定番クリスマスソングが複数チャートイン　ストリーミング時代が可能にした旧作の再燃を考える

　5年前のクリスマス週のThe Billboard Hot 100を見ると、トップ10は全て新作であった。しかし2017年には、マライア・キャリーの「All I Want for Christmas is You」が9位にチャートイン。2018年12月24日には、同曲はSpotifyで24時間に約1080万回再生され、XXXテンタシオンの「SAD!」が保持していた記録を塗り替えた（※3）。さらにリリース25周年となった2019年12月には、ついに初のビルボード1位を獲得。1位を獲得するまでに最も時間がかかった曲としての記録も打ち立てた。

　マライア・キャリーの「All I Want for Christmas is You」が再度1位を獲得した、2020年12月14日週のThe Billboard Hot 100を見てみると、トップ10のうちの5曲が、25年以上前にリリースされた往年のクリスマスソングとなっている。（※4）前述のように、新作のみがトップ10にランクインしていた数年前のチャートと比べ、ストリーミングサービスの台頭とともに、旧作に再度火がついていることがわかる。

　現代のアーティストが、往年のクリスマスソングと勝負をすることになるとは、誰が予想できただろう。12月2日週のSpotifyTOP200では、アリアナ・グランデが2014年にリリースした「Santa Tell Me」が33位、ジャスティン・ビーバーの2011年のクリスマスソング「Mistletoe」が53位となっている（※5）。また、今年の12月3日にリリースされたエド・シーランとエルトン・ジョンの「Merry Christmas」が、来週のチャートでどこまで食い込めるのか注目していきたい。

（※1）https://www.musicbusinessworldwide.com/even-adele-cant-stop-old-album-sales-overtaking-new-artists/
（※2）https://www.rollingstone.com/pro/features/music-catalogs-value-keeps-rising-could-it-change-the-face-of-the-entire-industry-1056229/
（※3）https://www.billboard.com/music/pop/mariah-carey-all-i-want-for-christmas-is-you-spotify-streaming-record-8491593/
（※4）https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=uhot100&year=2020&month=12&day=19
（※5）https://spotifycharts.com/regional/global/weekly/latest