関ジャニ∞、ジャニーズWEST、なにわ男子……勢い加速する関西ジャニーズ人気の秘密を考察

 大好評のうちに配信期間を終えた『Johnny's Festival ~Thank you 2021 Hello 2022~』。その中で大きな注目を集めたのがメッセージ性を感じた関ジャニ∞、ジャニーズWEST、なにわ男子のコラボコーナーだ。先輩である関ジャニ∞のバンド演奏で後輩であるジャニーズWESTが歌唱するという異例の演出も話題を呼んだ。デビュー組から、今後の活躍が期待される関西ジャニーズJr.のユニットまで、関西勢の人気の秘密を考察してみたい。

悔しさをバネに諦めることなく掴み取ったデビュー

 「焼け野原」。2014年にジャニーズWESTが『ええじゃないか』でCDデビューした後の関西ジャニーズJr.に向け、一部が発した表現である。この言葉は後に本人たちの知るところとなったが、それが大きな変革をもたらすことになったのだ。

 文字通り関西出身のメンバーが集められ活動する関西ジャニーズの先駆けとなったのは1997年にCDデビューしたKinKi Kidsである。その後輩として2002年に“関ジャニ8“が結成され、2004年に“関ジャニ∞”としてデビューを飾った。大阪の松竹座をホームグラウンドとしてライブや舞台を行っていく中で、東京Jr.と同じく先輩のバックを務める後輩たちも共に成長してきた。関ジャニ∞がブレイクし、東京へ活動の拠点を移した後に関西ジャニーズJr.をまとめてきたのは俳優として活躍中の浜中文一、室龍太や、現在のジャニーズWESTのメンバーたちである。この時代はジャニーズファンの中で“関ジュ”という言葉も定着し、関西のジャニーズをメインに応援するファンも急増していった。

 松竹座で行われる春・夏公演のほか、年末年始など関西ジャニーズJr.のライブや公演では歌やダンス、バンドなどに加え、コントや一発芸披露などお笑い要素が含まれているのが特徴だ。客席に座る笑いに厳しい関西のファンにも鍛えられ、お笑いやトークのスキルを高め成長してきた。彼らにはJr.時代から関西ローカルのバラエティ番組に出演できるチャンスもあるが、共演するのは関西芸能界の大御所やベテランのお笑い芸人たち。ここでもバラエティの基礎や立ち居振る舞いなど、時には厳しい洗礼も受けながら即戦力を身につけるのが関西ジャニーズの面々が構築してきたスタイルだ。

 当時全国放送に登場できる数少ないチャンスが『ザ少年倶楽部』(NHK総合・BSプレミアム)の大阪収録『ザ少年倶楽部in大阪』。年に数回の放送で何とか全国に爪痕を残すべく懸命にパフォーマンスする彼らの姿を懐かしく思い出す。

 関ジャニ∞のデビューから約10年、関西ジャニーズを牽引してきたジャニーズWESTがデビューした直後の関西ジャニーズを評した言葉が冒頭の「焼け野原」である。当時関西をまとめていたのが西畑大吾(なにわ男子)と向井康二(Snow Man)の2人だ。悔しさを糧として2人を中心に、再び新世代の関西ジャニーズたちは歩み出すことになる。

 そして2018年のなにわ男子の結成、2019年には向井がSnow Manに加入、同年にLil かんさい、Aぇ! groupと次々とユニットが結成され、2020年にBoys be、2021年はAmBitiousとユニット結成ラッシュを迎えた。デビューを果たしたなにわ男子以降、プロデューサーとして大倉忠義(関ジャニ∞)が参加しているほか、同じく安田章大(関ジャニ∞)、神山智洋(ジャニーズWEST)らが楽曲提供するなど、関西の先輩たちも様々な形でバックアップしている。

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