入って「すごいいい曲だな」と思ったけど最終的に「なんでこのままいかないのよ! こんないい曲、普通にフルコーラスにしてゴスペラーズにちょうだいよ!」と。

ダンス☆マン:「ハリセン☆煩悩MARS」は、ハナ肇とクレージーキャッツの「ハイそれまでョ」に影響されました。ラジオで聴いて、すごく悔しい気持ちになりましたね、ミラーボール星人として。「これだな!」って。誰かが対抗するならTHE☆FUNKSしかないかもしれないな、って。

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