Luby Sparks、DYGLと念願の再会果たした『One Last Night』 ワールドワイドな音が鳴り響く一夜に

Luby Sparks『One Last Night』レポ

 2月19日、Luby Sparks Presents『One Last Night』が渋谷WWW Xで開催された。

 この日はゲストとしてCEMETERYとDYGLが登場。アンビエントとビートをシームレスに繋ぎ合わせたCEMETERYのDJで開幕すると、DYGLが昨年リリースしたアルバム『A Daze In A Haze』の楽曲を中心に軽やかにロックサウンドを奏でていく。2022年初のライブだという彼らは、この日何度もライブができる喜びを口にしていた。「爆音で音楽を聴くことについて歌った曲です」と言って演奏した「Stereo Song」は前置きの通り〈When the stereo’s on Turn it up out loud〉と歌う楽曲だが、一方で歌詞の主人公が抱える痛みを音楽によって溶かしていく、繊細な感情に焦点を当てた楽曲でもある。音楽ができる喜びをミディアムなテンポ感でのびのびと表現しながら、オーディエンスの心をゆっくりと溶かしていった。

 2016年、DYGLが結成して間もないLuby Sparksと初共演した際に演奏したものの、以来音源化されることがなかったという幻の曲をこの日は新たなアレンジで披露。2組の再会記念とも言える、この日ならではの選曲だろう。Teenage Fanclubの「The Concept」のカバーも披露し、Luby Sparksにバトンを渡した。

 Luby Sparksは新曲を中心にステージを展開した。「Intro」に続いて披露した2月23日リリースの新曲「Depression」では、リバービーかつ歪んだギターが激しく響き渡り、共鳴するように激しいボーカルが、そして中盤からは澄んだ歌声が楽曲を牽引するように奏でられる。サイケデリックに染め上げたオープニングに続いたのはキャッチーなギターリフに柔らかくボーカルが乗る新曲。幅広いサウンドでバリエーションを見せた。

 透明感がありつつも輪郭のある低音を奏でるErikaのボーカルは、空間に満ちるドリーミーなギターサウンドの中では浮遊するように幻想的に響き、Natsuki(Ba/Vo) 、Shin(Dr)のリズム隊が迫力を醸す激しいロックチューンではその存在感が彩りを加える。中盤、ハードな楽曲を続けて2曲披露したが、間奏で渦巻くSunaoとTamioのギターサウンドで魅了したのちにErikaのボーカルに主役を譲り展開する流れは鮮やかに互いを引き立て合っていた。

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