「スローモーション」インタビュー
にしなは なぜ“正しさ”から逸脱するのか 歪なラブソングから滲むアーティストとしての本質
背伸びをするよりもありのままを見てもらう
ーーあと、印象的なのがこの曲のMVで。UMMMI.さんがディレクションしていますけど、数いる映像クリエイターの中でも、にしなとこれほどシンクロする人もいないだろうなという感じがしたんですが。
にしな:最初に打ち合わせをさせていただいたときに、自分の中での曲のイメージをいろいろ話して。その上で、面白みのある映像になるのが、この曲においては一番いいのかもしれないですとお伝えしました。その中で「スローモーション」っていうタイトルだからこそスピード感を操れたら面白みがあるかもしれない、みたいなアイデアを踏まえてUMMMI.さんがいろいろ提案してくださって。コンセプト、衣装を含めて面白いものができたと思います。自分がこういうものにしたいっていう願望が叶って嬉しいなと。
ーーにしなさんのMVって本当に曲ごとに全然カラーが違ってすごく面白いんですよね。それはにしなさんの中に明確なイメージがあって、それが形になっていくんですか。
にしな:そうですね。それぞれ質感や色味みたいなところに対するこだわりがありますね。物語がどうっていうよりも。
ーーにしなさんご自身でディレクションされた「debbie」のビデオもすごくよかったです。
にしな:ありがとうございます。でも、映像を作る人ってすごいなって改めて思ったし、音楽にも通ずると思うんですけど、何が正解っていうのがないからこそ難しい。普段だったらある程度距離があるところで制作が進んでいくから、客観的に何かを言えるけど、常に近い距離感でやってると、完成したときにいいものができたとかそういう感情は生まれなくて。ただ大切な我が子みたいな感情ではありました。いいものができたかどうかはわかんないけど、愛しい子みたいな感覚です。
ーーそれは曲を作るのに似ているんですか?
にしな:うん、似ている気がします。
ーーにしなさんはMVをすごく大事にしてきているアーティストの1人だと思うんですけど、映像で楽曲を表現するということに対してはどういうことを意識しているんですか?
にしな:曲それぞれではあるんですけど、言葉ではない部分で曲を表せる、映像が作品の要素の一つになってくれるというのはありますね。「夜になって」だったら、あの曲は女性同士の関係を書いたけど、本質的にはそこを描きたかったわけではない。もっといろんなものを含めていたし、それを映像で表現できたらいいなと思って作っていたんです。そういう、言葉では言い表せない曲にこもっている感情を、映像にすることで視覚化できたらなって思いながら作っています。
ーー確かに楽曲の説明にはなっていないですよね。あらすじを追うみたいなものはひとつもない。一見無関係みたいに見えるんだけれども、実はどこか繋がっていたりする。
にしな:そうですね。そこは大切にしているところかなと思います。
ーーわかりました。最後に、これが今年初めてのリリースということになりますが、2022年、にしなさんはどういう年にしたいですか?
にしな:2021年は配信が始まって、初めてのアルバムを出して、ワンマンライブをして、フェスに出て。すごく悩んだ時間や苦しんだ時間も長くて、手探りではあったんですけど、振り返ると楽しかったなって思うんです。初めてのことってこれから先ももちろんたくさんありますけど、一生で一度しかないことなので、大切な1年間だったなと思います。
ーー何が一番大変でした?
にしな:なんか、精神との戦いみたいな(笑)。やっぱり環境の変化もありましたし。それまでも音楽活動はしていたんですけど、同年代の子はまだ学生で、私も言い訳ができる環境で。でも、そこから踏み出して、社会人というか大人として、初めての環境で「歌を仕事にしていくんだ」っていう意識下でいろんなことに取り組んで、初めましての人にたくさん会って。いろんなことが初めてで、このままで大丈夫かなっていう気持ちとか、「あれ、にしなってどういうものを作ったらよかったんだっけ」みたいな迷いとか、いろんなことに対して悩んで。そういう、自分の中での精神の戦いみたいなものがいっぱい繰り広げられた1年でしたね。
ーーなるほど。その戦いはもしかしたら一生続くのかもしれないんですけど、何かしらの光明なり手がかりなりは見つかりましたか?にしな:うーん、それこそメジャーデビューしたときは、自分自身のキャラクターや作品、ビジュアルは、完成されたものを届けようと思っていたんです。でも途中で心が折れたんですよね。それですごく気分が落ちちゃって。その中で、何かがどう変わっていくかもわからないし、今は正解もわからないから、背伸びをするよりもありのままを見てもらおうみたいな気持ちになって。そこから少し楽になりました。去年の後半くらいからはそういう気持ちになった気がします。
ーー確かに、最初出てきたときのにしなさんって、もっとハイコンセプトな感じもありましたもんね。今は違う感じがします。
にしな:そうですね。もう別に、寝起きのジャージ姿も世に晒せる気持ちでやっていいのかなって(笑)。まあ、開き直ったということなのかもしれないですけど、今はそういうテンションです。
ーーそんな中、2022年に突入して。今年の抱負は?
にしな:一つは、まだ行けていないところがたくさんあるので、いろんな会場でライブをしたい。あとは小さなものばかりですね。いろんな形の帽子をたくさん集めたいんです。あとは貯金したい(笑)。
ーー急に現実的な(笑)。音楽ではどうですか?
にしな:音楽も細々と「これをやってみたい」みたいなものが多くて。たとえばピアノで曲を作るとか、自分が歌うことを考えないで曲を書きたいとか。あとは自分で打ち込みで曲を完成させたいとか。あと、昔からずっとゴリゴリのラッパーの方と一緒に何かやってみたいと思っていて。それと、今年のラッキーカラーは黄色らしいのでーー。
ーーラッキーカラー? それは占い師に言われたんですか。
にしな:そうです。占い師の言うことはなんでも信じちゃうので(笑)。
■リリース情報
デジタルシングル「スローモーション」
発売日:2022年1月26日(水)
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