寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生ソロ作品の魅力を再発見 シャッフルカバー盤で堪能する4人の個性と絆

寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生ソロ作の魅力

 マネジメント&レーベルの<ミュージックレイン>から、“ミュージックレインCDコレクション”の第2弾として、ソロアーティストとして活動し、スフィアのメンバーでもある寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生が、それぞれのソロ活動で発表して来た楽曲をカバーし合ったアルバム『シャッフル -Precious 4 Stars-』をリリース。お互いにカバー曲を提案する形で選曲され、意外性溢れるカバーから、ぜひ聴いてみたかったカバー、メンバー自身が熱望していたカバーなど、多彩な全12曲が収録。4人のボーカリストとしてのクオリティの高さと、楽曲の魅力を再発見できる作品になった。

思い出の曲がボーカリストを変えて復活

寿 美菜子
高垣彩陽
戸松遥
豊崎愛生
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寿 美菜子
高垣彩陽
戸松遥
豊崎愛生
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 “ミュージックレインCDコレクション”は、“ミュージックレインの音楽”の新たな楽しみ方を提案する企画。昨年11月に第1弾として『ミュージックレイン・オールスターMIX “バイブル” mixed by DJ和』がリリースされた。同作は「よくわかるミュージックレイン」をコンセプトに、スフィアやTrySail、CHiCO with HoneyWorks、halcaといったミュージックレイン所属アーティストの楽曲を38曲収録。ミュージックレインの歴史を楽曲で振り返るような、メモリアルな1作になった。

 今回リリースされる『シャッフル -Precious 4 Stars-』は、寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生による作品で、タイトルの通り“シャッフル”がテーマ。ミュージックレインが主催するライブイベント『ミュージックレインボー』でも評判だった、お互いのソロ曲をカバーし合う企画から今回は1枚のCDにしてしまおうというもの。カバー曲は、メンバーそれぞれが誰にどの曲を歌って欲しいか、ライブイベントではカバーしていない楽曲をリクエストする形で決められた。

 アルバムのトップバッターには、高垣彩陽が歌う「ディライト」(オリジナル:豊崎愛生)が収録された。新しい日々への不安と期待が歌われた楽曲で、オリジナルにあった優しさに凜とした力強さが加わり、前に進もうとする“決心”が、より強固なものになったように感じる。緻密なコーラスやハモリも聴き所の一つで、コーラスは豊崎の声がそのまま使われ、高垣と豊崎の声の相性の良さも注目ポイントだ。

 高垣は、「産巣日の時」(オリジナル:戸松遥)と「save my world」(オリジナル:寿美菜子)もカバー。「産巣日の時」は戸松が、なぎ役で主演したアニメ『かんなぎ』のEDテーマで、祝詞のような歌詞と神聖な雰囲気が独特。高垣はリリースされた時から同曲に憧れていたそうで、音大で声楽を学んだ高垣だからこそのボーカルによって、より神々しさを増したカバーになった。また「save my world」は、寿がイギリス留学する前年にリリースされた楽曲。今回カバーするにあたって、イギリスにいる寿がリモートで高垣にディレクションを行ったそうで、寿特有の真っ直ぐさを背に受けながら、自身を奮い立たせるように歌った熱いボーカルは必聴だ。

 そんな寿美菜子は、3曲ともイギリスでレコーディングしたとのこと。ラジオの特番では、映画『さらば青春の光』でも有名なセブン・シスターズという岩崖を登りながら「Futurism」(オリジナル:高垣彩陽)を聴いたというエピソードを語っており、パワフルさと繊細さが要求される同曲を、大自然の力強さと壮大さを糧にした歌声で聴かせていて聴き応えがある。

 ファンから“寿ロック”と呼ばれる熱いロックナンバーやダンスナンバーを得意とする寿が、歌ってピッタリだと感じるのは、「ラブ♡ローラーコースター」(オリジナル:戸松遥)だ。同曲は寿が振り付けを考えた、2人にとっての思い出の曲。戸松の疾走感を引き継ぎながら、楽しさと明るさがプラスされた。「ハニーアンドループス」(オリジナル:豊崎愛生)は、『プリプリちぃちゃん!!』エンディングテーマで、ユーモア溢れる歌詞や可愛らしいニュアンスを寿らしい明るさと元気さで表現。楽しそうに歌い踊る姿が、目の前に思い浮かぶようなものになった。

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