Official髭男dism、King Gnuらバンドミュージックから一望するリズム/ビートのトレンド
そしてもともと、ダンスミュージックをJ-POPに持ちこんだバンドの代表格であるサカナクションが「ショック!」で聴かせるラテン+ハードバップ寄りのブラスアレンジで新たなリズムを構築したり、「オドループ」などのヒットを持つ4つ打ちバンドの一つの代名詞的存在であったフレデリックがグッとハウスミュージック寄りの音像の「Wanderlust」を生み出したことはバンドが作るダンスミュージックの伸びしろを感じさせてくれる。
他にもCHAIが海外を視野に入れて以降のR&B/コラージュミュージック的な楽曲群での洗練されたリズムや、変拍子やリズムチェンジのイメージが強かったtricotの楽曲にファンクやエスノテイストが加わったことで、グルーヴにしなやかさが加味されたことにも注目したい。
背景にはあらゆる時代やジャンルからリファレンスを摂取できる今の時代性もあるだろうが、リファレンスも摂取の仕方が分からなければミックスもできない。さらに直感を具体化できるスキルがなければリズムは更新されない。今回挙げたバンドはもちろん、すでに彼らのカウンターとなり得るバンドたちも、虎視眈々と新たなリズムを生み出しているのではないだろうか。