BlooDye、4人で歩んできた濃密で特別な時間 現体制ラストライブに向けて、1stアルバムに込めた集大成を語る
2019年6月10日に結成された、人気声優 高槻かなこ・礒部花凜が率いるボーカル&パフォーマンス ユニット BlooDye。2020年の年末に新たなメンバー、一岡杏奈、櫻井優衣を迎えて4人体制となり、昨年9月29日には1stアルバム『Future Wings』をリリースしている。現メンバーでのラストライブ『BlooDye FINAL LIVE 「FUTURE WINGS」 』が3月18日にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催されるが、その直前に、アルバムリリース時に行ったインタビューを掲載。バラエティに富んだ楽曲の数々を、ライブ直前にもう一度振り返ってもらいたい。昨年9月、高槻は休養中のため欠席となったが、礒部、一岡、櫻井の3人に、アルバムのこと、そしてBlooDyeとして活動してきた短いながらも濃い期間について、たっぷり語ってもらった。(編集部)
グループを導いてきたリーダー・高槻かなこの存在
ーーリアルサウンド初登場ということもあり、まずはメンバー同士での他己紹介からお願いしても良いでしょうか。まずは一岡さんについて、礒部さん、櫻井さんお願いします。
礒部花凜(以下、礒部):おしゃべりな子!(笑)。
櫻井優衣(以下、櫻井):確かに! あとダンスがめっちゃ上手で、私より年上なんですけど、ピュアですごく可愛いです。
一岡杏奈(以下、一岡):……だそうです(苦笑)。
礒部:「Where you are feat. LITTLE (KICK THE CAN CREW)」のMV撮影のときが、この2人(一岡、櫻井)とは初めましてだったんですけど、そのときに楽屋で話したら共通の好きなものが見つかって。それでいっぱい話してくれたから、人見知りしない子なんだな、よく喋ってくれるなというのが第一印象でした。
一岡:確かによく喋りますね。でも、人見知りすることも少々あるんですよ?
礒部:そうなの!?
一岡:はい。BlooDyeに加入して初めて(高槻)かなこさんと花凛さんにお会いしたら、その場で両手を広げて受け止めてくださったので、スッと入っていけたんです。
ーーなるほど。続いては櫻井さんについてです。
一岡:優衣はそれこそ天然……いや、天然っていうか、ちょっと抜けてるところが……。
櫻井:えっ、ある?
一岡:あると思う(笑)。私が年上というのもあるけど、すごく人懐っこくて、妹気質だなって感じています。あと、自分の武器を知っている心強さがあって、すごく頼りになる人だなと思っています。
櫻井:ありがとうございます。これ、なんだか恥ずかしいですね(笑)。
礒部:私は、いい意味で賢いなと思う。杏ちゃんが言う「自分の武器をよく知っている」じゃないけど、常にTikTokとかSNSを頑張っていて、自分の見せ方をよく知っている。振る舞いを見て、すごく賢い子なんだな、見られるお仕事に向いている子だなと思っていました。
一岡:いろいろ研究しているなと思うし。
礒部:そうそう、研究熱心。そういうイメージがあります。
櫻井:え~、ありがとうございます。なんて返していいかわからなくなっちゃいますね(苦笑)。
ーーでは、今度は礒部さんについて。
一岡:本当に可愛いです! しかも、すごくおしとやかで、きらびやかな感じがして。
礒部:「おしとやかで、きらびやか」を太字にしておいてください(笑)。
櫻井:すごくわかります。第一印象からすごく上品な感じが伝わってきて、今もお嬢様なんじゃないかと思うほどです。歌声もすごく透き通っていて、心に響く歌を聴かせてくれます。
一岡:あと、お姉さん!
櫻井:うん、そうだね。
ーー今日はお休みですが、高槻かなこさんについてもお三方から紹介いただけますか?
一岡:頼れるリーダーって感じです。
礒部: BlooDyeとして活動していく中で、良いことも悪いこともちゃんと言葉で示してくれるから、私たちも迷わずに「こういうふうに作っていったらいいんだな」と進んでいけるんです。
櫻井:それに、私たちのいろんな細かいところまで、すごく気にしてくれるんですよ。
一岡:周りのことをしっかり見てくれていて、些細なことでも「こういうのがいいよ」とアドバイスをくれる。初めてのMV撮影のときもカメラ目線のことだったり、すごく気にかけてくれたんです。
礒部:私たち3人だけだと、結構ボケーっとしていることが多くて(笑)。なので、かなこちゃんが場の雰囲気を引き締めてくれています。
BlooDyeの歴史が凝縮された1stアルバム、それぞれのお気に入り曲
ーーそれぞれBlooDyeとして歌ったりパフォーマンスするときに、「こういうところを特に意識している」というポイントは何かありますか?
