HKT48、宮脇咲良卒業など分岐点迎えた2021年 矢吹奈子、田中美久ら新たな柱の成長も
田中美久に漂う“背負ってきた人間のオーラ”
そんな矢吹とともに、HKT48をリードするのが田中美久だ。同じ3期生でグループに加入した2人は、間もなくして“なこみく”のコンビ名でおなじみに。2018年5月発売のシングル曲「早送りカレンダー」ではダブルセンターにも抜擢された。『TOKYO IDOL FESTIVAL 2021』ではユニットとして単独出演し、パフォーマンスも繰り広げた。もはやなこみくは単なる愛称では留まらないほど活動が広範囲化。HKT48内でも存在が際立っている。
ただ田中はもともと、自信を持ってアイドル活動ができるタイプではなかったように感じる。雑誌『BUBKA 2017年7月号』(白夜書房)のなこみくインタビューでは、『選抜総選挙』の話題について、選抜入りを目標に掲げて色々な感情を語っていた矢吹に対し、田中のコメントは「不安です」の一言だけ。雑誌『HKT48 Special 2019』でも、『選抜総選挙』への不安について仕切りに口にしていた。一方で同書では、「どんなお仕事でも自信を持ってできるようになって、ポジティブに考えられるようになりました」と徐々に前向きな気持ちで活動できるようになったとも話している。
しかしIZ*ONEへの参加によって矢吹、宮脇が不在になったとき、田中は「いよいよ自分たちの世代が、HKT48を引っ張っていく時期になった」と気を引き締めた。そういった意識の高まりが、彼女のタレントとしての人気向上にもつながった感がある。現在では、雑誌などのグラビアにも多数登場。2021年9月発売の1st写真集『1/2少女』(双葉社)も大ヒットを記録した。田中にとって今年は、自信を深めた1年になったのではないだろうか。
雑誌『ENTAME(エンタメ) 2021年8月号』(徳間書店)のなかで宮脇も、「みくりん(田中美久)も本当に頼もしくなりましたよね。なっぴ(運上弘菜)と一緒にセンターをやっているとき、みくりんがリードしているんですよね。この2年半、みくりんはHKT48を背負ってきたんだなって。背負ってきた人間にしか出せないオーラみたいなものを確かに感じたんですよ」と田中のステップアップを実感したという。
田中は11月30日オンエアのラジオ番組『Hyper Night Program GOW!!』(FM福岡)に出演した際、2022年の野望について「HKTは11年目になるので、グループとしても個人としても上にあがりたい」とはっきり語った。その言葉には、宮脇が話すような頼もしさがあった。
2021年は宮脇ほか、5月に森保まどか、12月27日には村重杏奈も卒業。結成10年目は入れ替わりの年にもなったHKT48。しかし矢吹の復帰によって、田中との二本柱ができあがった。今回のアルバム『アウトスタンディング』とは“突出”を意味しているが、まさに2022年以降、なこみくを軸に48グループのなかでも抜きん出た存在となるはずだ。
※1:https://times.abema.tv/articles/-/10007578