乃木坂46 新成人 久保史緒里、遠藤さくら、賀喜遥香……グループの未来を作る「新・華の2001年組」への期待

 さらに、久保に続きよく名前が上がっていたのが、昨年シングルセンターを務めた遠藤と賀喜の2人だ。白石麻衣卒業後の26thシングル曲「僕は僕を好きになる」センターである山下、それに次ぐのが27thシングル曲「ごめんねFingers crossed」で2度目のセンターとなる遠藤だった。2019年に初センターに抜擢された『夜明けまで強がらなくてもいい』の頃と比べて、彼女が大きく変わったのは表情だ。『乃木坂工事中』(テレビ東京系)の企画「シングルヒット祈願」で涙ながらに飛んだバンジージャンプ、「THE FIRST TAKE」にて緊張の中、一人で堂々と歌いきった「きっかけ」は、遠藤の成長を辿るターニングポイントであるが、筆者が最もその変化を感じたのは『真夏の全国ツアー2021』でありのままの自分の思いを吐露する彼女の姿からだった。遠藤は今も自信のなさを口にする。引っ込み思案なところも変わっていない。ただ、これからの乃木坂46の力になりたいという思いは、誰よりも強い。「ごめんねFingers crossed」のしなやかなダンスと覚悟に満ちた表情を見て、彼女の成長を認めない人はいないだろう。

 1月15日より放送のドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系)では、初の地上波ドラマにしてヒロインを務める。出演作は決して多くはないものの、彼女が見せてきた柔らかな自然体の演技は今回のヒロイン抜擢に繋がっているはずだ。遠藤のイメージとはミスマッチな作品の組み合わせも、彼女の新たな一面を見つけるきっかけになるかもしれない。

 そんな遠藤からセンターのバトンを受け取ったのが、28thシングル曲「君に叱られた」で初のセンターを務めた賀喜だった。ベストアルバム『Time flies』に収録されているドキュメンタリームービー『10年の歩み』の中で、遠藤は選抜発表後の賀喜に「『大丈夫?』って言いに行くからね」と声をかけている。賀喜が実感するセンター、そして乃木坂46の10年間の重み。その役目を賀喜はトレードマークである笑顔をもって成し遂げた。

 彼女は不思議な求心力を持っている。まるで「君に叱られた」のイントロの振り付けのように、賀喜の笑顔が周りに笑顔の輪となって広がっていくような、そんな魅力が彼女にはある。2021年を振り返ると、『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)内の『乃木坂LOCKS!』スタートが大きなトピックにあり、ほかにも『プレバト!!』(TBS系)での特待生一発昇格などがあるが、筆者が印象に残っているのがネプチューンの堀内健をすっかり虜にしてしまった『ホリケンのみんなともだち』(テレビ朝日系)への出演だ。『ネプリーグ』(フジテレビ系)での堀内の無茶苦茶なフリからスタートした2人のいざこざが、結果的に堀内が乃木坂46のコンサートに足を運び、新ギャグ「モモンガ」を伝授するまでになったのは、賀喜が持つ求心力あってのものである。余談ではあるが、齋藤飛鳥ら先輩メンバーが明かしている「賀喜は変な子」という一面は、今後楽しみにしたい部分だ。

 ほかにも、新・華の2001年組には、斜め上の発想の面白さがまだファンにも浸透しきっていないダークホースとも言える阪口、最近ラップに目覚めラジオのアシスタントMCを経て見違えるようにハキハキと受け応えができるようになった北川と、まだまだ紹介したいメンバーはいる。一つ確実に言えるのは、この世代が乃木坂46デビュー10周年の先を担っていくということだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる