ONE OK ROCK、Awich、Paledusk、CHICO CARLITOからなるYAO「777」 4組の個性がぶつかり合いジャンルの境界を越えた一曲
Viral Hits Focus
話題のバイラルヒット曲を毎週収録するSpotifyによる日本向けエディトリアルプレイリスト「Viral Hits Japan」(※1)。同プレイリストより、本記事ではYAOの「777」をピックアップする。
7月7日、Awich、CHICO CARLITO、ONE OK ROCK、Paleduskという4組が、新プロジェクト「YAO」としてシングル「777」をリリースした。ジャパニーズヒップホップクイーンのAwich、数々のMCバトルを制してきた沖縄出身のCHICO CARLITO、ワールドツアーでドームクラスの会場を沸かせるロックバンド・ONE OK ROCK、そして2025年にメジャーデビューし人気アニメ主題歌も手掛けた福岡発のバンド・Paledusk。ジャンルもキャリアも異なる面々が集ったYAOは、単なるコラボではなく、一つの“事件”と言っていい。
「YAO」という名前は、山や海、道端の石など世のなかに存在するすべてのものに神が宿るとする日本古来の思想「八百万(やおよろず)の神々」に由来する。異なる価値観や存在を受け入れ共存する世界観を、4組の共存に重ね合わせたネーミングだ。デビュー曲「777」というタイトルには、リリース日(7月7日)に重ねた遊び心だけでなく、歌詞からわかるようにカジノのラッキーセブンやジャックポットといったイメージが軸に据えられている。楽曲は、Taka(ONE OK ROCK)の伸びやかなボーカル、CHICO CARLITOのたたみかけるフロウ、KAITO(Paledusk)のシャウト、そしてAwichのソウルフルな歌声が次々と折り重なるように展開し、成功が保証されずとも挑み続ける覚悟を歌い上げる。プロデュースを手掛けたのは、Paleduskのギタリスト・DAIDAI。ラウドなギターリフとビートを軸にしつつ、四者それぞれの声質が一つのフックに向かっていく構成が巧みだ。ラップパートとロックのコーラスワークが違和感なく地続きになっているのが、本作最大の聴きどころだろう。主役と引き立て役という上下関係は一切なく、四者の個性がフラットに並走する構成そのものが、YAOの本質を体現している。
ヒップホップとロックの邂逅自体は、音楽史において幾度となく起きてきた。Run-D.M.C.とAerosmithによる「Walk This Way」(1986年)、JAY-ZとLinkin Parkの「Collision Course」(2004年)などがその代表格だ。今回も間違いなく歴史的なコラボであることに加え、YAOは継続的なプロジェクトとして設計されている点も興味深い。一過性のコラボで終わらせず、ジャンルを越えた関係性そのものを育てていく。そんな強い志向が、この「777」という一曲だけでも十分に伝わってくる。
「777」が示すのは、偶然の重なりによってもたらされた奇跡だろうか。それとも、この4組が集まった時点で勝つことが約束されていた必然のジャックポットだろうか。その答えは、おそらく後者だ。日本の音楽シーンは、メジャーとインディーズ、ロックとヒップホップ、国内向けと海外向けといった、いくつもの目に見えない境界線が存在していた。しかし、YAOはそうした境界線を、圧倒的な音圧と言葉の力で飛び越えてみせた。YAOがこの先どのような展開を見せ、どんな化学反応を生み出していくのか。引き続き注目していきたい。
※1:https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DWZZbpkxU5t9L


























