神田沙也加、夢を叶えた声優・アニソン歌手としての歩み アニメ/ゲーム好きからも支持された一面
神田沙也加はオタク界の偉大なる同志
直近ではマルチメディアコンテンツの『IDOLY PRIDE』に長瀬麻奈役で出演。不慮の事故で伝説のアイドルとなった役で、劇中では霊体として登場。「song for you」、「First Step」、「Precious」、「星の海の記憶」といった劇中歌を歌唱。同作のYouTube公式チャンネルでは、「夜に駆ける / YOASOBI covered by 長瀬麻奈(CV:神田沙也加)」や「花に亡霊 / ヨルシカ covered by 長瀬麻奈(CV:神田沙也加)」などが公開されており、巧みで圧倒的な歌声を聴くことができる。
ネットやボーカロイドのシーンにも明るく、「もしも神田沙也加がボカロキャラになったら?」をテーマに、神田自身が選曲とディレクションを担当したボカロカバーアルバム『MUSICALOID #38』シリーズをリリース。今年5月には第三弾がリリースされ、かいりきベア「ダーリンダンス」やDECO*27「乙女解剖」などをカバーしたほか、じーざす(ワンダフル☆オポチュニティ!)の「しんでしまうとはなさけない!」を声優の佐倉綾音とデュエットで聴かせた。その歌声はアーティストからの評価も高く、ボカロPのsasakure.UK率いる有形ランペイジの2012年のアルバム『有形世界リコンストラクション』に参加し、「二息歩行 feat. 神田沙也加」でコラボレーション。GARNiDELiAのtokuが6月にリリースしたアルバム『bouquet』では、「ずるいよ、桜」で作詞とボーカルを担当した。同月に開催されたtokuのライブにもコメントを寄せ、「ずるいよ、桜」という曲名は以前から温めていたものだったことを明かしていた。
以前、筆者が「MANTANWEB」や「アニメディア」で取材した際に、アニメとゲームが好きで声優スクールに通っていたこともあったと話した神田。学生時代には『ときめきメモリアル』『To Heart』『卒業』『アムネシア』など乙女ゲームを好んでプレイしており、『ときメモ』の陽ノ下光が好きだったそう。最初にハマったアニメは『美少女戦士セーラームーン』で、その後は『魔法騎士レイアース』や『カードキャプターさくら』などCLAMP作品を好んで見ていたなど、嬉々として語る表情が今でも印象的。取材した際に、アニメは“好きであること”が武器になるジャンルだということも発言していた。好きだからこそより突き詰めることができ、彼女自身もアニメに携わるようになった際にそれが活かされたそうだ。こういった時にオタクという言葉を使って相応しいか判断に迷うところだが、神田沙也加は生粋のアニメ/ゲームオタクであり、偉大なる同志であったことも忘れてはならない。