平川大輔、上坂すみれ、木村昴……声優×アーティストのコラボが活性化した2021年

 最後に紹介するのは、声優の木村昴だ。もはや説明不要だが、2005年、当時14歳にして『ドラえもん』(テレビ朝日系)の2代目ジャイアン役を射止め、そして音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』での活躍(木村は山田一郎役を担当)によって注目を集め続けている声優だ。2021年、彼は立て続けにアーティストとのコラボレーションを果たしており、その一つが“岡崎体育×木村昴”名義での「モーニンググローリー」だ。今年リリースされた岡崎のアルバム『OT WORKS II』のオープニングナンバーであり、木村がメインMCを務める『おはスタ』(テレビ東京系)のテーマソングでもある。曲中に挟まれる岡崎との軽妙な掛け合いは、木村自身のはつらつとしたキャラクターがあってこそ成り立つもので、両者の陽のパワーが重なった時のエネルギーは凄まじい。

【MV】岡崎体育 × 木村昴『モーニンググローリー』

 また、木村が主人公の一人・バイスの声優を務める『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)の主題歌「liveDevil」では、Da-iCEとのコラボが実現。サビ前からサビにかけてのラップパートは、『ヒプノシスマイク』などの活動があってこそのもので、声優という枠組みを越えた様々な活躍が、彼の次なる新しい挑戦へと繋がっていると言える。また木村は、YOASOBIの代表曲「夜に駆ける」の原作小説『タナトスの誘惑』と、そのスピンオフ小説『夜に溶ける』のオーディオドラマ『夜に駆ける』に、課長役として出演している。このケースは、オーディオドラマをはじめとした音声コンテンツの多様化によって、声優はさらに活躍の場を広げていけることを示唆していると思う。

Da-iCE feat. 木村昴 / liveDevil(『仮面ライダーリバイス』主題歌)MV Short Ver.

 来年以降も、声優とアーティストの新たなコラボレーションは続々と生まれていくはず。それらは、両者の活動の選択肢や、それぞれの表現の可能性を大きく広げていくものになるだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる