堀内まり菜、大西亜玖璃、高野麻里佳……今春アーティストデビュー果たした女性声優たち
2020年はコロナ禍の影響もあり多くのライブイベントが実現せず、その余波はアニメ作品の制作にも打撃を与えた。そういったなか、今年の春にアーティストデビューを果たす、大西亜玖璃、高野麻里佳、堀内まり菜の3名を紹介する。
大西亜玖璃(あぐり)は、2017年にデビューした若手女性声優だ。
声優活動以前には、2011年にNHK『中学生日記 転校生シリーズ「僕と君のメロディ」』にヒロイン役で出演。2012年に開催された『第13回 全日本国民的美少女コンテスト』のファイナリストにも選出された経歴を持つ。
当時15歳だった大西は、第13回・第14回『全日本国民的美少女コンテスト』のファイナリストで構成されるアイドルグループ・X21で約4年ほど活動し、その後、声優養成所を卒業。声優事務所リンク・プランに所属し、2018年から本格的にアニメ作品に参加するようになる。『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(TOKYO MXほか)では上原歩夢役に抜擢され存在感を発揮。主人公である高咲侑の幼馴染というポジションをしっかりと演じた。
まさにこれから存在を強めていこうというタイミングでリリースされたソロデビューシングル『本日は晴天なり』。「(歌うことは)私にとってはいつも側にあるものなので、無いことは考えられない存在です」(※1)と語る彼女にとって、この表題曲はいわば自己紹介となる曲だ。晴れ渡る空、浮ついた心模様、ホップしていく高揚感。ギターサウンドが効いたポップスとなった「本日は晴天なり」は、これまでの「アイドルらしい姿」が結びついた大西のイメージをうまく楽曲に落とし込んだナンバー。このシングルを経て、今後声優活動と共にアーティストとしてどのように活躍していくのか注目したい。
アニメ『それが声優!』(TOKYO MXほか)の小花鈴役や、現在アニメとスマートフォンゲームでシーンを席巻している『ウマ娘 プリティーダービー』のサイレンススズカ役、さらに声優ユニットのイヤホンズのメンバーとしても活動してきた高野麻里佳も、2月24日にシングル『夢みたい、でも夢じゃない』でソロアーティストデビューを果たした。
イヤホンズといえば、音楽的に攻めた楽曲が多く、アクロバティックかつ奇抜なサウンドで聴くものを驚かせてきた。そういったイメージとは打って変わり、「夢みたい、でも夢じゃない」はまさに正統派なJ-POPナンバーだと言えよう。
明るい未来に近づいていくという前向きなマインドを記した歌詞、アップテンポでリズミカルにハネていくポップなサウンド。聴くものを勇気づける応援ソングに仕上がっているこの曲は、「みんなが笑顔になれる曲にしたい」(※2)という彼女のメッセージを表したような曲だ。
いくつかのインタビューやTwitterで答えているように、彼女は「本当に自分はソロデビューをするべきか?」と数年に渡り考えてきたことを明かしている。そういった彼女の心境も踏まえると、「夢みたい、でも夢じゃない」はリスナーはおろか、高野自身を鼓舞するかのように歌っているようだ。