【新連載】EXILE、アルバムで辿る軌跡 第一章&第二章:デビューから受け継がれるエンタテインメントを追求する姿勢

『EXILE LOVE』

 それから約9カ月、2007年12月12日には、“愛”をコンセプトとした6thアルバム『EXILE LOVE』がリリースされる。2007年夏には、7人体制になって初のアリーナツアー『EXILE LIVE TOUR 2007 EXILE EVOLUTION』も開催した第二章EXILE。彼らの忙しなくも愛に溢れた1年を辿るように、爽快なサマーチューン「SUMMER TIME LOVE」やクリスマスシーズンを盛り上げる「I Believe」といったラブソングが収録された。ちなみに、今年8月に開催された『CL 1st Anniversary Live 2021』では、AKIRA、TAKAHIRO、ケンチ、啓司、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHIが「SUMMER TIME LOVE」をパフォーマンス。「Beautiful」に至っては、14年もの時を経た異例のライブ初披露となり話題を呼んだ。さらに、EXILEのデビュー20周年を記念したJr.EXILEによるカバー企画『EXILE TRIBUTE』では、GENERATIONS from EXILE TRIBEが「時の描片 ~トキノカケラ~」、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEが「Touch The Sky」をそれぞれの作品内でカバー。『CL 1st Anniversary Live 2021』でSHOKICHIも「『EXILE LOVE』、好きだなぁ……」としみじみ語っていたが、GENERATIONSも2018年にリリースしたベストアルバム『BEST GENERATION』で、「SUMMER TIME LOVE」や「I Believe」をカバーしており、『EXILE LOVE』がファンだけでなく、EXILE TRIBEメンバーからも深く愛されるアルバムであることを示している。

EXILE / SUMMER TIME LOVE
EXILE / I Believe

 2008年には、LDHが開催する祭典『EXILE PERFECT YEAR 2008』の一環として、3枚のベストアルバムがリリースされた。第一弾『EXILE CATCHY BEST』(2008年3月26日)には、TAKAHIROが作詞し、映画『チーム・バチスタの栄光』の主題歌に起用された「You're my sunshine」や、長年ライブの定番曲となっているゴダイゴのカバー曲「銀河鉄道999 feat. VERBAL(m-flo)」など、キャッチーなポップチューンを収録。

 第二弾『EXILE ENTERTAINMENT BEST』(2008年7月23日)は過去にリリースしたR&Bやダンスチューンを中心に、様々なコラボレーションを楽しめる1枚となっており、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ出演のシャンプーのCMソングとして書き下ろされた「SUPER SHINE」(『EXILE TRIBUTE』企画でGENERATIONSがカバー)や、当時は二代目 J Soul Brothersとして活動していたNESMITH、SHOKICHIとTAKAHIROが歌唱する「My Buddy」などを収録。

 ラストを飾る第三弾『EXILE BALLAD BEST』(2008年12月3日)には、「Ti Amo」や「Lovers Again」といった極上のバラードが収録された。デビュー曲「Your eyes only ~曖昧なぼくの輪郭~」を初めとする第一章の楽曲は、ATSUSHI&TAKAHIROが再録し、2人ならではの甘いハーモニーを響かせている。

 そして、AKIRAとTAKAHIROが加入した2006年以降、がむしゃらに駆け抜けてきた7人は、『EXILE BALLAD BEST』をリリースした12月に初の5大ドームツアー『EXILE LIVE TOUR "EXILE PERFECT LIVE 2008"』を開催。憂いを帯びた深みのあるATSUSHIの歌声と、一言一言丁寧に歌い上げるTAKAHIROの澄んだ歌声が、第二章EXILEの真の始まりを告げる。だが、方向性の違う3枚のベストアルバムが、これまで振り幅の広い活動を続けてきたEXILEの集大成として世に放たれる中、水面下では次なる展開が動き始めていたのだった。

EXILE / Ti Amo
EXILE / Lovers Again

※1、2:https://www.instagram.com/p/BbMXpCOF9wP/?utm_source=ig_web_copy_link
※3:https://web.archive.org/web/20060523022338/http://www.oricon.co.jp/music/interview/060324_01_02.html

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