M!LK、メジャーデビューで踏み出した新たな一歩 キャリア史上最大規模のパシフィコ横浜公演で見せた決意表明

M!LK、パシフィコ横浜公演で見せた決意表明

 マイクスタンドを使ってロックテイストの「SAY YEAH」をパフォーマンスした後はMCのコーナーへ。このツアーは去年から準備をしてきたことや、塩﨑が演出を手掛け、『NEXT WINNER』というタイトルを曽野が提案したことなどを話しながら、「次の勝者って意味だけど、何に勝つのって話。受験にしても何にしても、結局は自分と向き合うことで、自分との戦い」というところから鏡というモチーフに着目し、衣装を手掛ける山中が「昔からやりたかった」というホログラムの衣装を制作した経緯も明かされた。その後はオープニングからの流れを振り返っていたのだが、早替えが成功したかどうかを言及したり、塩﨑がソロコーナーでばら撒いたお札を自ら片付け始めたり、山中が「助言通り溜めてささやいたのにスベった」と言い出すなど、公開反省会のような展開に。以前はもっとわちゃわちゃしていて収集がつかなくなるような場面も多かったが、それぞれが進行したり、ボケたり、話題を広げたりしながらテンポよく盛り上げていた。

 切ない別れの情景をじっくり歌い上げた「It’s only LOVE」、「last moment」に続き、会場をひとつにした「ハロー!」からエモーショナルに歌い上げる「かすかに、君だった。」まではメドレー形式で披露。プリズムのように多角的な光を放ちながら楽曲の世界観を作り上げてきた5人は、ここで最新曲「HIKARI」を初めて披露した。佐野はこの曲について「僕自身、世の中の生活環境が変わって先が見えなくて不安な時期があった。今回のライブのテーマは自分たちとの戦いでもありますが、少しでも心に火を灯して、自分に打ち克っていこうという力強い曲。就活生や受験生に向けた応援メッセージでもあります」と語り、吉田は「パシフィコでの公演が決まって、セットリストが決まってから作り始めた“テーマ曲”。だけどこれからもいろんな人を応援し続ける曲になっていくんじゃないかなと思う」と言葉を続けた。また本編ラストの「夜明け」に先駆け、吉田は改めてファンへの感謝を伝えつつ「パシフィコはM!LKにとって過去最高のキャパシティ。あくまでここはスタート地点であって、ゴールじゃない。どんどん先に進んでいく僕たちをこれからも応援し続けてほしい。これからも一緒の時間を歩んでいきましょう」と挨拶。ガッチリと肩を組んで歩く5人の後ろ姿が映し出される中、「夜明け」に込められた決意を力強い歌声で響かせながら、本編は幕を閉じた。

 アンコールは、恒例のバラエティ企画から。「音が鳴ったらなりきりましょう」ということで、「白黒Brand New World」を歌いながら、ベルが鳴ったら抽選で決まった役柄になりきるというもの。吉田が赤ちゃん、山中はボディビルダー、曽野はバレリーナ、佐野は酔拳、そして塩﨑がパリコレのスーパーモデル。み!るきーずのジャッジによって敗者となった佐野は、罰ゲームのゴムパッチンで容赦なく吹っ飛ばされていた。体を張ったバラエティコーナーの余韻が残る中、披露されたのはこの季節ならではの「Milky Snow」。客席に向かって笑顔で手を振るメンバーと、ペンライトの光を揺らしながら精一杯のリアクションで応えるみ!るきーず。名残惜しくも迎えた最後の曲について、山中は「僕たち全員で作詞をした大切な曲です。この曲が“完成”するまで、ずっと隣にいてください」と語り、5人は心を込めて「夢路」を披露した。スクリーンに映し出されるメンバー手書きの歌詞を改めて噛みしめながら、山中の言う“完成”の意味を思う。ゴールではなくスタート地点だと言い切ったこのステージから続く、M!LKの未来ーー。この「夢路」はそのすべての瞬間のテーマソングとして、これからもたくさんの景色を彩っていくことになるだろう。

M!LK

 最後の挨拶では、5人それぞれの言葉で今日を迎えられたことへの感謝を伝える。

「今日のためにたくさん準備をしてきました。皆さんにたくさんの思いを伝えられたんじゃないかなと思います」(塩﨑)

「M!LKのこと、もっと好きになりましたかー? 僕らに元気を送ってくれて本当に嬉しかったし、本当に楽しかったです」(佐野)

「僕ら、かっこよかったですか? 可愛かったですか? 最高でしたか? 僕と舜太にとっては初めてのパシフィコでしたが、楽しかったの一言に尽きます! 皆さんのおかげです」(山中)

「今回のタイトルが『NEXT WINNER』ということで、次の勝者になるべくこれからも自分たちと向き合って、さらなる上のステージ、次の輝く未来へ進んで行けたらなと思います!」(曽野)

「言いたいことはめちゃくちゃあるけど、すっごい楽しかったです。みんなにもそう思っていて欲しいし、その元気が明日からの活力になればと思います」(吉田)

 今後は5月3日のZepp Osaka Baysideを皮切りに、『M!LK SPRING TOUR 2022 "CIRCUS"』がスタート。この夜の手応えと興奮を5人がどう反映し、アップデートさせていくのか楽しみだ。

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