高橋李依、永塚拓馬、高塚智人……加速する声優のアーティストデビュー この1年の動きを総括
そうした期待は、2022年にデビューする面々にも通ずるもの。後半では冒頭で予告したとおり、2022年にアーティストデビューが予定されている声優について掘り下げていこう。
“引き出しの多さ”が高める飛躍への期待
まずは『アイドルマスター SideM』の渡辺みのり役で一躍脚光を浴び、デビュー作の発表が目前に迫った高塚智人。『SideM』以外にも『スタンドマイヒーローズ PIECE OF TRUTH』の荒木田蒼生役などを通じて活躍の場を広げる彼は、1月26日リリースのミニアルバム『ホシノオト』でアーティストデビュー。歌唱力の高さについても定評があり、出演作品のライブイベントはもちろん、配信番組やイベントなどで様々な楽曲を見事にカバーしている姿をよく見る。どんな曲調でも本家へのリスペクトを忘れず自分らしさも感じさせる歌声は、これからの活動・活躍への期待を高めてくれるものだ。
さらに、3月9日リリースのデジタルシングルでソロデビューを果たすのが、青山吉能。声優デビューのきっかけとなった作品発の声優ユニット・Wake Up, Girls!では、伸びやかかつ高らかに歌い上げるソロパートなどで聴く者に強い印象を残した。加えて様々なキャラソンにおいても、バラエティに富んだサウンドを各キャラクターの特徴を的確に捉えたうえで巧みに歌いこなし、そのいずれもが作品ファンから高い評価を得ている。そんな彼女は、昨年12月にセルフプロデュースでのワンマンライブを開催し、カバー曲やキャラソンのセルフカバーを織り交ぜつつ、ライブに向けて制作したオリジナルバラード「たび」も披露しており、こちらも活動開始に向けて準備万端といったところである。
ちなみに本稿執筆時点では、高塚と青山のがデビュー作に収録する楽曲などの詳細は未解禁。高塚には演じたキャラクターの傾向も相まって、これまで大人な歌声を聴かせるキャラソンが多かったが、例えばカラオケイベントでジャニーズWEST「プリンシパルの君へ」を見事に歌唱したりと、その引き出しの多さはファンであれば知るところであり、青山も前述したとおり多彩なキャラクターに応じたキャラソンを歌いこなすスキルを持っている。それぞれが持つ個性の多さは表現の選択肢を増やす助けとなり、またファンに対して「何が飛び出してくるかわからない」というワクワク感も与えてくれるはずだ。
前述したような長所を活かすべく、注力し磨き上げていくのか、さらに新たな武器を身につけるためのトライ&エラーを重ねていくのか。すでに様々な分野で活躍する面々もさらなる進化を続け、同時に新しい風が次々と吹き込んでくる声優アーティストシーンから、2022年も目が離せない。