ポスト・マローン、「One Right Now」再浮上　4thアルバム『Twelve Carat Toothache』の情報を追う

参照：https://charts.spotify.com/charts/view/regional-global-weekly/latest

　Spotifyの「トップ50（グローバル）」は、世界的に最もストリーミング再生された曲をランク付けしたチャート。本連載では、同チャートを1週間分集計した数値のデータを元に、グローバルな音楽シーンの潮流をお届けする。第24回となる今回は、2022年3月4日～2022年3月10日集計のチャートを見つつ、『SUMMER SONIC 2022』のヘッドライナーを務めることが発表され、ザ・ウィークエンドとのコラボシングル「One Right Now」が再浮上しているポスト・マローンの期待の4thアルバムについてわかっていることを、いち早く紹介したい。

カミラ・カベロとエド・シーランのコラボ「Bam Bam」が初登場14位に

　今週のチャートはトップ4に変動はなく、Glass Animalsの「Heat Waves」が再び1位を獲得。カミラ・カベロとエド・シーランのコラボ「Bam Bam」が初登場14位にチャートインし、今後さらに順位が上がることが予想される。他には、HBOのドラマシリーズ『Euphoria』からラビリンスとゼンデイヤの「I’m Tired」が29位にランクアップ。

ポスト・マローン、パンデミックが新作に与えた影響を語る

　2015年にインディペンデントにリリースした楽曲「White Iverson」が話題になって以来、世界で最も聴かれているアーティストの一人となったポスト・マローン。2020年に最も稼いだヒップホップアーティスト（※1）、2021年には3曲がアメリカレコード協会によってダイアモンド認定された最年少アーティストである（※2）。

　そんなポスト・マローンは、4thアルバム『Twelve Carat Toothache』を今年リリースすると明かしており、先日3年ぶりに開催される『SUMMER SONIC 2022』のヘッドライナーを務めると発表された。このように日本でも話題になっている彼であるが、現時点で『Twelve Carat Toothache』についてわかっていることを紹介したい。

　本アルバムについて、リリース日やトラックリストはまだ公開されていないものの、2020年の時点で完成していると彼は明かしている。彼はパンデミックが期待の新作に与えた影響について、このように語っている。

「俺はここ数年、音楽をリリースしていないし、いつも不安な人間なんだ。色々なことを同時に考えてしまったり、負担をかけすぎてオーバーロードしてしまう。多くの人は、外からのインスピレーションを求めると思うんだけど、特にコロナウイルスの件もあって、みんな一人でいる時間が増えたはずだ。ときには内側からインスピレーションを見つけるべきだと感じた。」（※3）

　パンデミックにより、一人で過ごす時間が増えたことが作品に与えた影響を語ったポスト・マローン。彼は以前、作品を作る上でツアーの存在が非常に大きいと語っていたが、そのような意味でも『Twelve Carat Toothache』は今までと違う作風になることが予想される（※4）。自身の内面をさらに掘り下げ、生の感情を表現したとも語っている。

「このアルバムは、自らの命を持っている。生の感覚や感情があって、俺がどのような人間であるかを表現している。いつもより楽曲数は少ないけど、より人生に語りかけ、良いときも悪いときも、今どのような感情なのかを語っている。自分が感じている混乱とか、アーティストとしての両極端な側面とか。一回聴いたら、もう一度聴きたくなるようなものだ。」（※5）

　また、今までのアルバムに比べて曲数も少ないようで、曲主体の作品というより、現在のポスト・マローンの人物像を表現した「アルバム」として一貫性があると、エンジニアのルイス・ベルは明かしている（※6）。ポスト・マローンは、今まで曲数を増やすことをレーベルに強要され、アートを作る上で妥協をしてきたとも語っており、今作はチャートに入ることを気にせずに作ったようだ（※7）。