スフィアの快進撃はまだまだ続く 結成10周年イヤーの活動から伝わる4人の変わらぬ魅力と成長

スフィアの快進撃はまだまだ続く

 現在、結成10周年記念ツアー『LAWSON presents Sphere 10th anniversary Live tour 2019 "A10tion!"』を開催中の声優ユニット・スフィア。このツアーは、10thアニバーサリーアルバム『10s(テンス)』と最新シングル『best friends』の収録曲を中心に構成され、10年という時の流れ、年月を経てさらに強固になった関係、そして今後への期待が高まる新しさを感じさせる。10周年記念イヤーに相応しい盛りだくさんの内容で、充電期間を待った甲斐があったと、スフィアの進化を目の当たりにするだろう。

変わらぬ4人の魅力が満載

 スフィアは、それぞれ声優として活躍する寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生の4人によって2009年に結成。同年シングル『Future Stream』でCDデビューし、翌年には日本武道館で単独ライブを開催するなど、その後の声優ユニットのブームを牽引した。2017年にはスフィアとしての音楽活動の充電期間に入ることを発表。以降もそれぞれ声優としての活動やソロの音楽活動を続け、ファンは充電明けを心待ちにしていた。そして今年2月、舞浜アンフィシアターで行われた『LAWSON presents Sphere 10th anniversary Live 20192 “Ignition”』で、約1年3カ月ぶりに音楽活動を再開した

 10thアニバーサリーアルバム『10s』は、充電明け最初のリリース作品で、2017年11月8日にリリースしたシングル『Heart to Heart』以来のリリースとなる。アルバムとしては2017年2月1日にリリースした『ISM』以来、約2年3カ月ぶりの作品だ。

 アルバムのオープニングを飾る「Music Power→!!!!」は、美しい4人のハーモニーで始まり、それぞれのソロパートで歌い繋いでいく楽曲。メンバー4人が作詞に参加した楽曲で、さらに先に進むための充電期間だったこと、夢を決して諦めたわけではないこと、ここからまた新たなステージに向けて走り続けるんだという強い意志が歌詞に込められている。〈4人じゃなきゃダメなんだ〉や〈Next stageさぁ一緒に〉というフレーズが胸に響き、安堵と感動の涙を流したファンも多いのではないだろうか。爽やかさの中で切なさを胸に抱いているといった雰囲気で、新たな出発に相応しい楽曲。開催中のツアーでも重要な位置を占め、客席から大歓声と大きな拍手が沸き起こっていた。

 4人の変わらぬ関係性や、個性が発揮された楽曲が収録されていることも、このアルバムの魅力になっている。例えばア・カペラで始まる「When You Feel Love?」は、ジャズ調のサウンドに乗せて、4人の声が1つに溶け合うコーラスワークが聴きどころだ。10年という長い時間を共に過ごしてきたからこそのチームワークで、ライブでも息の合ったパフォーマンスと抜群のハーモニーを聴かせて会場を沸かせた。

 また4人それぞれのイメージカラーや音楽的特色が盛り込まれた楽曲もある。「CITRUS*FLAG」は、〈いくよ〜〉というかけ声も収録され、かけ合いのパートやかけ声も満載のライブチューン。オレンジがイメージカラーで、アップテンポの元気なナンバーを得意とする戸松遥らしさが溢れている。クールなロックチューンの「My Sweet Words」は、歌詞に〈紫の滲んでる文字〉と出てくる通り、パープルがイメージカラーの寿美菜子の個性が発揮された。歌詞に〈緑の小さな芽〉と出てくる「SPOTLIGHT」は、グリーンがイメージカラーの豊崎愛生のイメージ。カントリー調のほんわかとした曲調は、豊崎の声質にも合っていて実に彼女らしい。そして「パルタージュ」は、歌詞に〈ロゼの調べ〉と出てくる。ピンクがイメージカラーの高垣彩陽は、声楽を学んでいた経験を持つことから、クラシカルなサウンドに乗せて持ち前の美声を聴かせている。

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