礒部:BlooDyeを結成した当初から、かなこちゃんが「BlooDyeというユニットはアイドルではなく、アーティストユニットとして成り立たせたい」と言っていて、それが私がBlooDyeをやっていく上でのベースになっているんです。アーティストとして曲に寄り添って、BlooDyeの雰囲気に溶け込むというか。常に「BlooDyeとしてそこにいる」みたいなことを念頭に置いて活動しています。
一岡:BlooDyeの曲にはカッコいいものもあれば、すごく可愛らしい曲もあるんですけど、どれも素敵な歌詞なので、それを言葉として口にしなくても伝わるようなパフォーマンスをしていきたいと常日頃から心がけていて。歌詞をよく聴き込んで、自分なりに咀嚼して、曲によって七変化できるようなパフォーマンスを意識しています。
ーーダンスを通して歌詞の意味が伝わるようなパフォーマンス?
一岡:そうです。おふたり(高槻、礒部)が歌ってくださっているので、自分のパフォーマンスで言葉がより伝わるようにサポートしていきたいなと思っています。
礒部:ありがとう!
一岡:こちらこそ(笑)!
櫻井:私はもともと、BlooDyeに加入する前はアイドルとして活動していたので、基本的に可愛い方向性のことしかやってこなかったんです。でも、BlooDyeにはカッコいい曲も多いので、とにかく新しい自分を常に探しながら……まだ研究中なんですけど、いかにカッコよく踊れるかを心がけていて。それを極めることで、可愛い曲とカッコいい曲とのギャップを感じてもらえるようになれば、ライブもより楽しんでもらえるのかなと思っているんです。あと、私は動きよりも表情で表現するタイプなので、ライブでも表情の変化に注目して楽しんでもらえたらいいなと考えています。
ーー曲調によって、表情もいろいろ変わっていくわけですね。
櫻井:そうですね。カッコいい表情がまだ定まっていないので、そこを早く会得したいです。特にBlooDyeとしてはおふたりが、可愛い面もカッコいい面もすごくお手本を見せてくださるので、その背中を見て頑張ろうと思っています。
礒部:いえいえ、そんなことないよ。
ーー知らないところで背中を見せているんですね、きっと。
礒部:……ということにしておきましょう(笑)。
ーーそして、1stアルバム『Future Wings』についても伺わせてください。全13曲いろんなタイプの楽曲が揃った、バラエティに富んだ内容に仕上がっており、ここからオススメの曲を選ぶのはなかなか難しいと思いますが、今日の時点での「ここがお気に入り」「ここに注目してほしい」という推し曲をおひとりずつ聞かせていただけますか?
櫻井:私は「ツバサ」です。この曲の歌詞には、これまで私が芸能活動をしてきた中で感じたことがたくさん詰まっていて、本当に思い入れの強い1曲なんです。それこそサビの〈向かい風に負けないツバサがあれば〉から〈焦がれ続けた空を 羽ばたき続ける〉までの流れを聴くと、この活動は楽しいことだけじゃないですし、時には心が折れそうになってしまうこともあるけど、憧れていた夢や初心をずっと忘れないで少しでも前進しよう、前向きに頑張ろうと背中を押されます。
一岡:私は1曲目の「Terrestrial paradise」。この4人になってから初めての楽曲なので、私と櫻井が入ってからのBlooDyeにとって新たな一歩となる曲だなと思うし、4人みんなで歌っているので、そこにも注目してもらいたいです。あと私はパフォーマンスしていないのですけど、「待ってないよ」が大好きなんです。
礒部:え、本当に?
一岡:はい。本当に良い曲で、推し曲です! Aメロの〈待ってないよ〉の部分とか、いい意味で耳馴染みがないメロディだから、すごくインパクトが強くて印象に残るんですよ。かなこさんが書く歌詞も、ありきたりなものじゃなくて、かなこさん自身の言葉で書かれているなって。
礒部:かなこちゃんの実体験とか、感じたことに寄り添って書いているんだろうな、というのが伝わるよね。
一岡:そうなんです。〈電話で終わるようなふたりじゃない〉なんて、私は実体験がないからわからないんですけど、それでも「わかる!」と言いたくなるようなフレーズで(笑)。すごく伝わる曲なので、いつでも聴きたくなります。
礒部:私も「ツバサ」が大好きなんですけど、その理由が曲や歌詞のこととは関係なくて。「ツバサ」のパフォーマンス中、私が後ろを向いているときがあるんですけど、そのときは初代のパフォーマーの子たちも、今の2人のことも、みんなのことがすごくよく見えて。いつもみんなが一生懸命パフォーマンスしてくれている姿に、泣きそうになっちゃうんです。
一岡:その振り付けのときは、いつもアイコンタクトを取ってくれるんです。
礒部:2人が「頑張ろう」と心を込めてくれている姿がはっきり見える瞬間で、歌詞もそれを後押ししてくれるような内容なので、毎回パフォーマンスしながら自分でも感動しています。それと、「この地球の何処かで」は私がBlooDyeに入る前からあった曲で、かなこちゃんが先に入ることが決まっていて、そこに私が合うかどうかテストで歌わせてもらった曲でもあるんです。BlooDyeが結成されてからずっと歌い続けてきたので、やっぱり結成初期の頃のこととかたくさん思い出しますね。最初に記者の皆さんの前で披露したときの緊張とか(笑)。今では本当に体に馴染んでいて、細かく確認しなくても自然と内から出てくる曲なので、BlooDyeとしての歴史とか、一緒に歩んできたんだなという特別な気持ちが込められています。