湊あくあ、メルヘンな世界で見せた“王道アイドル”の姿 初の有観客ワンマンで交わしたファンとのコミュニケーション

湊あくあ、“王道アイドル”の姿

 ホロライブ所属の人気VTuber・湊あくあのワンマンライブ2022『あくあ色 in わんだ~☆らんど♪』が、2022年1月28日に豊洲PITで開催された。湊あくあにとって初の有観客ソロライブということもあり、多くの注目を集めた公演の模様をリポートする。

 開演前、大きなスプーンとフォーク、きのこのオブジェなどのステージセットがカラフルなライトに照らされ、今回のライブのモチーフにもなっているアリスの世界観に彩られている。モニターにはたくさんの愛に溢れたデジタルフラワースタンドが映し出され、会場全体が静かな期待感に溢れていた。

 前説に続き、モニターに映されたカウントダウンが終わると、昨年の3Dライブと同じステージセットに湊あくあが登場。衣装の靴をくわえた猫を追った先にある扉を抜けると、アリスの世界を模した青空の野外ステージに繋がっている。彼女自身も今回のキービジュアルであるアリス風衣装に身を包んだ姿に変わっていて、まさに不思議の国に迷い込んだ、という演出だ。

 1曲目は「あくたんのこと好きすぎ☆ソング」。ライブでの披露が待たれていた新曲である。手に持った大きなスプーンをバトントワリングのように使ったキュートなダンスで、観客を一気に惹きつける。歌ってみた動画でもお馴染みの「ダダダダ天使」に「ディスコミュ星人」と、彼女らしさを感じさせつつも、しっかりとライブ映えのする勢いのある楽曲が続く。

 MCでは、このステージが“あくあ色ワンダーランド“という世界であることが明かされた。会場を見渡すような仕草を見せながら、「あくあクルーはみんなJKなんだけど、今日だけ男の子JKって人ー?」「女の子JKって人ー?」と次々と呼びかけ、会場と配信の観客はペンライトとコメントで応えるという、ライブらしいコミュニケーションを取る。

 次に披露されたのは、甘い声が程よくマッチした「秘密の扉から会いにきて」。新鮮な選曲に、オーディエンスの熱気もさらに上昇した。

左から 一伊那尓栖、湊あくあ、宝鐘マリン、がうる・ぐら

 続いてステージには宝鐘マリンが登場。一伊那尓栖、がうる・ぐらとお茶会に向かう待ち合わせをしていると語り、「浸食!! 地球全域全おーしゃん」を披露。4人のそれぞれの個性とパワーが炸裂したパフォーマンスとなった。

 アリスの世界の時計の針が大きく進んで空が夕暮れに染まると、またまたお茶会へ向かう途中だという猫又おかゆが登場。二人で「嗚呼、素晴らしきニャン生」を歌唱。猫の手を模した振り付けとミュージカルのようなストーリー性のある演出で、大人っぽさと可愛らしさを共存させた新たな一面を見せる。

 ゲストが続いた後で、少し寂しそうな顔を見せつつ「気分を上げるように、今からサプライズ! 新曲を用意したよ。聴いてください!」と笑顔で紹介したのは「あいわな」。エレクトロポップサウンドに合わせたハイレベルなダンス&ボーカルは、ファンにとって何よりも嬉しいプレゼントとなっただろう。

 さらに人気曲「uni-birth」では、エモーショナルなボーカルでこれまでとはまた違う一面を見せた。オレンジの空を背景に、気球がステージに降りてくる。この気球には花があしらわれたベンチがぶら下がっており、このベンチに腰掛け、上空に浮かび移動しながら「海想列車」へと続く。力強い決意と美しいメロディが合わさった見事なボーカルが客席全体に広がり、バーチャルステージと客席が一体となった感動的な光景であった。

 次に登場したのは大空スバルと桃鈴ねね。3人のユニット・NEGI☆Uによる「つまりはいつもくじけない!」だ。息ピッタリのフォーメーションダンスにユニゾン、掛け合いでチームワークの良さを感じさせる楽しい時間となった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる