Number_iが磨き上げた“ふたつの武器”とは? 「BUGS LIFE」にも表れる対極の要素を融合させる凄み

Number_iが7月13日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)に出演し、新曲「BUGS LIFE」を初パフォーマンスした。レーザーやアスキーアートなど、楽曲タイトルにもある“bug”(バグ)をモチーフにしたデジタルな世界観が印象的なステージだったが、特に目を引いたのは、ダンスの随所に散りばめられた遊び心だ。
クールなパフォーマンスのなかにさりげなくユーモアを忍ばせる――それこそ、Number_iならではの表現と言えるだろう。
まずは、イントロの部分。横向きで並んでいた3人が正面を向く場面では、神宮寺勇太だけが後ろを向き、すかさず平野紫耀が前を向かせるような動きを見せる。次のシーンでは岸優太が、さらに続いては平野がそれぞれ自分以外のふたりとは異なる腕の動きを見せるなど、思わず「あれ?」と視線を引きつける違和感を巧みに演出。「何が始まるんだろう」と観る者の期待を存分に膨らませたところで、歌唱がスタートする。
間奏でも“bug”=“虫”にかけて、岸が飛んでくる虫を捕まえるようなユニークな動きを披露。一方、その直後には3人がキレのあるダンスを繰り広げ、一気に空気を引き締める。この緩急こそ、「BUGS LIFE」のパフォーマンスの大きな魅力だと感じた。コミカルな要素を取り入れつつも、決して作品全体をポップに寄せ過ぎない。むしろ少しの抜け感があるからこそ、アグレッシブなダンスパートもより際立つのである。
こうしたNumber_iのかっこいいだけでは終わらせない姿勢は、「BUGS LIFE」に限った話ではないだろう。たとえば、和の要素とHIPHOPを融合した楽曲「BON」でも、間奏部分で神宮寺が花火を打ち上げるような振り付けが見られたほか、MVは人形劇や紙芝居といった奇想天外な演出が次々と飛び出すものだった。デビュー曲の「GOAT」のMVも、3人のクールなラップやダンスが放たれるなかで、楽曲タイトルにちなんだ“goat”=“ヤギ”の絵画がさりげなく壁に飾られているなど、二度見したくなるような仕掛けが隠されていた。
ライブの構成も同様だ。迫力あるパフォーマンスで観客を魅了する一方、幕間映像ではMVや楽曲にちなんだ小ネタやコミカルな掛け合いを盛り込み、会場を笑わせる場面も少なくない。4月、5月に行われたTOBEアーティストによる合同コンサート『to HEROes 〜TOBE 3rd Super Live〜』でも、「3XL」のMVで登場した自転車に乗ってステージに現れ、そのまま「3XL」に突入するかと思いきや、撃たれる演出を経て「2OMBIE」から始まるという、短い時間のなかでもストーリー性のあるライブを展開していた。カリスマ性を誇るステージを繰り広げ、時折ふっと気持ちを緩められるような瞬間も取り入れる。そのギャップもまた、Number_iのライブの醍醐味だ。
普通なら、スタイリッシュな世界観を突き詰めるほど、ユーモアは削ぎ落したくなるものかもしれない。しかし、Number_iは作品の芯を決してぶらさず、洗練されたパフォーマンスのなかに思わず笑ってしまうような仕掛けを忍ばせる。そのバランスが非常に上手いのだ。そして、それが彼らならではの独創的な作品を生み出しているように思う。
クールさとユーモアという、一見すると対極の要素を自然に融合させる凄み。その絶妙なバランスが保たれているからこそ、Number_iのMVやパフォーマンスは一度観ただけでは終わらず、「あの場面はどういう意味だったのだろう」「ほかにも見落としている仕掛けがあるのではないか」と、何度でも触れたくなるのだ。今、もう一度「BUGS LIFE」のパフォーマンスを観返したら、またひとつ新たな発見があるかもしれない。


























