Fickle Friendsが語る、2ndアルバムに込めた80~90年代のきらめき コロナ禍での複雑な心境も

Fickle Friendsが語るコロナ禍での制作

直接日本に行ってFickle Friends熱を盛り上げたい!


ーー先ほどマイケル・ジャクソンの名前が出ましたが、具体的に80年代のアーティストで影響を受けたアーティストはいますか?

ナッティ:80年代っていうかほぼ90年代だけど、今回のアルバムを作ってるときに聴いてたのはシェリル・クロウ、Jimmy Eat World、アヴリル・ラヴィーンとか……それとプリンスもよく聴いてたな。あと、なんでかわからないけどカントリーをめちゃくちゃ聴いてて、シャナイア・トゥエインとか。あとはグランジ。80〜90年代を中心に色々影響を受けてるよ。

ーー「Pretty Great」のMVではパーティでスマホを眺め続ける人々の姿も描かれていて。そこには80年代感だけではなくて、リアルタイムではないリバイバルとしての面白さもあるんじゃないかと感じています。

ナッティ:過去の要素を取り入れているとしても、今の時代にバンドをやってるわけだし。今のこの時代について書きたい、この時代を生きている人に共感してもらいたいから。あのビデオの中にあるようにスマートフォンの電源を切った瞬間に誰かと恋に落ちるみたいな素敵なストーリーが、今自分たちが住んでいるこの世界で巻き起こるかもしれないってドキドキしてもらいたいからね。

Fickle Friends - Pretty Great

ーー音楽面におけるアティテュードの部分で、共感している同世代のアーティストやミュージシャンはいますか?

ナッティ:それで言うと、自分たちがバンドを始めるきっかけを作ってくれたバンドやアーティストにはめちゃくちゃ共感してる。メンバー全員Phoenixとか、Justiceとか、Daft Punkとかフレンチ系のバンドが好きで仲良くなったのが最初のきっかけなんだよね。あとMutemathとかも。15、16歳ぐらいのときはTwo Door Cinema Clubとか、Friendly Firesの1stアルバムが出たくらいのタイミングだったかな。インディなんだけど、それまでとはちょっと違う感じのバンドが好きだったんだよね。今言った人たちって、みんなポップな感覚に優れていながらもメインストリームからは少しズレていて、聴いたことがある気もするけど新鮮に感じる。Friendly Firesとか最初に聴いたとき本当に衝撃だった。サンバのビートやワールドミュージック的な要素に80年代的な感覚もありつつ、めちゃくちゃモダンで新鮮……そういった感覚がすごく好きなんだ。

ーー「Alone」では〈Everybody everyone / Ain’t nobody going home / Cos I don’t wanna be alone(みんな家に帰ったらダメだよ、1人になりたくないんだよ〉と逆説的に人と集まることへの渇望やパーティの魅力が描かれています。パーティやライブ、あるいはフェスティバルはどのようなものだと感じていますか?

ナッティ:みんなそうだと思うけど、自分たちも普通に楽しいことが好きだから(笑)。でもライブとかフェスはバンドをやっていて本当によかったと思うことの一つで、だからコロナでステージに立てないのが余計に辛かった。ステージに立つのもだけど、他のアーティストのステージを観るのも大好きだしさ。フェスは本当に特別な空間だよね。何も考えないでただ純粋に楽しめばいいみたいな雰囲気で。パーティなんかもそうだけど、仲間と一緒に集まって楽しんでるときって人生の中で一番幸せを感じる瞬間の一つだもんね。

Fickle Friends - Alone (Official Video)

ーーそうした幸せを感じられる瞬間が一日でも早く戻ってきて欲しいですよね。ちなみに、2021年に聴いて良かったアルバムがあればいくつか挙げていただきたいのですが。

ナッティ:難しいな……とりあえず外せないのはリトル・シムズのアルバム。マジでぶっ飛んだ。あとはローラ・マヴーラの最新作とか。あれは80年代にタイムスリップしてマイケル本人と一緒に作ったんじゃないかって感じたくらい、まんま80年代なところが最高! あと、ジャスティン・ビーバーのアルバムはアリ(笑)? もう完璧すぎるくらい完璧だったし。それとWolf Aliceのアルバムも凄かった。あとフレッド・アゲインのアルバムも完全に頭一つ抜きん出てるっていうか。美しくてクレバーで、他のアーティストの曲をサンプリングして使ってるけど、本当にその人の音楽をよく聴いている人なんだなって感じた。ダーモット・ケネディがインスタのストーリーでアカペラで歌っているのを観て、そこから1曲を作り出しちゃうとか魔法みたいで本当に真の天才だと思う。

ーー音楽以外に何かハマっているものはありますか?

ナッティ:今みたいな状況なんで、また映画にハマっていて。ハロウィン前ぐらいからバンド内で映画鑑賞会をやってるんだけど、みんなでホラー映画をよく観てるよ。それこそ『ヘレディタリー/継承』とか、先週は『ダイ・ハード』も観た。あとヨガも結構熱心にやってる。それと、最近イラストを描くのにもハマっていて。2020年の3月ぐらいかな、実はコロナに一度感染したんだよね……ベッドから出られないし、何もすることがないから適当に絵を描いてインスタにあげていたら、みんながお題をくれて。それからリクエストをくれた人の似顔絵とか、その人の飼ってる犬や猫を描いているうちにどんどん上手くなっていって、今では副業バイトのイラストレーターみたいな感じ(笑)。

ーー先行きが不透明な状況ではありますが、いつか来日公演が見られることを願ってます。

ナッティ:本当にそう! どれだけ長く待たなくちゃならないんだって感じだし。そのために自分たちにできることがあるなら何だってしたいし、直接日本に行ってFickle Friends熱を盛り上げていきたいよ!

『Are We Gonna Be Alright?』

■リリース情報
Fickle Friends
『Are We Gonna Be Alright?』
2022年1月14日(金)発売
品番:OTCD-6792[CD]
定価:¥2,500+税
その他:世界同時発売、付帯物等未定、日本盤ボーナス・トラック収録予定
発売元:ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ

<収録曲>
1. Love You To Death
2. Not Okay
3. Write Me A Song
4. Alone
5. Glow
6. Pretty Great
7. Load On Your Mind
8. Yeah Yeah Yeah
9. IRL
10. Listen
11. Won’t Hurt Myself
12. Are We Gonna Be Alright?
13. Amateurs*
14. Eats Me Up*
15. What a Time*
16. 92*
17. Million*
18. Finish Line*
19. Not In The Mood*
20. Turns Me Bad ft. Nightly*
21. Cosmic Coming Of Age*
*日本盤ボーナス・トラック

ジャパン・オフィシャル・サイト

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