麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜、チコハニ、halca……DJ和、ミト、冨田明宏らが語る<ミュージックレイン>アーティストの個性

雨宮天、ハニワ、halcaらミューレの個性

 11月3日発売、“よく分かるミュージックレイン”をテーマに作られた『ミュージックレイン・オールスターMIX ”バイブル” mixed by DJ和』。前編に引き続き、このMIX CDの選曲会議をレポートする。前編ではスフィアとスフィアメンバーのソロ活動、TrySailの白熱した選曲の模様をお伝えしたが、後編ではTrySail各メンバーのソロ活動、HoneyWorks、CHiCO with HoneyWorks 、halcaと、またカラーの違うアーティストたちについて、熱い議論が交わされた。(草野英絵)

「(麻倉もも)は少女漫画的な世界観がすごく似合う」(冨田)

麻倉もも 『明日は君と。』Music Video(short ver.)

冨田明宏(以下、冨田);さて、TrySailのそれぞれのソロ活動から3曲ずつ選んでいこうと……。最初は“もちょ”こと、麻倉さん。皆さんが選んだ重複した曲を挙げると、「Good Job!」、「ユメシンデレラ」、そして「明日は君と。」。じゃあもうこの3つでいいの? っていう話になってくる。「Good Job!」を選んでいるのが私と松原さん。

松原:ライブで盛り上がって、しかもお客さんと一緒になれる曲と考えた時に、曲単体で聴いて元気になれるのは「Good Job!」なのかなと思いました。

冨田:私もほぼ同じ意見です。それ以外で言うと、「ユメシンデレラ」を私、色川さん、和さんが選んでる。

色川奈津子(以下、色川):「ユメシンデレラ」は、みんながみんな、スタッフも含めてにやにやしてるんで。第一声であんなに心を掴めるのはすごい。もちょって、わかりやすい恋の歌にシフトしている印象があって。その中で特に、「(歌詞に登場する女の子が)“彼女”だったらいいな」っていうのが「ユメシンデレラ」なんですよね。

冨田:僕は麻倉さんに対して、いわゆる少女漫画的な世界観がすごく似合うなと思っていて。それでいうと、HoneyWorksって最高のパートナーですよね。だからやっぱり「ユメシンデレラ」、「明日は君と。」このあたりの2曲は当然入ってくるかなと。

ミト:異論はなさそうですね。ここは不思議なもので、戸松さん的な「2曲はこれに決まってた」に近い、ストレスレスな感じはある。

冨田:彼女のヒロイン感を体現している、この2曲に関してはありなんじゃないかな。

ミト:もちょさんの声のキャラクターって、実はデビュー当時はあまり安定していないイメージがあって。TrySailやスフィアというユニットチームの中でも、ダントツに “かわいい“というカードは出せるんだけど、それもどこまで出すべきなのかどうか……みたいな時期を感じてました。キャラソンでも、声のバリエーションがかなり多かった時もありましたし。で、2年ぐらい前に、ようやく方向性が落ち着いて、自分の中での落とし所を見つけたのかなと思っていて。それを考えると、「あなたが当時そういう風に見てたものとは違う」っていうのを出せたらいいなと思っていて。それでいうと、実は松原さんのリストがよくできてる。

DJ和

松原:バランスは結構見ています。麻倉さんって恋心を歌っている曲がすごく多いんですよね。ほとんどそうなんですけど、乙女心を全く歌ってない応援ソングが唯一「スマッシュ・ドロップ」という曲で。多分彼女のシングルの中では一番ダンスが大変なんですけど、一つ一つの仕草がすごく女性らしくて。

冨田:かわいらしいですよね。

松原:ライブで見た時にダンスを含めて、ツーステップを踏みながら歌うかわいいイメージではない麻倉ももさんを伝えられるのは、「スマッシュ・ドロップ」だなと。あとは、「パンプキン・ミート・パイ」。この「パンプキン・ミート・パイ」って言葉を考えた人はすごいなって。

ミト:いよいよ松原さんが本領発揮してきましたね(笑)。

松原:「パンプキン・ミート・パイ」ってとにかく言いたい! ちなみにアニメイトの売り上げで言うと、「パンプキン・ミート・パイ」はぶっちぎりなんです。すごくキャッチーだし、〈パ・パ・パンプキン・ミート・パイ〉ってすぐに覚えられる。しかも、「パンプキンパイ」じゃなくて、「ミートパイ」なんですよ。パンプキンミートパイって何なん?

ミト:かわいさは麻倉さんの専売特許感はあったけど、それを全部受け止めた曲は、これだったのは間違いない。この人しか歌えないだろうっていうところに、ちゃんとシフトして歌い切ったのはすごいです。色川さんは「シュークリーム」を選んでいて、食べ物が結構出てきてますね。

松原:「シュークリーム」は恋心は恋心なんですけど、男性が抱く理想の女性を歌っている曲なんですよ。だからそういった意味では、それまでの麻倉さんの歌って、女の子の乙女心なんですけど、「シュークリーム」は異質なんです。

色川:たしかに、男性に夢を抱かせる。

松原:夢を抱かせる“麻倉もも”っていう存在に徹底している。そういった意味ではTrySailの中で一番プロフェッショナルだなって。

冨田:わかります。松原さんのおっしゃる通り、「パンプキン・ミート・パイ」はいい曲だし、数字的にもいいって話はすごく参考になる。あとは彼女の属性に“男性から見た理想的な女性“感があり、ここで必要になってくるのは女性の視点じゃないかなって。

色川:麻倉さんの曲のキャラクターって“かわいい“がアップデートされていくじゃないですか。新しい曲が出るたびに、毎回前作を越えていくんですよね。だからこそ、一番新しい曲は入れたかったのですが、難しいですね。

冨田:すごい、納得がいく。あらためて、3曲目は「パンプキン・ミート・パイ」でいかがでしょうか。

ミト:全く問題ないです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる