『BEST OF A.B.C-Z』レビュー
A.B.C-Z、祝デビュー10周年! ベストアルバム『BEST OF A.B.C-Z』名曲揃いの収録曲からおさえておきたいポイントを紹介
2月1日、A.B.C-Zがデビュー10周年を迎えた。彼らは昨年から10周年に向けた新プロジェクト『Z PROJECT』を行なっており、例えば「NO MUSIC, NO IDOL?」に男性アイドルとして初登場するなど、タワーレコードと通年コラボを実施。さらに、2021年6月から全国ツアー『But FanKey tour A.B.C-Z 2021』を開催、GLAY・TAKUROが楽曲提供した10thシングル『Nothin' but funky』、作曲:奥田民生、作詞:スピードワゴン・小沢一敬が手掛けた11thシングル『夏と君のうた』のリリース、YouTubeにアップされていなかったMVを毎月1日に公開する「History Collection」など、様々なトピックスを発信してきた。
そして10周年当日の2月1日、初のベストアルバム『BEST OF A.B.C-Z』をリリース。同作は初回限定盤A(-Music Collection-)、初回限定盤B(-Variety Collection-)、初回限定盤C(-@Loppi・HMV限定版~HIBANA EDITION-)、通常盤Zがあり、収録内容は少しずつ違っているが、いずれも見逃せない内容だ。そこで、本稿ではDISC1、DISC2、DISC3、映像作品それぞれの聴きどころ、チェックしたいポイントをご紹介したい。また、言わずもがなファンの方は全曲必聴、必見だが、独断と偏見で選んだ“最近A.B.C-Zが気になり始めた方”、“久々にA.B.C-Zが気になっている方”へのオススメ作品も併せて紹介する。
DISC1
収録されているのは、DVDシングルとしてリリースされている「Za ABC~5stars~」から「花言葉」、ジャニーズJr.時代からの人気曲「Vanilla」、メンバーの戸塚祥太がダブル主演を務めたドラマ『凛子さんはシてみたい』(TBS系)のオープニング主題歌「火花アディクション」、ジャニー喜多川氏を想ってKinKi Kids・堂本剛が制作し、『ABC座 ジャニーズ伝説2019』で披露された「You...」。A.B.C-Zのデビューからの約4年間と、彼らにとってターニングポイントとなりそうな楽曲が詰まってるディスクと言えそうだ。
A.B.C-Zのデビューはジャニーズ初となるDVDだった。時折バラエティ番組などで「グラビアアイドルみたいなデビュー」とネタにしているが、実は自分たちからジャニー喜多川氏に提案してのリリース。パフォーマンスに定評があるA.B.C-Zならではのデビュー形態と言えよう。そして、当時から自分たちの魅力を客観視できていた証拠でもある。パフォーマンスとともに世に送り出された8曲は、もちろん耳で聴いただけでも楽しめる。
そして「Vanilla」は10年以上大切にされてきた楽曲。コンサートなどでも度々披露されているが、毎回盛り上がりがすごい。今回はボーカルが再録されたバージョンが収録されているが、1stアルバム『from ABC to Z』にはオリジナルが収録されているので聴き比べてみるのも面白そうだ。そして、「火花アディクション」は同アルバムでの新曲。『凛子さんはシてみたい』で戸塚の色っぽい役が話題になっていたが、ドラマ内容を彷彿させるような色気ある切ない歌詞とメロディが印象的だ。振り付けを担当したのは、メンバーの五関晃一。戸塚がシンメである河合郁人へ床ドンする、通称「とつドン」は必見である。「You...」は歌詞と、A.B.C-Zの歌を味わえるシンプルなバラード。ジャニー喜多川氏への想いだけでなく、ジャニーズの未来を慮った想いも込められており、じっくり歌詞を堪能したい。
ここまでは全形態共通だが、「Begin again」のみ通常盤Z限定トラックで、作詞:松井五郎、作曲:清塚信也、編曲:船山基紀というビッグネームが手掛けている楽曲である。こちらも併せてチェックしておきたい。
<最近A.B.C-Zが気になり始めた方へのオススメ>
★「Za ABC~ 5stars~」
コンサートなどでは必ずと言っていいほど披露されるデビュー曲。履修は必須!
★「Vanilla」
大切にされている曲であるということはもちろん、A.B.C-Zらしさが詰まっている1曲。
<久々にA.B.C-Zが気になっているへのオススメ>
★「Vanilla」
A.B.C-Zにハマっていたあの頃の記憶が蘇りつつ、新しい発見ができるかも?
★「火花アディクション」
とても良い“ふみとつ(河合&戸塚)”が見られる上に、大人になった色っぽいA.B.C-Zが味わえる。
DISC2
DISC2も全形態共通で、CDリリース第1弾の「Moonlight walker」から最新シングル「夏と君のうた」までが収録されている。時期にすると2015年以降なのだが、このあたりから彼らはA.B.C-Zらしさを残しつつも、楽曲テイストの幅を広げてきた印象だ。
「Moonlight walker」は、作詞:松井五郎、作曲:馬飼野康二、編曲:船山基紀という数々のジャニーズ名曲群を手掛けてきた3名が集結。80'sのディスコサウンドをサンプリングしたような楽曲で、これまでの楽曲よりも大人っぽさが感じられる1曲だ。かと思えば「Take a "5" Train」や「終電を超えて~Christmas Night」、「JOYしたいキモチ」、「Nothin' but funky」のような爽やかで元気な、A.B.C-Zらしさ全開の楽曲もある。
その他にも、ワチャワチャ楽しい「忘年会!BOU!NEN!KAI!」、クールでかっこいい「Reboot!!!」、舞台でのパフォーマンスが映えそうな「DAN DAN Dance!!」や「チートタイム」、オシャレでセクシーな「Black Sugar」、“A.B.C-Zはバンドサウンドもイケる”と証明した「頑張れ、友よ!」(作詞:江頭2:50、編曲:亀田誠治)や「夏と君のうた」など、ジャンルは様々。バラエティ豊かな楽曲を歌いこなせる彼らのスキルを味わいたいディスクだ。
<最近A.B.C-Zが気になり始めた方へのオススメ>
★「Take a "5" Train」
元気で爽やかなナンバー。A.B.C-Zらしさを感じたい方へオススメ。
★「Reboot!!!」
ノリの良いダンスチューン。MVで見られるアクロバットパフォーマンスも要チェック。
<久々にA.B.C-Zが気になっている方へのオススメ>
★「Black Sugar」
堂島孝平が楽曲提供している、セクシーでゴージャスな1曲。やや挑発的な印象を受ける曲調はジャニーズJr.時代を彷彿させる……かもしれない。
★「忘年会!BOU!NEN!KAI!」
デビュー当時にやっていたコントのノリに通じるものがある。だが、サビはきちんと盛り上がれる楽曲。